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「カーテン開けると異世界トリップで大儲け」  作者: 碧凛睡
第1章 カーテンの向こうで大商売!
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第40話 竜王国で正式開店――蓮を崇拝する美女!?

翌朝。

竜王国・王都。

「本日、正式オープンです!」

蓮の声が響いた。

昨日まで仮設だった販売所は、立派な店へと姿を変えていた。

看板には――

【異世界コンビニ】

大きく日本語で書かれている。

「本当に店になった……」

蓮が感慨深そうに呟く。

ミリアが商品を並べる。

「プリン、シュークリーム、ロールケーキ……」

リナは飲み物を担当。

「カップ麺もあります!」

狼王は店の入り口で堂々と座っていた。

「……看板犬」

「狼王です!」

「客寄せにはなる」

「なるほど……」

そして――

「蓮ー!」

ルナリアが駆け込んできた。

「開店おめでとう!」

「ありがとう」

「プリンある?」

「朝から?」

「朝だから食べるの!」

「そういうものなのか……」

竜王も少し離れたところから店を眺めている。

「客が来るかどうか……」

その瞬間。

「うおおおお!」

「開いたぞ!」

「昨日の菓子の店だ!」

「プリンだ!」

「シュークリームだ!」

一気に人が押し寄せた。

「いらっしゃいませ!」

蓮は笑顔で接客する。

「プリン三つ!」

「はい!」

「チョコレートケーキ!」

「ありがとうございます!」

「歯ブラシも!」

「そちらは日用品コーナーです!」

「なんだこの店、何でもあるな!」

大盛況だった。

そして――

昼過ぎ。

蓮が商品を補充していると。

店の入り口に、一人の女性が立っていた。

長い銀色の髪。

抜群のスタイル。

真っ白な肌。

竜王国では珍しい青い瞳。

年齢は二十代前半ほどに見える。

彼女は店内をじっと見つめていた。

「…………」

そして――

蓮を見た。

「…………!」

目を大きく見開く。

「あなたが……」

「はい?」

女性がゆっくり近づいてくる。

「あなたが……蓮様……」

「え?」

女性は突然、蓮の前で跪いた。

「見つけました……!」

「ええ!?」

店内が静まり返る。

ミリアが驚く。

「蓮さん!?」

ルナリアも目を丸くした。

「誰!?」

女性は両手を胸の前で組んだ。

「私は、王都商業組合の――」

一呼吸。

「熱狂的な信者です!」

「……はい?」

蓮は固まった。

女性は真剣な顔をしている。

「昨日、あなたが販売したプリンを食べました」

「は、はい」

「人生が変わりました」

「プリンで!?」

「はい!」

女性の目が輝く。

「こんなに美味しいものを作り、こんなに便利な品を異世界から届ける……」

「いや、俺が作ったわけでは……」

「謙虚!」

女性は感動したように震えた。

「なんという謙虚さ!」

「いやいや!」

彼女は蓮の手を両手で握った。

「蓮様!」

「はい!」

「私は今日から、あなたを崇拝します!」

「しないでください!」

即答だった。

しかし女性は全く気にしない。

「お名前を教えていただいても?」

「もう知ってますよね?」

「もっと詳しく!」

「必要ですか!?」

女性は笑顔になった。

「私はセレナと申します」

竜王が遠くから彼女を見ていた。

「……あの娘は、かなり変わっているぞ」

ルナリアが小声で聞く。

「知ってるの?」

「ああ。商業組合でも有名だ」

「どういう人?」

「一度気に入った商品を見つけると、毎日買いに行く」

「……」

ルナリアが蓮を見る。

「蓮、大丈夫?」

「たぶん……」

セレナが突然叫んだ。

「蓮様!」

「はい!?」

「この店の商品を全部説明してください!」

「全部!?」

「はい!」

セレナは目を輝かせながら商品棚を見ている。

蓮は仕方なく説明を始めた。

「これは歯ブラシ」

「歯を磨く道具……!」

「これは石けん」

「身体を清潔に……!」

「これは保存袋」

「食品を保存できる!」

「これはラップ」

「料理にも使える!」

セレナの感動がどんどん大きくなる。

「素晴らしい……!」

「普通の商品なんですけど……」

「普通ではありません!」

セレナが力強く言った。

「竜王国の生活を変える商品です!」

蓮は少し照れた。

「そこまで言われると……」

「蓮様!」

「はい」

「こちらのカップ麺は?」

「お湯を入れて数分待つだけです」

「…………」

セレナの表情が変わった。

「数分……?」

「はい」

「料理をしなくても?」

「はい」

「鍋も使わず?」

「はい」

「……神」

「違います」

「神です!」

「違います!」

ミリアが笑いをこらえている。

ルナリアは完全に面白がっていた。

「蓮、もう諦めたら?」

「何を!?」

そしてセレナは――

カップ麺。

プリン。

シュークリーム。

歯ブラシ。

石けん。

タオル。

保存袋。

LEDライト。

大量の商品を購入した。

「ありがとうございました!」

「明日も来ます!」

「……え?」

セレナは満面の笑み。

「毎日来ます!」

「毎日!?」

「はい!」

翌日。

「蓮様!」

「来た……」

セレナが開店直後から来た。

三日目。

「蓮様!」

四日目。

「蓮様、おはようございます!」

五日目。

「本日も尊い……!」

「何が!?」

一週間後。

「蓮様! 今日は新商品がありますか!?」

「まだです!」

「では既存商品を買います!」

完全に常連になっていた。

しかも――

毎回、何かしら大量に買っていく。

売上表を見ると。

【セレナ様】

【購入回数:7回】

【累計購入額:132金貨】

蓮は頭を抱えた。

「……すごい」

ガルドなら絶対喜ぶ数字だ。

そしてセレナは店の前で宣言した。

「この店は竜王国の宝です!」

「そこまで!?」

「皆さん、もっと蓮様の商品を買いましょう!」

その声を聞いた人々が集まり始める。

「蓮様の商品?」

「何だそれ?」

「プリンなら昨日食べたぞ!」

「俺も買おう!」

「俺は歯ブラシを!」

「私は石けん!」

店内が再び大混雑。

蓮は目を丸くした。

「……セレナさん」

「はい!」

「もしかして……宣伝してます?」

「もちろんです!」

セレナは満面の笑みで答えた。

「蓮様の素晴らしさを、竜王国中に広めるのが私の使命です!」

「使命にしないでください!」

その横で竜王が小さく呟いた。

「……面白い娘を味方につけたな」

ルナリアも笑う。

「蓮、これから毎日大変だね!」

蓮は苦笑した。

だが――

スマートフォンが突然鳴った。

ピコン。

【竜王国・商業接続安定】

【境界安定度】

【78% → 81%】

さらに――

【特殊顧客を確認】

【セレナ】

【商業適性:極めて高い】

【影響力:高】

蓮は画面を見つめる。

「特殊顧客……?」

セレナは何も知らず、今日も嬉しそうにプリンを買っている。

「蓮様!」

「はい?」

「明日は何時から開店ですか?」

「朝からですけど……」

「では、朝一番に来ます!」

「……毎日来るんですね」

「もちろんです!」

セレナは満面の笑顔で答えた。

こうして――

蓮には、また一人。

とんでもなく癖の強い常連客が増えたのだった。

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