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「カーテン開けると異世界トリップで大儲け」  作者: 碧凛睡
第1章 カーテンの向こうで大商売!
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第16話 リナの地図に隠された秘密

「……この地図、本当に合ってるのか?」

佐伯蓮は机の上に広げられた紙を見つめていた。

リナが描いた地図。

中央には大きな森。

その北側に――。

【狼王の森】

さらに北。

【黒い穴】

そして、その先に――。

【竜人の国】

「うん」

リナは頷いた。

「私が逃げてきた道だから、間違ってない」

「じゃあ……」

蓮は指で地図をなぞる。

「狼王の森から黒い穴まで、そんなに遠くない」

「三日くらい」

ミリアが驚く。

「三日?」

「歩いて?」

「うん」

「近いな……」

蓮は考え込んだ。

狼王は言っていた。

森の奥で、木々が枯れている。

獣たちが狂っている。

そして境界の気配が強くなっている。

もしかすると。

「全部つながってるのか?」

リナが蓮を見る。

「どういうこと?」

「黒い穴が広がってるせいで、狼王の森まで影響を受けてるんじゃないか?」

リナは地図を見る。

「……たぶん」

その瞬間。

――コン。

カーテンから音がした。

三人が振り返る。

「また?」

ミリアが警戒する。

蓮はゆっくりカーテンに近づいた。

「大丈夫」

手を伸ばす。

しかし。

カーテンを開ける前に。

――ビリッ。

机の上の地図が光った。

「え?」

リナが驚く。

地図の上に、淡い光の線が浮かび上がった。

線は。

狼王の森から始まり――。

黒い穴へ伸び。

さらにその先。

竜人の国へ。

そして。

もう一つ。

今までリナが描いていなかった場所へ伸びていく。

「ここ……」

蓮が指差す。

「何?」

ミリアが覗き込む。

そこには小さな島が描かれていた。

リナが首を振る。

「知らない」

「知らない?」

「こんな場所、地図にはなかった」

線はその島で止まった。

そして。

地図に文字が浮かび上がった。

【第三接続候補】

蓮の顔が引きつる。

「……また第三か」

さらに文字が現れる。

【接続地点:未登録】

【名称:なし】

【危険度:極高】

「危険度……極高」

ミリアが唾を飲み込む。

リナは青ざめていた。

「その島……」

「知ってるのか?」

「名前だけ」

「なんていう?」

リナは小さな声で答えた。

「虚無の島」

「……虚無?」

「何もない島」

「じゃあ、なんで危険なんだ?」

リナは首を横に振った。

「何もないんじゃない」

少し間を置いて。

「何もかも、消えてしまった島」

蓮は黙った。

そのとき。

カーテンが突然開いた。

――バッ!

「うわっ!」

そこに広がっていたのは、いつもの異世界。

しかし。

空が赤い。

遠くの森から、黒い煙が上がっている。

「何かおかしい」

ミリアが呟く。

蓮は地図を見る。

「……待て」

地図の上で。

黒い穴の位置を示す光が――。

動いていた。

「動いてる?」

リナが震える。

「黒い穴が……こっちに近づいてる」

「どこへ?」

蓮が見る。

光が進んでいく先。

それは――。

狼王の森。

「まずい」

蓮は立ち上がった。

「狼王に知らせないと」

「行くの?」

「行く」

ミリアも立ち上がる。

「私も行く」

「リナは?」

「私も」

「危険だぞ」

リナは蓮を見る。

「私の世界のことだから」

その目には強い意志があった。

蓮は少し笑った。

「分かった」

三人は荷物を準備する。

水。

食料。

LEDライト。

電池。

包帯。

防寒具。

そして――。

蓮は百円ショップで買った折りたたみ傘を手に取った。

「……これも持っていこう」

ミリアが笑う。

「盾?」

「違う」

「便利?」

「たぶん」

リナも初めて笑った。

「日本の道具って面白いね」

「だろ?」

三人がカーテンをくぐる。

その瞬間。

スマートフォンが震えた。

【第二接続:安定】

【第三接続:接近中】

そして。

新しい表示。

【境界融合率:8%】

蓮は足を止めた。

「昨日は7%だった」

ミリアが振り返る。

「一日で1%……」

蓮は地図を見る。

黒い穴の光が、また少し動いた。

「このままじゃ……」

そのとき。

森の奥から。

巨大な遠吠えが響いた。

――ウォォォォォン!

狼王だ。

蓮は走り出す。

「行くぞ!」

ミリアとリナも続く。

しかし。

誰も気づいていなかった。

地図の端。

小さな島のさらに外側に――。

もう一つ。

小さな光が浮かんでいることに。

そしてそこには。

文字があった。

【第一接続先:日本】

【第二接続先:リナの世界】

【第三接続先:???】

【第四接続先:未確認】

蓮たちが走り去ったあと。

地図だけが静かに光り続けていた。

――世界は三つではなかった。

その可能性が、少しずつ姿を現し始めていた。

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