63話 王都のダンジョン その10
こんにちは!やまない雨はない。投稿します。よろしくです。
俺の姿は、コートを着て顔を隠していたので、怪しく見えただろう。少し警戒しながら先ほど一刀両断のスキルを使った男が話しかけてきた。
「先ほどは、助太刀助かりました。仲間が世話になったようで。俺は、A級冒険者のクリスだ。依頼を受けて人を探している。ところで仲間はどうしたんだ?まさかこんな所に1人で来たとは言わないだろう。仲間のところまで連れていこうか?」と言ってくれた。
「仲間とは少し前にはぐれてしまい、早くダンジョンから出たいと思っている。方向が逆になるのでついてい……。」と言いかけて前を見ると、ギースとアリスに似ている人が口を開けてこちらを見ていた。
「おまえ、生きてたのかー?」どうやら本人達だったようだ。すぐその後ろには、シエルとエリスがいた。まさかの5ヶ月振りの再会である。とても会えてうれしい。
何も言わずに俺がシエルに近づいて、「心配かけてすまなかった。一緒にノアの村に帰ろう。」と言って抱きしめた。「もう離さないからな。」と言って2人で大泣きした。
いつ振りだ。こんなに泣いたのは?ダンジョンを出る際に、ギースとアリスに随分とからかわれた。やっぱりこいつらは嫌いだ。パーティーは絶対に組まない。
エリスの話によると俺と離れた後、テコでも動かないシエルを説得して、1度ダンジョンから4人で脱出したそうだ。その後、すぐに冒険者ギルドに行き、サリーさんに事情を説明したらしい。「基本的には自己責任の為、冒険者ギルドは動かないが、依頼として出せば他の冒険者が引き受けてくれる可能性がある。」と言われた。
「捜索には、B級冒険者のパーティーで金貨4000枚、A級冒険者のパーティーなら金貨6000枚は期間4ヶ月でかかる。」とサリーさんに教えてもらい、持っていた4人の金のインゴットなど全て売って金貨10000枚を何とか集めたそうだ。
その後、ギースやアリスのBランクパーティーと王都で3指に入るクリスのAランクパーティーが依頼を受けてくれたようだ。それにシエルとエリスがついて来る形になったらしい。実際エリスはA級冒険者と比べても遜色ないほど強いので、シエルの護衛的な役割で来たようだ。
シエルでは、20階層以上は、厳しいだろう。一月でこの階層まで来たらしく、相当なハイペースだったらしい。サイスとマリーは、今は領都リアンプールにいるらしい。後で顔を出そう。本来なら俺を見捨てれば、一生遊んで暮らせる金が手に入っただろう。今は、手持ちも少ないだろう。エリスもありがとう。
手厚い護衛を受けながらダンジョンの出口に向かっている。途中、風呂に入りたくなり、アイテムボックスから丸太風呂を取り出した。熱い湯を貯めて、シエルとエリスに風呂に入るように勧めた。
と言うのもシエルを抱きしめた時、匂いがいつもよりかなりひどい感じがしたからだ。その時は、感動して言わなかったが。アリスに見張りを頼み、とりあえず3人とも入ってもらった。
1度湯を捨ててから俺が入っていると、フルチンのギースが入ってきた。この辺の神経も俺にはわからない。後で1人で入れって。こいつにとって俺は友達なのか?金貨4000枚も仲間からとりやがって……俺がダンジョンに捕まったのが原因だけどさ。
他のAランクの人達も風呂に入り気に入っていたようだ。俺の仲間にならないか?とクリスに言われたが、絶対に風呂目当てで、ダンジョンばかり行くことになるので願い下げだ。
「ダンジョンは、もうこりごりです。」と言っておいた。俺の仲間から金貨6000枚もとりやがって……。俺が悪いけど何となく腹が立つので、下を向いて歩いた。暇なときシエルと手を繋いで歩いた。俺よりだいぶ手が柔らかいんだよね。顔を赤くしていたのが、何とも可愛いと思った。
「ギースとアリス達はクランに居たんじゃなかったのか?」と気になったので暇な時に聞いた。「あ、あーそうなんだけど、お前が心配で抜けてきてやったんだ!」とギースが言った。視線が怪しかったので、アリスを見ると、「喧嘩したのよね。A級冒険者のボイルとね。」と言っていた。
話によると、このボイルという人は王都で3指に入るクリス同様の冒険者らしいが、無類の女好きらしく、人格も悪いため、ダンジョンでアリスに手を出そうとしてぶん殴ったらしい。そうしたら「お前は、クビだ。」と言われてしまい、4人とも放り出されたらしい。
その後、冒険者ギルドに戻り、たまたまシエル達の依頼を見つけて受けたそうだ。大笑いしてやったらゲンコツをくらった。「俺は真剣なんだよ。いつでもな。」と言っていた。久々に心の底から大笑いした気がする。それにしても逆ならお前も笑ってるだろ。
途中、休憩の時にボーナスモンスターの後に起こった話をしたらみんな固まってしまい、誰も話さなくなった。個室に閉じ込められた話、ノアの手記、地震による開通、ダンジョン最下層が55でエンシェントドラゴンだったことなどである。
「そ、その話が本当なら冒険者ギルドから情報料としていくら貰えるかわからない。」とクリスに言われた。ノアの手記だって、本物なら金貨数千枚は期待出来るとのこと。何だか急に元気が出てきた。その後ゆっくりと戻ったので、1ヶ月半後にダンジョンの出口に戻ってきた。生きて生還だ。
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