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「カーテン開けると異世界トリップで大儲け」  作者: 碧凛睡
第3章 未知の海へ!最初の商人と境界の秘宝
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第21話 缶ビール&コーラ販売開始!

 異世界の乾杯ブームが止まらない!

竜王国・王都。

「蓮! コーラはまだか!」

朝一番。

店の扉を開けた瞬間、狼王が飛び込んできた。

「おはようございますより先に、それですか!」

「昨日のコーラが忘れられぬ!」

「狼王、昨日あれだけ飲んだでしょう!」

「だからだ!」

何が「だから」なのか分からない。

その後ろには、冒険者たちが並んでいた。

「蓮さん、あの黒い炭酸飲料を売るって本当ですか?」

「黄金色の酒もあるんだろ?」

「俺はコーラが欲しい!」

「俺はビールだ!」

……大変なことになっていた。

俺はため息をつきながらスマートフォンを取り出した。

「分かりました。販売しましょう!」

「「「おおおおおっ!」」」

店の前に歓声が響いた。

          ◇

「まずは商品を決めよう」

俺はテーブルに商品を並べた。

缶コーラ。

缶ビール。

今回は、身内だけのパーティーとは違う。

お客様に販売する商品だ。

「コーラは子どもから大人まで楽しめる。ビールは大人向けだ」

ミリアが頷いた。

「販売する場所を分けた方がよさそうですね」

「そうだな。ビールは年齢や飲酒ルールを確認して、酒場を中心に販売しよう」

ガルドが帳簿を開いた。

「コーラは食堂や冒険者ギルドにも売れる。ビールは酒場との契約がよさそうだな」

「さすがガルド。話が早い」

「商売のことなら任せろ」

ガルドは自信満々だった。

そこへセレナがやってきた。

「蓮様、私もお手伝いします♡」

「ありがとうございます」

「では、私がビールの販売を担当します」

「……セレナさん、お酒は飲めますか?」

「販売するのと飲むのは別です」

「それはそうですね」

セレナはにっこり笑った。

「でも、蓮様と乾杯するのは大歓迎です♡」

「話が戻ってる!」

          ◇

販売開始の時間になった。

店の前には、コーラとビールを並べた特設売り場を設置した。

看板には大きく書いてある。

『日本の炭酸飲料・コーラ』

『冷えた缶ビール・販売開始』

「それでは、販売を始めます!」

俺の声と同時に、お客様が集まった。

「これがコーラか!」

「昨日飲んだやつだ!」

「缶に入っているのか。便利だな!」

俺は缶を一本手に取った。

「開けるときは、ここを引いてください」

プシュッ!

「おおっ!」

小さな音に、周囲がざわついた。

俺はグラスに注いで見せた。

シュワシュワシュワ……。

黒い液体から泡が立ち上る。

「では、どうぞ!」

最初のお客様は、冒険者の男性だった。

ゴクッ。

「…………」

「どうですか?」

男性は缶を見つめた。

そして――

「うまい!」

「ありがとうございます!」

「甘いのに、口の中がスッキリする! 肉料理にも合いそうだ!」

その言葉を聞いた別の冒険者が、すぐに手を挙げた。

「俺にも一本!」

「私も!」

「家族へのお土産に三本くれ!」

あっという間にコーラが売れていく。

リナが驚いた。

「蓮さん、すごい人気です!」

「昨日のパーティーで、味は知られてるからな」

「口コミってすごいですね」

「本当にそうだな」

俺は笑った。

          ◇

続いて、缶ビールの販売だ。

ただし、ビールは大人向け。

俺は販売担当のガルドに説明した。

「飲酒できる年齢かどうかを確認して、未成年には販売しないこと。飲みすぎにも注意してもらう。酔っている人にも売らないようにしよう」

「分かった。酒場の連中にも徹底させる」

ガルドは真剣な顔で頷いた。

最初のお客様は、近くの酒場の店主だった。

「これが昨日の酒か?」

「そうです。缶に入っているので、持ち運びも簡単ですよ」

「ほう……」

店主は缶を受け取り、開け方を確かめた。

プシュッ!

「おお、面白い!」

グラスに注ぐと、黄金色の液体と白い泡が現れた。

店主は香りを確かめ、一口飲んだ。

「……なるほど」

ガルドが尋ねる。

「どうだ?」

店主はゆっくりと頷いた。

「冷たくて、うまい。これなら酒場でも出せる」

「本当ですか?」

「ああ! 蓮、うちの店に卸してくれないか?」

「もちろん、条件を相談しましょう!」

商談成立の第一歩だ。

それを見ていた別の酒場の店主も駆け寄ってきた。

「待て! うちにも卸してくれ!」

「いや、先に俺の店だ!」

「順番にお願いします!」

ガルドが帳簿を開く。

「よし。各店舗の注文数と納品日を決めよう。無理な量は受けないぞ」

「ガルド、頼もしいな……」

「商売だからな」

          ◇

昼過ぎ。

コーラは飛ぶように売れ、ビールも酒場から注文が入った。

俺は売上を確認した。

「……これは、いいぞ」

ミリアが帳簿を覗き込む。

「コーラは個人のお客様に人気ですね。ビールは酒場との契約が大きいです」

「そうだな。一般販売と卸売り、両方で進めよう」

そのとき、店の外から大きな声が響いた。

「蓮! コーラを箱で売ってくれ!」

狼王だった。

「狼王、何本買うつもりですか?」

「まずは一箱!」

「まずは?」

「気に入ったら追加する!」

「絶対に追加する気でしょう!」

狼王はコーラの缶を一本受け取り、満足そうに眺めた。

「この小さな缶に、あの爽快さが詰まっているとは……」

「普通の商品ですよ」

「普通ではない! これは宝だ!」

「宝の基準がおかしい!」

その横で、セレナがコーラを一本手に取った。

「蓮様。私も購入してよろしいですか?」

「もちろんです」

「では、蓮様の分も一緒に買いますね♡」

「ありがとうございます」

「そして二人で乾杯を……」

「普通に飲みましょう!」

セレナは楽しそうに笑った。

          ◇

夕方。

俺たちは店の奥で、今日の販売結果を整理していた。

コーラは一般のお客様に好評。

ビールは酒場との契約が始まりそうだ。

さらに、ガルドが新しい提案をした。

「蓮。次は食堂や宿屋にも声をかけよう。食事と一緒にコーラを出せば、注文が増えるはずだ」

「いい考えだな」

「ビールは酒場を中心に、納品先を少しずつ増やす。最初から広げすぎると管理が大変だからな」

「さすがだよ、ガルド」

俺はスマートフォンに今後の予定を記録した。

【販売実績】

【コーラ:好評】

【缶ビール:酒場との取引開始】

【次の課題:安定した仕入れと納品管理】

「よし。これから忙しくなりそうだ」

ミリアが微笑む。

「でも、楽しそうですね」

「ああ。日本の商品が、この世界の人たちの暮らしに少しずつ広がっていく。それが商売の面白さだよ」

そのとき、狼王が空になったコーラの缶を掲げた。

「蓮!」

「今度は何ですか?」

「次は、コーラに合う肉を売れ!」

「……結局、肉なんですね」

ガルドが笑った。

「いいじゃないか。次の商品も決まったな」

「まだ決めてません!」

しかし、俺の頭の中では、すでに次の商品候補が動き始めていた。

フライドチキン。

ポテト。

そして、コーラ。

日本ではおなじみの組み合わせが、異世界でも人気になるかもしれない。

俺はスマートフォンを閉じた。

「よし。明日も商売、頑張るか!」

こうして――

異世界に、コーラと缶ビールの新しい商業ルートが生まれた。

そして狼王は、帰り際にもう一度だけ叫んだ。

「蓮! 次は肉だぞ!」

「分かりましたから、今日は帰ってください!」

店に、笑い声が響いた。

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