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「カーテン開けると異世界トリップで大儲け」  作者: 碧凛睡
第1章 カーテンの向こうで大商売!
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第36話 コンビニスイーツ大爆発――竜王の姫様、お忍び来店!

港町支店を開いて、一週間。

俺たちは順調に売上を伸ばしていた。

「保存容器、完売です!」

「電池も残りわずか!」

「タオルも売れています!」

ミリアが忙しそうに店内を走り回る。

「いい感じだな」

俺は帳簿を確認した。

港町の客は、王都とは少し違う。

船員が多い。

漁師も多い。

商人も多い。

だから保存用品やライト、食品がよく売れる。

「次は何を仕入れる?」

ガルドが聞いてくる。

俺はニヤリと笑った。

「今日は……新商品を出す」

「新商品?」

「甘いものだ」

「甘いもの?」

リナが目を輝かせた。

「お菓子ですか!?」

「そう」

俺は日本へ戻った。

そして――

コンビニへ。

「さて……何を持っていこうかな」

棚を見る。

プリン。

シュークリーム。

エクレア。

ロールケーキ。

どら焼き。

チョコレート。

クッキー。

ポテトチップス。

グミ。

キャンディ。

そして――

「これだ」

俺が手に取ったのは、冷たいスイーツ。

コンビニの定番。

「プリン、シュークリーム、エクレア。これは絶対売れる」

さらにお菓子を大量に購入する。

店へ戻ると――

「な、なんですかこれ!」

ミリアが目を輝かせた。

「お菓子だよ」

「食べていいですか?」

「試食ならな」

ミリアはプリンを一口。

「……!」

固まった。

「どう?」

「……甘い」

「うん」

「柔らかい……」

「うん」

「おいしい……!」

ミリアの目が輝く。

「蓮さん!」

「はい」

「これは売れます!」

「だろ?」

リナもシュークリームを食べる。

「……!」

「どう?」

「中から甘いクリームが出てきました!」

「シュークリームだからな」

「こんな食べ物……初めてです!」

ガルドまでエクレアを一口。

「……」

無言。

「どうした?」

「……これを売るのか?」

「もちろん」

ガルドは真剣な顔になった。

「蓮」

「何?」

「これは危険だ」

「え?」

「売れすぎる」

          ◇

翌朝。

店頭に新商品を並べた。

『新商品!』

『プリン』

『シュークリーム』

『エクレア』

『日本のお菓子』

開店。

三分後。

「何だこれは?」

「甘い物だって!」

「食べ物なのか?」

「試食できます!」

「じゃあ一つ」

パクッ。

「……!」

「うまい!」

「俺にも!」

「私にも!」

あっという間に人が集まった。

「プリン、あと五個!」

「シュークリーム十個!」

「チョコレート全部!」

「ポテトチップスは?」

「グミはないのか?」

「クッキーも!」

「ちょっと待ってください!」

ミリアが叫ぶ。

「順番にお願いします!」

俺は商品を補充する。

しかし――

補充しても。

補充しても。

売れていく。

「蓮!」

ガルドが走ってくる。

「何だ?」

「プリンがなくなった!」

「追加!」

「追加した!」

「じゃあまた追加!」

「もうない!」

「……え?」

ガルドが空箱を見せる。

「全部売れた」

「早すぎるだろ!」

          ◇

昼過ぎ。

店内の商品棚は、ほとんど空になっていた。

「お菓子もありません」

ミリアが呟く。

「スイーツも完売です」

リナも驚いている。

「一日で……?」

俺は売上を見る。

「……四百八十金貨」

「昨日より多い!」

ガルドが目を見開く。

「甘い物だけでこれか……」

俺は笑った。

「コンビニスイーツ、異世界でも強いな」

その時。

店の外が少し騒がしくなった。

「何だ?」

俺が外を見る。

人だかりの中を、一人の少女が歩いてくる。

黒いフード付きのマント。

顔はほとんど隠れている。

その後ろには――

「……護衛?」

ガルドが小声で言った。

「でも、普通の客に見えます」

ミリアが首を傾げる。

少女は店の前で立ち止まった。

看板を見る。

そして――

「……ここが、噂のお店?」

小さな声。

「はい。異世界商人の店です」

俺が答える。

少女は少し緊張した様子で店内へ入った。

「いらっしゃいませ」

「……」

少女は棚を見る。

しかし――

ほとんど空。

「……」

「すみません。今日はかなり売れてしまって」

少女は少し残念そうな顔をした。

「甘いものは?」

「少しだけ残っています」

俺は奥から商品を出した。

「プリンとシュークリームがあります」

「……!」

少女の目が輝いた。

「両方ください」

「はい」

少女はプリンを受け取った。

「ここで食べてもいい?」

「もちろん」

少女はスプーンを手に取る。

そして――

一口。

「……!」

目を大きく見開く。

もう一口。

「……おいしい」

小さく呟いた。

「こんなにおいしいもの……初めて」

その表情を見て、俺も嬉しくなった。

「気に入ってもらえてよかった」

少女は顔を上げる。

「あなたが作ったの?」

「いや、日本で仕入れてきたもの」

「日本……?」

少女の表情が変わった。

「あなた……異世界商人なのね」

「そうだけど」

少女は少し考えてから、微笑んだ。

「また来るわ」

「いつでもどうぞ」

「絶対に来る」

少女はシュークリームも大事そうに抱えた。

そして店を出ていった。

「……」

ミリアが少女の後ろ姿を見る。

「蓮さん」

「ん?」

「あの人……普通じゃないですよ」

「やっぱり?」

ガルドも頷いた。

「周りの人間が妙に警戒していた」

リナが窓の外を見る。

「魔力も……すごく強かったです」

「まあ、甘い物が好きな客ってことでいいだろ」

俺はそう言って、空になった棚を見る。

「それより明日の仕入れだ」

「また仕入れるんですか?」

「当然」

「どれくらい?」

「昨日の三倍」

ガルドが頭を抱えた。

「売れる前提かよ……」

          ◇

その頃。

港町から少し離れた場所。

少女は馬車に乗り込んでいた。

「姫様!」

護衛の男が声をかける。

少女はフードを外した。

長い金色の髪。

額には、小さな角。

瞳は深い赤。

「……おいしかった」

「それは良かったですが……」

護衛は困った顔をする。

「なぜ護衛もつけずに、あのような店へ?」

「だって」

少女はプリンの空容器を大事そうに抱えた。

「竜王城では、こんな甘いもの食べられないもの」

「姫様……」

少女は笑った。

「明日も行く」

「またですか!?」

「今度はお菓子を全部買う」

「それは店が大変なことになります!」

少女は楽しそうに笑った。

「いいの」

そして――

小さく呟いた。

「異世界商人……面白い人だったな」

          ◇

翌朝。

俺は日本から大量の商品を仕入れていた。

プリン。

シュークリーム。

エクレア。

ロールケーキ。

チョコ。

クッキー。

ポテトチップス。

グミ。

キャンディ。

「よし!」

開店準備完了。

扉を開ける。

「いらっしゃいませ!」

すると――

開店前から、店の前に長い行列ができていた。

「え?」

俺は固まった。

「昨日のお菓子、また売ってくれ!」

「プリン十個!」

「シュークリーム二十個!」

「チョコレートは箱で!」

「グミを全部!」

「……」

ガルドが静かに言った。

「蓮」

「何?」

「これは……商売になるぞ」

「だから言っただろ」

俺は笑った。

「コンビニは強いって」

その時。

人混みの向こうから――

昨日の少女が、再び現れた。

今日は少しだけ高級そうな服。

でも、顔は隠している。

少女は店の前で立ち止まり――

俺に向かって笑った。

「今日は、全部買ってもいい?」

俺は笑って答えた。

「もちろん」

まだ俺は知らなかった。

その少女が――

この国の竜王の一人娘。

竜王国第一王女。

そして――

俺の店の、超重要なお得意様になることを。

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