62話 王都のダンジョン その9
こんばんは!早くダンジョンから抜け出したい。投稿します。よろしくです。
ゆっくりと休んでから、部屋の中を隅から隅まで探したが、出口はなかった。ミスリルナイフで刺して壁を切り取ったがすぐに元に戻った。「ダメだ、こりゃ。」と思い、お手上げだった。とりあえず待つ事が大事だと思い、毎日部屋をチェックだけはした。何もしないと気が狂う。
風呂に入り食事をとり、睡眠もしっかりとった。体が鈍らない様にナイフでトレーニングした。毎日これを繰り返して、ルーティンにした。最初は、つらかったが、案外慣れれば何とかなる。
幸い食料は1年分以上持っている。まだ安全圏である。2ヶ月が過ぎた頃、いつもの様に体を動かしていると部屋が突然揺れ出した。何事かと思っていると、部屋の一部が動き出して、開いて道が出来た。
「この道に進んで大丈夫なのか?」と思ったが、選択肢がないので即行動した。スキル身体強化を使い、出来た道をひたすら真っ直ぐに走った。かなり速いペースで走っているが、先が見えず少しずつ道幅が狭くなってきている気がする。やばい。
何とか道を抜けたところ、広い空間に出た。出てきた道は少しすると完全に塞がってしまった。もしスキル身体強化がなかったら、怠けて体を動かしていなければ、判断が遅れていたら、ぺしゃんこだっただろう。それもまた運命だが……。
今回は乗り越えたので、それはいいとして、左側に階段が見えたので、すぐに向かった。階段に着くと、最終55階層エンシェントドラゴンの間と書いてあった。右方向の奥に大きい塊が見えたが、魔物だったのか!人生で一番やばい感じがしたので、すぐに階段を登った。絶対無理だ。
54階層に登る階段に今いる。ダンジョンの最下層が55階層でエンシェントドラゴンが最終ボスと知れたのは大きい。生きて戻り、冒険者ギルドに伝えられれば、情報料も貰えて、ギルドに貢献したという事でC級冒険者になれる?だろう。
条件は生きて帰ることだけである。息を整えてから、スキル気配察知を使った。確かに、55階層のあの塊は魔物の気配だった。エンシェントドラゴンを倒せれば、ダンジョンが崩壊して、外にすぐに出れるが、今やれば即死だろう。一人では絶対に不可能だ。
前を向き階段を登った。54階層に出て、とりあえず右にゆっくり進むことにした。スキル気配察知、忍び足、身体強化を使い進んだ。魔物の気配があれば必ず回避した。
道を変えてでも戦闘は避けた。恐らくこの階層の魔物と戦闘になれば命はないだろう。1度魔物に近づきすぎて、危ない時もあったが、どうにか逃げた。後ろの姿、形からドラゴンの何かだとわかったが。
2、3日で1階層のペースで慎重に階層を上がって行った。40階層まで来た時は、かなりうれしかった。他の冒険者と会っていないが、この辺りならいてもおかしくないと思った。
油断せずに魔物との戦闘を避けてきたが、中にはどうにもならない魔物がいた。35階層に上がる階段の所に張り付いて動かない魔物がいた。たぶん、初めて見るがワイバーンだろう。龍種では弱い部類だが、今の俺で勝てるのか?互角くらいか?
しばらく様子を見ていたが、覚悟を決めてやることにした。当然、ミスリルナイフを装備して、スキル忍び足、気配察知、身体強化を使った。ゆっくりと近づいて、スキル投擲を使い、ナイフを投げつけた。「ぶすっ」と音を出してナイフが頭辺りに刺さった。
目を見開いて、俺を敵と認識したようだ。ミスリルナイフを抜いて、接近した。尻尾を俺に向けて振り降ろしてきたので、上手く躱してミスリルナイフを肩から腹にかけて振り下ろした。「スパッ」と切れたが、暴れたワイバーンの腕が左腕にあたり、階段側に吹き飛ばされた。
「ボキッ」と音がしていたので、折れているのだろう。背中を打ち、息が出来ない。ワイバーンは、体制を整えているようだ。苦しいがどうにか起き上がり、スキル投擲を使ってナイフを投げた。
2度目は、腹に受けていたが、その後の事は、知らない。おそらく倒しきれていない。俺は階段を登り逃げる事にした。途中の階段の所で、ポーションを飲んで力尽きそのまま眠ってしまった。ちなみになぜか魔物は階段の所には来ない。不思議だ。
目を覚ましてから、階段を上がり35階層に着いた。体はまだ痛むがポーションのおかげでだいぶ回復している。腕が折れていたがくっついている様だ。体を軽く動かしてから、ゆっくりと歩いていく。スキル気配察知がなければ、魔物と遭遇してもっと下の階層で死んでいた可能性が高い。
また、アイテムボックスがなければ食料が足りなかっただろう。正直、ここまで来るのに4ヶ月位かかっているので、どんな強者でも厳しいだろう。いや、本物の強者ならどんな魔物でも倒して、食料にしていたのか。しかし、最初の部屋はどうやって乗り切る?
歩きつつ脱出に関係ない話を考えながら、上の階層を目指す。他の4人は今頃どうしているかな?エリスがいるので、ダンジョンからの脱出は大丈夫だろう。俺は死んだと思われているはずだ。もし、生きて出られたらシエルを驚かしてやろう……。
未来の楽しい事を考えながら歩くと少し気が紛れる。あとエッチな妄想もいい。メンタルも以前より大分回復している。魔物がいれば避けるし、最低限の戦闘を繰り返して、どうにか30階層まで来た。ここまで来ると、即死するような魔物はいなくなってきたな。1度魔物とのタイマンで死にかけた事もあったが。相性が悪かっただけよ。
以前、サリーさんが言っていたが、ギースやアリスのいるクランが活動しているのが、この辺りのはずだ。気配察知で確認したが、魔物の反応が遠くにあるだけで、人の反応はなかった。
「そういえば、脱出の事ばかり気にしていて、何も考えてこなかったが、ご先祖様はどこでミスリルを手に入れたのだろう。まさかドロップアイテムか?」と思った。順調に27階層まで来る事が出来たが、少し問題が起こった。
気配察知に複数の魔物や人の反応が出てきたのだ。気配察知で数える限り、20体はいるだろう。対して人間側は、10人である。どうも戦闘中らしく周りこんで階段側に行けないので、様子を近くで見ることにした。
「久しぶりの人との対面だ。魔物は、恐らく相当強いだろうな。20体もいるが、絶対にやらせない。隙を見て援護に入ろう!」と思い、気配のする方に近づいて行った。昨日、丸太風呂に入ったばかりなので大丈夫。下着も新しい物に変えたので問題ない。コートも着て顔も隠している。腹も減っていない。何も問題ない。やばそうな連中だったら急いで階段に向かって逃げよう。
少しすると魔物が見えてきた。あれは金属の体を持つ猿、メタルモンキーだろう。鋼鉄の体と知恵を持つ厄介な魔物だ。前に冒険者ギルドでダンジョンに出て来る魔物図鑑を見た覚えがある。攻撃力もそれなりにあり、魔法が効かないはずだ。遠目から見ているが、数が多いため、冒険者側が少し押されている様にも見える。
メタルモンキーの攻撃を受けて一人冒険者が転んだ。追撃しようとしていたので、俺がスキル身体強化と投擲を使ってナイフを投げた。メタルモンキーの背中に刺さり、一瞬怯んだ所を転んでいた冒険者がスキル気合を使い一閃して首を剣で切り落とした。
鋼鉄を斬れるんだね。流石、こんな所まで来る連中は一人一人が1流の冒険者なのだろう。見た所、他の連中も最低でも俺と同等かそれ以上に見える。強いな、こいつら粒揃いだ。
「あんた、助かったよ。こんな所で一人かい。仲間はどうしたんだ。」と転んでいた冒険者に聞かれた。「ちょっと色々とあって……」と言いかけた所にメタルモンキーがこちらに3体向かってきた。
2対3の共闘である。他のメンバーは個々に相手がいるようである。ミスリルナイフを取り出して、スキル身体強化を使った。一気に片をつける為である。3体が連携プレーをして的を絞らせない様に同時攻撃してきた。
特に戦略もないので、真ん中のメタルモンキーに突進して、腹の真ん中にミスリルナイフを刺した。「ぐぇー」と叫んで後ろに倒れた。左右から拳と蹴りがきたので、強化された足でバク宙して躱した。
もう一人いた冒険者は、左側にいたメタルモンキーにスキル乱れ斬りを使って、ズタズタにしていた。右側のメタルモンキーが逃げ出した所、後ろにいた冒険者にスキル一刀両断で真っ二つになっていた。どうやら他の所も片がついたようだった。
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明日、雨ですが社畜なので出社予定。




