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一つの世界  作者: ライジール
第肆章 もう一つの世界 前半
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第九「魔法と能力」


ハチ「『オート』?それは、体が勝手に動いたりする魔法か?」と聞くとルウとペルウは「なんで知ってるの!?」と驚いた顔をして質問する

ハチ「前世の記憶だと思うな・・・」

ルウ「君は、前世ではどんなふうに過ごしてたの?」

ハチ「殺し、殺されの人生を歩んでいた」

ルウ「どうして?」

ハチ「その時の俺は、俺を作った母親の命令に従うしか考えてなかったからな」

ルウ「そうなんだ・・・でも、今の君はそんな考えは間違ってると判断してるのだよね?」

ハチ「あぁ・・・」

ルウ「なら、貴方はもう『兵器』なんかじゃない!

だって、幸せを奪う事はいけない事を気づいたんでしょ?

なら、貴方は自分で判断する事ができる『生物』でしょ!

それに、私達だって肉を食べるでしょ?それって、そのお肉になったモンスターの命を奪っていることになるでしょ?

結局の所、貴方と私達はなんの変わりもないただの『生物』よ」

ハチ「お前達と俺は、一緒か・・・それは、とても素敵な事だな」と微笑む

ルウ「そう言えば貴方は、したい事とかあったりする?」と聞かれ俺は「特に無い」と答える

ルウ「本当にないの?あなたがしたい事って・・・」と聞かれ俺は少し考えるが、頭に靄が出て来て何がしたいか分からなかった

俺は、それをしないといけないと思っているが何をするのか分からなかった

ハチ「何がしたいか分からないが、しなくてはならないと感じているものはある」

ルウ「そう・・・なら、何をしようと考えていたか分かるまでここに泊まりなよ」と俺はそう言われ断ろうと考えたが、この頑固者は無理矢理にでもここにいさせようとするだろうと考え俺は「分かった」と肯定し、しばらくここに住む事になった

どうやら、ここも完全に安全と言うわけでもなかった

なぜかと言うと、モンスターは勿論の事、人間もここに来るみたいだった

姉弟達は、尻尾や耳を隠して対応していた

俺は、人間に見つからないようこっそりと家を出て行ってやり過ごす

モンスターが襲って来る時は、モンスターに変身して追い払ったりしていた

勿論、俺も応戦をしたりもする

ハチ「お前らは、何者だ?モンスターに変身するし」

ルウ「何者って言われても・・・私達は、普通のモンスターで、ルター様の力で人の姿に変えてもらっただけで、基本モンスターと変わらないよ?」

ハチ「ルター・・・」

俺は、その名を聞くと何故か体が反応するし頭痛も僅かにする

まるで、その者の事を思い出そうとしているようだったが、何も思い出す事はできなかった

ルウ「どうした?大丈夫か?」と心配そうにこちらを見つめていましたルウに俺は「大丈夫だよ」と返答した

ハチ「それを聞くってことはお前達は、やりたい事とかあるのか?」と聞くとルウ達は「勿論!」と答え「それじゃ、何がやりたいんだ?」と聞く

ルウ「私は、人間さん達とお友達を作ることだよ」

ペルウ「僕は、英雄になりたい!人間とモンスターの英雄に!」

ハチ「ハハハ・・・どれも俺には眩しすぎるぐらい羨ましい物を持ってるな・・・」

ルウ「貴方も、いつか見つけるかも知れないし、思い出すかもしれないよ?」と励ますようにそう言われ俺は少し嬉しくなり「ありがと」とお礼を言った

しばらく俺は、この姉弟達と過ごした

ある日、俺は体が急に怠く感じ倒れた

二人は倒れた俺を心配する顔をして「どうしたの!」と聞いてきた

ハチ「大丈夫、急に怠く・・・なった・・・・だけ・・・だ・・・」と意識を失う

気づくとそこは底のない真っ暗な所にいた

俺は、何かないかと周りを探索すると「許さない!」や「助けて!」などと悲痛な叫びが響いて来て俺は、そこから逃げるように走り出すが、悲痛な叫びはまだまだ続き、刃より鋭く俺に突き刺さる

何度も何度も、逃げ続けそして悲痛な叫びが聞こえなくなる

俺は、まるで全身に刃物で突き刺されたまま歩いている気分になっていた

辛い、苦しい、痛い、とそう感じながらも暗闇の中を歩き続けた

そして、俺は力なく倒れ見えない道をずっと見続けた

夢の筈なのに俺が倒れている地面が冷たく感じた

それでも、俺はまだ死ねないとそう思い立てずとも前足で体を引きずって前に進んだ

そして、その先には何かに閉じ込められた『自分へいき』の姿があった

その檻は、歯のようなもので出来ていて壊そうと思えば壊せる

自分?「よお・・・・元気そうだな?」

ハチ「あんたは、何者だ?」

自分?「おいおい・・・ずっと側にいた能力おれを忘れるとは、笑えるねぇ」

ハチ「ずっと側に?あんた、名前はなんだ?」

自分?「俺に名はねぇよ・・・言うとしたら『お前』と、言うな」

ハチ「どうしてここに閉じ込められてるんだ?」

自分?「そうだな・・・他の能力に閉じ込められてると言えばいいかな?

そんな感じだ」

ハチ「能力?それは、魔法とは違うのか?」

能力「似ていると言った方が正解だな・・・」

ハチ「俺は、どんな能力を持ってるんだ?」

能力「そうだな・・・最悪で、最強であり、最弱で、可能であり、不可能で、ゼロであり、全でもある曖昧な能力それが俺だ」と言われしばらく考えたが

ハチ「ごめん、全く意味が分からん」と言う

能力「だろうな・・・けど、どんな能力やつだろうと倒す事ができる凄い能力だぜ?」と自信満々な顔で言う

ハチ「それで、俺はどうして死んだんだ?」と聞くとそいつは、不機嫌そうな顔をして「死んでねぇし!」と見栄を張る

ハチ「でも、俺実際に死ん転生してるし・・・」

能力「死んでないよ・・・お前の『左腕』が生きてるし」

ハチ「それ、意味ないんじゃ・・・」

能力「意味はある!」とハッキリと言う

能力「例え、ゼロになったとしても『削除』されない限り存在する」

ハチ「削除?それも能力なのか?」

能力「あぁ、俺を消す事ができる強力な物さ」

ハチ「そうなんだ・・・なぁ、お前は俺の過去を知ってるのか?」と聞くと能力は、しばらく黙り込みそして「知ってる」と答える

ハチ「なら、教えてくれないか?俺は、どうして死んでしまったのか」と能力に聞くが「教えられない」と答えられた

ハチ「それはどうして」と聞こうとしたら地面の中に引きずり込まれるように俺は、埋まって行く

気がつくと俺は、ベットの上にいた

隣には心配そうな顔をしている二人がいた

ルウ「あ!目が覚めた!大丈夫?何処か悪い所とかない?」

ハチ「大丈夫だ・・・」と起き上がろうとする

ペルウ「まだ、寝とくの!」と俺に毛布を掛けて寝かせられる事となった

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