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「カーテン開けると異世界トリップで大儲け」  作者: 碧凛睡
第1章 カーテンの向こうで大商売!
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第50話 父を探す旅!でも船の中はプリン騒動!

「父さんを探す!」

蓮は港に停まった船を見上げた。

昨日、母から聞いた言葉。

そしてスマートフォンに表示された、

【父親の現在地――境界最深部】

【残り時間:23時間59分】

「急がないと……」

ミリアが頷く。

「うん。みんなで行こう」

ガルドも船に乗り込む。

「境界最深部か。かなり危険そうだな」

リナは地図を広げた。

「この先にあるみたい」

セレナも当然のようについてくる。

「私も行きます!」

「セレナ、今回は危険だぞ?」

「蓮様の妻として――」

「妻じゃない」

「未来の妻として!」

「そこは変わらないのか……」

狼王が船に乗る。

「我も行こう」

海斗が笑った。

「これだけ揃えば、ずいぶん賑やかな旅になりそうだな」

出航!

船が港を離れる。

風を受けて帆が大きく膨らんだ。

「出発!」

蓮は甲板から海を見る。

目的地は――

境界最深部。

父がいる場所。

母が待っている場所。

そして、佐伯家の秘密が眠る場所。

……のはずだった。

「蓮」

ミリアが声をかける。

「何?」

「お腹空いた」

「……」

蓮は船倉を見る。

「そういえば、食料を積んでたな」

全員が船倉へ向かった。

船の中で発見されたもの

「えーっと……」

蓮が箱を開ける。

カップ麺。

レトルトカレー。

おにぎり。

パン。

お菓子。

そして――

大量のプリン。

「……」

蓮は固まった。

セレナが満面の笑みになる。

「ありました!」

「何でこんなにあるんだよ!」

「航海には必要です!」

「絶対必要じゃない!」

「必要です!」

ガルドが箱を確認する。

「……確かに多いな」

「ガルドまで!」

ガルドは真面目な顔で答えた。

「売れる可能性がある」

「そこかよ!」

セレナがプリンを一つ持ち上げる。

「蓮様、一つだけ食べませんか?」

「一つだけなら……」

「では、いただきます!」

「セレナ、もう食べてるじゃん!」

「あっ」

「おい!」

みんなが笑い出す。

緊張していた蓮も、思わず笑った。

「……まあ、こういうのも悪くないか」

プリン争奪戦

その日の昼。

プリンの残りを確認すると――

「……減ってる」

蓮が箱を見る。

「一個、二個……」

「三個……」

「四個……」

「誰だ?」

全員が顔を見合わせる。

セレナが慌てる。

「わ、私は二個しか……」

「二個食べたの!?」

「はい」

「堂々と言うな!」

ミリアが手を挙げる。

「私は一個」

リナも、

「私も一個」

ガルドは首を振る。

「俺は食べていない」

海斗も食べていない。

そして――

全員が狼王を見る。

「……」

狼王はそっぽを向いた。

蓮が目を細める。

「狼王?」

「我は知らぬ」

「口の横にカラメルついてるけど」

「……」

沈黙。

「我は……少し味見をしただけだ」

「少し?」

「……五個ほど」

「食べすぎだろ!」

船中に笑い声が響いた。

しかし、突然

その瞬間。

ゴォォォォン!

船が大きく揺れた。

「うわっ!」

「何!?」

蓮が甲板へ飛び出す。

海面が大きく盛り上がっている。

「何かいる!」

海の中から巨大な影が現れた。

ミリアが杖を構える。

「魔物!?」

狼王が低く唸る。

「違う」

巨大な影が――

ゆっくり海面から顔を出した。

「……魚?」

巨大な魚だった。

しかも、その背中には小さな家が乗っている。

蓮は目を丸くする。

「……家?」

家の扉が開いた。

中から小さな老人が顔を出す。

「おーい!」

「誰!?」

老人は船を見て叫んだ。

「異世界商人だろ!?」

「……はい」

「なら――」

老人が笑う。

「プリンを売ってくれ!」

「そこ!?」

蓮は思わず叫んだ。

セレナが目を輝かせる。

「商売です!」

ガルドも帳簿を取り出す。

「船上販売開始だな」

「みんな切り替え早すぎない!?」

まさかの海上商売

蓮はプリンを一つ取り出した。

「一個、いくらですか?」

老人は金貨を出した。

「これで十個!」

「えっ」

「十個ください!」

蓮は驚いた。

「そんなに?」

老人は真剣な顔で答える。

「この海域では甘いものが手に入らんのじゃ」

セレナが蓮の耳元で囁く。

「蓮様……これは商機です」

「分かってる」

蓮は笑った。

「じゃあ、十個どうぞ」

老人は大喜び。

「ありがとう!」

そして――

魚の背中の家から、さらに人が出てきた。

「プリンだ!」

「甘いものだ!」

「俺も買う!」

「私も!」

あっという間に行列ができた。

ガルドが売上を計算する。

「現在、売上――」

「いくら?」

「42金貨」

「海の上で!?」

蓮は笑った。

「……やっぱり商売って面白いな」

父の手がかり

商売が終わる頃。

老人が蓮に近づいてきた。

「お前さん、佐伯の者か?」

蓮の表情が変わる。

「……どうして知ってるんですか?」

老人は懐から古い紙を取り出した。

「昔、ここを通った男から預かった」

蓮が紙を見る。

そこには――

父の名前。

佐伯蓮の父――佐伯○○

そして、その下に一行。

――海の向こうへ行く。

――必ず戻る。

蓮は紙を握った。

「父さん……」

老人は海の先を指差した。

「その男なら、境界最深部へ向かった」

「本当に?」

「ああ」

そして老人は、最後に言った。

「ただし――」

「そこへ行った者は、帰ってきたことがない」

蓮は海を見つめた。

さっきまでの笑顔が消える。

「……それでも行く」

ミリアが隣に立つ。

「私も行く」

ガルドも頷く。

「俺もだ」

セレナが手を上げる。

「私も!」

狼王が言う。

「我も行こう」

蓮はみんなを見る。

そして笑った。

「よし」

「行こう。父さんを迎えに」

船は再び進み始めた。

その先には――

まだ誰も戻ってきたことのない、

境界最深部。

そして蓮たちは知らなかった。

父がそこで待っているだけではないことを。

――父は、何かから逃げながら蓮を待っていた。

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