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「カーテン開けると異世界トリップで大儲け」  作者: 碧凛睡
第3章 未知の海へ!最初の商人と境界の秘宝
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第13話 商人なのに強すぎる!?スマホチートで体術スキル獲得!

 「明日、ローデン商会へ来い」

ローデンはそう言い残し、去っていった。

蓮は、その背中を見つめていた。

「……何を考えているんだ、あの人」

「罠かもしれませんね」

ミリアが言った。

「でも、行かないわけにもいかない」

蓮はスマートフォンをポケットにしまった。

「とりあえず、宿へ戻ろう」

そのときだった。

ガシャン!

路地の奥から、黒い鎧を着た男たちが現れた。

「見つけたぞ!」

「地下記録庫に侵入した連中だ!」

蓮は目を見開いた。

「えっ!? もう追いつかれたの!?」

「蓮様、後ろへ!」

セレナが前に出る。

だが、男たちの一人が剣を抜いた。

「大人しく記録を渡せ!」

「断る!」

蓮は即答した。

せっかく手に入れた証拠だ。

ここで渡すわけにはいかない。

「ならば、力ずくだ!」

男たちが一斉に襲いかかってきた。

「ミリア、リナを守って!」

「分かりました!」

セレナが魔法を放つ。

狼王も地面を蹴り、男たちの前に立ちはだかった。

「弱き者を狙うとは、情けない奴らだ!」

「狼王、頼もしい!」

蓮は思わず叫んだ。

しかし――

一人の男が、蓮に向かって剣を振り下ろした。

「うわっ!」

蓮は慌てて横へ飛んだ。

剣が地面に突き刺さる。

「危なっ……!」

今まで、蓮は仲間に守られてばかりだった。

商売なら得意だ。

交渉もできる。

だが、戦いとなると話は別だった。

「このままじゃ、みんなに迷惑をかける……!」

その瞬間。

スマートフォンが鳴った。

ピコン!

【危険を検知】

【所有者の戦闘能力が不足しています】

「そんなこと、分かってるよ!」

【新スキルを解放しますか?】

【体術:初級】

【取得条件:戦闘中にスキルを選択】

「体術!?」

男が再び剣を振り上げた。

考えている時間はない。

「取得する!」

ピコン!

【体術:初級を取得しました】

【身体能力補助を開始】

その瞬間、蓮の視界が少し変わった。

敵の動きが、さっきよりもよく見える。

剣を振り下ろす前の肩の動き。

踏み込む足の位置。

次に攻撃が来る方向。

「……見える!」

蓮は体をひねった。

剣が目の前を通り過ぎる。

そのまま相手の横へ回り込んだ。

「なっ!?」

蓮は男の足を引っかけた。

ドサッ!

男が地面に転がった。

「やった!」

自分でも驚いた。

「俺、今のを避けたのか!?」

【体術:初級】

【回避補助:有効】

【反応速度:上昇中】

「スマホ、最高かよ!」

「蓮様! 油断しないでください!」

セレナの声が飛んできた。

「分かってる!」

倒れた男が起き上がり、再び襲いかかってきた。

今度は拳を振り上げている。

蓮は一歩下がり、相手の腕を避けた。

そして――

ドンッ!

男の胸を押して、バランスを崩させた。

男は後ろによろめき、そのまま尻もちをついた。

「くそっ! 何なんだ、お前は!」

「ただの商人だよ!」

蓮は胸を張った。

「……いや、体術を覚えた商人だ!」

「何だそれ!」

思わずミリアが吹き出した。

その間にも、セレナたちは残りの男たちを次々と制圧していた。

最後の一人が逃げようとする。

「待て!」

蓮が追いかけようとした瞬間、狼王が男の前に立った。

「どこへ行く?」

「ひっ!」

男はその場に座り込んだ。

「降参! 降参します!」

戦いは、あっという間に終わった。

         ◇

「本当に、体術を覚えたんですね」

宿へ戻る途中、ミリアが感心したように言った。

「ああ。でも、まだ初級だ」

蓮はスマートフォンを確認した。

【体術:初級】

【次のスキル候補】

・受け身 ・短剣術 ・投擲

「短剣術もあるのか……」

セレナが嬉しそうに手を握った。

「蓮様が剣を持って戦う姿……素敵です♡」

「いや、まだ持ってないから!」

「では、私が選んで差し上げます!」

「選ばなくていいです!」

狼王が呆れたように鼻を鳴らした。

「まずは基礎を覚えろ。力を得たからといって、強くなったつもりになるな」

「分かってるよ」

蓮は真剣に頷いた。

今日、少しだけ戦えるようになった。

でも、一人で勝てるわけではない。

仲間がいたからこそ、無事に切り抜けられたのだ。

「もっと強くならないとな」

「商売のためですか?」

ミリアが尋ねる。

「もちろん!」

蓮は笑った。

「安全に商品を届けるのも、商人の仕事だからな」

         ◇

宿に戻ると、蓮はさっそくスマートフォンを操作した。

【戦闘サポート機能】

【危険察知:使用可能】

【体術:初級】

【戦闘予測:使用可能】

「これなら、次に襲われても少しは対応できそうだ」

そのとき、新しい通知が表示された。

【捕らえた敵の所持品を確認】

蓮が選択すると、男たちが持っていた小さな札の情報が表示された。

【所属:ローデン商会・警備部門】

「……やっぱり、ローデン商会か」

ミリアの表情が曇った。

「ローデンさんは、蓮さんを商会へ呼んでいましたよね?」

「ああ」

蓮は窓の外を見た。

「明日、直接聞いてみる」

セレナが静かに頷いた。

「危険なら、私が守ります」

「ありがとう。でも、今度は俺も自分で動くよ」

蓮は拳を握った。

商人として、もっと強くなる。

そして、不正に苦しむ人たちを助ける。

その決意を胸に、スマートフォンを閉じた。

だが、そのころ――

ローデン商会の奥にある部屋では、一人の男が報告を受けていた。

「佐伯蓮が、体術スキルを取得しました」

男は、ゆっくりと顔を上げた。

「……予定より早いな」

机の上には、一枚の古い絵が置かれていた。

描かれていたのは、佐伯家の紋章。

男はそれを指でなぞった。

「やはり、あの一族の力は消えていなかったか」

そして、静かに命じた。

「明日の商談を始めろ」

「承知しました」

男は薄く笑った。

「商人としての力も、試させてもらおう」

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