64話 王都のダンジョン その11
夜分に失礼します。読んで頂けたら、ハッピーです。投稿します。よろしくです。
ダンジョンの出口から顔を出すと半年振りの日光に迎えられた。一時は、もう駄目かと思った時もあったが、どんな過酷な状況でも諦めなかった為に生き残る事が出来た。
運を引き寄せたかもしれない。「ゆっくりと休みたいところだが、冒険者ギルドには付き合ってくれ。」とクリスに言われたので了承した。「俺も顔を出しておいた方がいいよね?」とシエルとエリスに聞くと頷いていた。
冒険者ギルドに到着して中に入ると、ざわざわしていた雰囲気がピタリとやんだ。原因は、恐らく先頭を歩くクリスである。ロマネ王国において、間違いなく5本指に入る実力者である。軍にもこれだけの人物はいないだろう。
エリスもさらに壁を越えたので、同格に近いように俺には見えるが……。恐らく統率だったり、人格など他の部分も優れているのだろう。端から見ればこのメンバーはかなり面子が揃っているな。俺とシエル以外全員C級上位冒険者以上だし、A級1人にB級5人だよ。下手したら小さな町なら1日で滅ぼせる戦力だ。そりゃ、怖くて黙るな。
クリスではなく、シエルとエリスの担当のサリーさんに依頼の達成を直接報告した。本来ならサインしてクリスに渡すのが普通だが、どちらでもいいらしい。俺がサリーさんに顔を見せ、「お騒がせしました!皆様のおかげで、無事に帰還しました。」と伝えた。
サリーさんも心配してくれていて、「良かった。良かった。」と何度も泣きながら言ってくれた。「あ、あいつがボーナスモンスターの後にダンジョンに引きずり込まれて助かった奴か!」とジロジロ見られたが、残念。コートを着て顔を隠しているので、よく見えないだろう。周りが少しざわざわしてきた。
「ここでは何ですから。」とサリーさんが言い大会議室に案内された。少しすると王都の冒険者ギルドマスターとサブギルドマスターとサリーさんが来て説明を求められた。今回は、大まかな話だけで、後日個別に聞く可能性もあるとのこと。
ギルドマスターが、「クリス、ひとまず依頼の達成ご苦労様。ロイも助かって良かった。」と言った。白髪の貫禄あるじいさんから呼び捨てだった。とりあえずスルーだ。初めて会ったよね。D級冒険者の俺の事なんて知らないよね?
「ロイとクリス達が出会ったのが、27階層でメタルモンキーの戦闘中で間違いないね。」と言いサブギルドマスターがメモする。先にクリス達が依頼を受けてからの話をして、後に俺がボーナスモンスターからクリス達に会うまでの話をした。
俺の話を信じられないような顔で見ていたが、アイテムボックスからノアの手記を取り出して見せた所本物とわかり信じてもらえた。
何とギルドマスターは、200年前に存在したノアの親戚筋にあたるらしく、大ファンでもあるので様々な物をコレクションしているそうだ。筆跡もわかるそうで、ノアの字で間違いないと言っていた。
「冒険者ギルドで今聞いた話を大々的に公表していいかい?もちろん相応の対価は払うつもりだ。現在、50階層まで到達しているが、最終階層が55とわかれば冒険者の目標も定まるだろう。51〜54階層は50階層より魔物が弱くなるので、ここ数年の内にダンジョン攻略も夢ではなくなる。ボーナスモンスターに遭遇した際の対応などを知っていれば参考になるだろう。そもそも遭遇する確率が相当低いがね。エンシェントドラゴンをどうするかはこれからの課題だが。」とギルドマスターが言っていた。
随分と興奮しているが、疲れているので早く話を終わりにしてくれと思った。歳だから興奮し過ぎると危ないぞ!
俺は、「公表してもらってもいいですよ。対価として出来ればお金でもらえれば助かります。ノアの手記もお売りします。」と伝えた。「ご先祖様、すみません。俺を救出する際に、金貨10000枚も使っていたようで仲間に返させて下さい。」と祈りながら冒険者ギルドを後にした。
クリス達と別れてから、俺とシエルとエリスで宿をとって休んだ。2人とも武器や防具や非常食は売れないので、それ以外は売り一文無しになっていたようだ。「ごめんな。後で返すから。」と言っておいた。
翌日、俺は金貨500枚は持っているので、3人の武器や防具をメンテナンスに出して、非常食も1年分買っておいた。2人に金貨30枚渡して好きに使ってきていいよと言った。
冒険者ギルドに行き、サリーさんに金のインゴットを6本といくつかの素材を渡して買取してもらった。金貨1800枚になった。その後、サリーさんにギルドマスターの部屋に案内されて、お金の話をした。取得した情報料として金貨15000枚、ノアの手記を金貨2000枚でどうかと言われた。
一筆書いて、即金で金貨17000枚もらった。これで、ダンジョン攻略が活性化されると喜んでいた。ないとは思うが、偽りだった場合はお金を返してもらうからと言われた。金貨15000枚の方ねとギルドマスターが言っていた。怖いね!嘘偽りは、絶対にありませんけど。
翌日、約19000枚のお金が出来たので、シエルとエリスに見せた。金持ちがたまに自慢するやつである。2人とも「怖いから早くしまって」というので、アイテムボックスにしまっておいた。3人で行動する内は俺がお金を持っていても問題ないだろう。
武器と防具を回収してから、寒いのでコートを着た。「明日には用を済ませて王都を1度出よう!」と2人に伝えた。スラムにも顔を出して非常食やフリーサイズの服を大量に配っておいた。既に冬の終わりに近くなってしまったが。
その後エリスを買った奴隷商人を訪れた。「エリスを奴隷から解放してくれ!」と伝えた。「本当ですか?本当にいいんですか?」としつこいが「早くしてくれ。」と言い金貨5枚で奴隷紋が消えた。
これからは、もう自由だ。その後3人で旅の準備をした。もちろんお土産も大量に購入したよ。翌日、宿でエリスに「今までありがとう。エリスのおかげで俺達はやってこれた。これからは、自分の為に生きてくれ。」と言い金貨3000枚渡した。
「こんなに多いよ!それにこれからも……。いや何でもない。私も大きく成長できた。あなた達に会えてほんとに幸運だった。」と言い涙ぐんでいた。その後王都を出た所でエリスと別れた。
もしかしたら、今生の別れになるかもしれない。エリスが見えなくなるまで手を振った。ちなみにお金を作る為に冒険者ギルドに馬車も売ってしまったようだ。シエルと俺は伯爵領リガンに向けて、久しぶりに歩いて出発した。
5日後、伯爵領リガンに到着した。久々に外を歩いたので気分は良かったが、やはり足に少しきた。王都を出たあたりから一定距離を保ち、俺とシエルの後をつけて来る奴らがスキル気配察知でわかっていたので、夜中にこっそり起きてシエルと走って逃げる事にした。
エリスの方向には行ってないと思うが、二手に分かれたので俺達の方に来たのだろう。仮にエリスの方に行ったとして、王国にエリスに勝てる奴が何人いるかという話だ。大方、金でも巻き上げようという魂胆だろう。
リガンに入り、1番値段の高い宿を借りた。2泊でリガンを出るつもりだが、セキュリティ対策である。風呂もあるしね。跡をつけてきた連中は、俺達の進む方向からリガンと当然わかるだろうから気をつけて行こう。
コートを着て顔を隠して、冒険者ギルドに2人で顔を出した。「あら、本当に久しぶりね!何かあったの?」というので、リリーさんに個室で話したい事があると伝えて事情を説明した。
「怪我はないのね。良かった。そんな大変な事になっていたとわね。教えてくれてありがとう。それにしても公開されていない話までしてくれるなんて。ギルドマスターだけには伝えていいかしら?」というので了解した。
しばらくは、ノアの村に帰ることを伝えておいた。冒険者ギルドを出てから人通りの多い店で、お土産など購入した。宝石店があったので、中に2人で入り色々と見せてもらった。
綺麗なダイヤの指輪があったので、「ペアで2つ買わないか?」とシエルに聞いたら、「うん。」と言ったので金貨100枚で購入した。2人とも左手薬指にはめているが、この世界の常識とは違うかもしれない。店員には確認しなかった。魔道具の指輪をつけている人もいたし。
自分達の服などを購入してから、宿に戻り食事をとった。高級レストランの様な所なので、人もまばらだった。タイミングを見計らって、「シエル、俺と結婚してくれないか?シエルがいない人生は考えられない。」と言うと「私もロイがいないなんて考えられない。よろしくお願いします。」とシエルが言ってくれた。
食事の後、シエルと交代で風呂に入り、楽しくあまい時間を過ごした。翌日も食事以外は布団から出ずにシエルとだらだら過ごした。久々にのんびりと過ごす事が出来た。シエルを美味しく頂きました。
3日後、領都リアンプールに向けて出発したいが、跡をつけてきた連中が気になるので、どうにか出来ないかと考えていた。「リリーさんに相談してみる?」とシエルが言うので、午前中はスラムに行き奉仕活動をしてから、午後に冒険者ギルドに行った。
ギルドの中に入ると、忙しいのか「ざわざわ」していた。リリーさんも忙しそうにしていたので、少し待つことにした。
原因は、すぐにわかった。壁に貼ってある王都のダンジョンに関するお知らせである。最下層の話、ボーナスモンスターの話などである。これまでより、挑戦者も増えて、攻略が進むだろうという話だ。
既に王都のA級冒険者がクランを再編して51階層を目指す準備をしているという話だ。上手くすれば5年、10年以内に、完全攻略も可能性としてある。しかし、あのエンシェントドラゴンに勝てるのか不明だ。相手がわかれば対策も考えられるが……。いや、消し炭にされるのがおちだ。もしくはすり潰されるか。あ〜怖い。
リリーさんに周りが落ち着いてきたので、声をかけた。王都から誰かにつけられているので、リガンの外に出られなくて困っていると伝えた。その前にリリーさんが俺達の指輪に気づいて「おめでとうございます。」と祝福してくれた。
「対策として、護衛を雇う事やステルスマントを身につける事も出来ます。または、リアンプール行きの馬車や配達商品に紛れていっしょに運んでもらうとか。」「ステルスマントの性能を確認してから他は考えようか?」とシエルにも確認しておいた。
ギルドを出てから魔道具店に2人で入った。「ステルスマントはありますか?」と俺が聞くと「あるよ!」と言うので性能を確認した。王都のダンジョン22階層の魔物ステルスビーから採れる素材を利用しているようだ。
ダンジョンからの帰りに通ったと思うが、正直覚えてないわ。昼間ではあまり効果はないが、夜使えば効果抜群とのこと。気配は消せないが、暗闇に紛れる事が出来るそうだ。「これ2つ下さい。」といい、金貨80枚を払った。流石ダンジョン産で、いい値段するわ!今日の夜からステルスマントを着て、領都リアンプールを目指す事にした。
読んで頂き、ありがとうございます。
明日からオアシスなので、ゆっくりと他の人の作品を探そうと思います。応援よろしくです。




