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新ログ・ホライズン  作者: 東の外記・しげき丸
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13/38

王達の屹立(2)

 連載再開第2回。

 また皆様にお会いできまして感謝感激の東の外記・しげき丸でございます。

 風の噂ではなんか『はらくろ』さんなるPNの作家が現れては消えて行ったそうな。まあそれを言ったら俺なんか商業デヴューしてないんで現われてもいないのだが、例によってセコくも炎上騒ぎでこっちが話題にならんかなと小細工をする暇も無かった。大笑いである。

 そんなセコいシロエ(仮名)に愛想を尽かさぬ奇特な御方は、本編を是非どうぞ。

 m(--)m


 ―第13話:王達の屹立(2)―

 

 -1-

 

 一方、クラスティは中国サーバーでふんぞり返っていた。

 大仰な段にしつらえられた、いかにもな王の椅子にである。

「社主様」

「なんだい? 滄溟」」

 新たな部下達のクラスティへの呼びかけは、結社の長と言う意味だ。結社名は彼の趣味で『秘密結社』にしたかったのだが、流石に反対され、対立組織が選ばなかった色である黒を名乗り、『黒龍結社』に落ち着いた。

「結社の収益は右肩上がりでございます。これもひとえに社主のお蔭」

 滄溟と呼ばれた長い黒髪のエルフの男は仰々しく礼をする。

 ナンバー2が恭しい礼を施せば、残りの者もそれに従う。

 中国サーバーと言う世界では、必要な儀式だ。

 彼はカナミ一行と分かたれた後、自らのギルドを立ち上げる事を選んだ。

 呪いで戦闘に加われぬ身だから、シロエの様に参謀を気取ろうと思っていたのだが、ここでもやはり見栄えがいいと言う理由で、リーダーに祭り上げられたのである。

「順調なら何よりだよ。何か困った事は無いのかい?」

「いえ、何も」

「そうか」

 内心で、それは残念とこぼす。

 D.D.Dよりもさらに一歩進んだ運営システムが順調なのは嬉しい。

 だが、この分ではすぐまた飽きてしまいそうだ。

 それでも彼には、しなければならない理由が二つある。

 中国サーバーには、無法と戦乱に疲れ果てた人々が、冒険者や大地人を問わず沢山いた。

 統一を目論む者も、善良とは言い難い者達がレースのトップにいる。

 なら自分がしてみようと、気まぐれと我が儘を起こしてみたのだ。

 何よりもう一つ、重要な問題もある。

 この呪われた身体のままで、普通に旅をしたのでは、ヤマトサーバーには、まず辿り着けず死んでしまうだろう。

 ならいっそ、中国サーバーを平定して、部下に安全に運んでもらうのが一番確実だ。

 とは言え、今はヤマトに帰る気もあまり無い。

 こちらに向かっているだろうクラスティ救出隊も加えて一緒に月、〈崑崙〉に乗り込む。

 〈封禅の義〉を解く。

 西王母だの〈典災〉の親玉だのの正体を確かめ、捻じ伏せ、自分達をこの世界に閉じ込める事を止めさせる。

 それがベスト。 

 普通の者ならばまず思いつかないし、思いついても実行できない。

 クラスティならではの力技と言えた。

「報告書を後で見るよ。君達が気付かない事も、僕なら気付くし解るかもしれない」

 嫌味なセリフだが、実際そうなのだからいっそ頼もしい。中国語も無論読み書き共にペラペラだ。

「有難うございます」

「でもまあ、まずは順風を喜ぶよ。おいで花貂。お菓子を作ってあげる」

 クラスティは社主席から立ち上がる。

「はいっ! 仙人様」

 傍らに控えていた小柄な見習い仙女は、跳ねるようにその後をついて行く。

「これでいいのかねえ?」

 精悍な黒豹の顔をした猫人族が呟く。

「同盟って言うか、傘下に入る事を決定したのは他ならぬ朱恒様でしょう?」

「まあ、そうなんだがよ」

 ギルド〈楽浪狼騎兵〉のギルマスは頭を掻く。

「蒼王だの白王だの紅王だの、ああ云う欲の皮の突っ張らかったのよりましなんだが」

 続く言葉をどう言えばいいのか、それは胸につかえたまま出てこなかった。

「大人物に見えるって褒めてたのは大将じゃん?」

「いやまあ、そうだな。ああ、そうだ」

 だが、一体何故、あんなに落ち着き払ったクラスティから危さを感じるのだろう?


 -2-


 アキバの街では新たな動きが有った。

 トウヤ達の歌とシロエの言葉は、人々に新たな波を起こしたのだ。

 

 まず、少なからぬ冒険者が、ギルド会館でサブ職の転職届を出したのである。

「お前も転職すんのかよ?」

「ああ」

「俺もさ、前のサブ職は、単にゲームの攻略に有利だからしてたんだけどよ、この際、好きな仕事に変えようかと思ったんだ。お前は?」

「俺もアイテム装備目当てでやってたけど、いっちょ本気で自分に向いた職にしようかって思ってさ」

「私も。やって楽しい事したいよね」

「アタシなんか、これからやって向いてたり楽しい事探すからさ、〈見習い徒弟〉にしたんだよ」

「そうか、見つかるといいな」

「頑張れよ」

「アンタらこそ」

「ああ、お互いな」

 人々は自分の魂の形を探す。


 低レベル冒険者たちも、引き籠りを辞め、再びフィールドに冒険に出るようになった者が少なくない。

 アインスの〈ホネスティ〉は無論フォローしたし、〈D.D.D〉も、復帰した櫛八玉が初心者教練団を率いた。

 〈円卓〉と〈互助会〉の共同活動とあって、双方に籍を置く〈三日月〉の戦闘隊長小竜が音頭を取る。

「ハイハイこっちこっち、攻略本を配りますよ~」

 そして双方に、〈D.D.D〉特製のアドバイス教本が配られる。

 効果的な戦術の要点が、主にリーゼが書き、所々シロエがアドヴァイスし、高山のイラスト入りで初心者に親しみやすく書かれていた。

「えーと、パーティーはスキルのヘイトが揃う様に組むといい?」

「お前〈オンスロート〉使うんだ? じゃあ俺と組んでくんない? 俺妖術師なんだけど、威力重視でヘイトコストの高い呪文ばっかり習得してたから、今までパーティー加入に煙たがられてたんだ」

「あー分かる。俺も守護戦士なのに防御力低いって煙たがられてた」

「うわー、召喚術師のダガー&ウィップスタイルって、こんなに強かったんだ!」

「じゃあ、あたし吟遊詩人で〈アルペジオ〉と〈グランドフィナーレ〉あるから、一緒にやろうよ」

「………みんながやる気を取り戻したのは、嬉しいですね」

 目頭を熱くするアインス。

「どうも自分は低レベル冒険は簡単なのだからと、精神論ばかりを押し付けていたようです。教本もこれくらい親しみやすく書いた方がよかったんですね。先生失格です」

「まーたまた、固いんだから」

 アインスの肩を叩く櫛八玉。

「いえ、反省しなければならない事はまだありますしね」

 無理な税制で中高レベル者への負担を増やすよりも、もっとシロエの様にできる事はあったのではないか。と。


 そして、ほんの少しだけ、人々の距離も縮まり、風通しは良くなったのだった。

 

 -3-

 

 風が吹けば順風に喜ぶ者も出るが、逆向きに進む者は当然逆風に苦しむ事になる。


『どんな個性の者にも、皆に安らかな居場所を与える』


 それがプラントフロウデンの理念であり、他人の幸せや、やりたい事に横から口を出さない事が、基本ルールである。

 十席ともなれば、それが率いるセクトは濡羽以外の干渉を受けない独自性を持ち、例え十席同士でも横槍を入れてはならないのが鉄の掟である。

 それが故に、濡羽が大地人から得る巨額の投資と相まり、十席は独創的かつ先鋭的な、暴走とも言えるほどの優れた業績を個々に挙げて来た。

 だが、相互不干渉とは、悪い影響を与え合わない代わりに、いい影響も与え合わない。

 袂を分かったはずの互助会と円卓が、部分的にでも手を結び合い始めたアキバと対照的に、ミナミは爛れつつあった。

 勝者は何処までも勝者となる代わりに、敗者は何処までも敗者となり、格差は広がる。

 それでも敗者に与える余力がフロウデンには有ったが、それを面白く思わない勝者や中間層もいる。

 敗者に与え過ぎれば不満に思う彼等が、敗者に対してリンチなどの犯罪を起こし、与え無さ過ぎれば、困窮した敗者が犯罪者へと変貌する。

 まるで現代アメリカの様な犯罪発生構造が生じてしまったのである。

 経済的にはアキバより裕福なのに、壬生狼が奔走するにも拘らず犯罪発生率はアキバよりも酷い。

 それを嫌った人材の幾らかが、アキバに流れつつある。

 それが何故なのか?

 濡羽には解決の糸口が見えない。

 後にしてみれば、その相互不干渉こそが原因だったのだと、意外な人物から気付かされる事になったのだが。

 だがこの時点での濡羽は、いずれアキバを併合するのだから、問題は併合したアキバの人間や、シロエに対処させれば済むと、自分を誤魔化していた。

 彼女もまた臆病だったのだ。

 他人の干渉を、立ち向かえずに怖れ過ぎていたのだ。

 だから拒絶したし拒絶させた。

 彼女がいかに賢く強かろうが、やはり、彼女独りでは立ち向かえない事が有ったのだと。

 

 イコマ、フロウデンの濡羽のプライベートエリアで、主はアカツキに問う。

「どうして平気な顔をしていられるの?」

 人質に取られたアカツキと、人質に取った濡羽。

 だが精神的に優位に立っているのは、青い着物姿のアカツキの方であった。

「私はもう主君からすべてを貰っているからだ。貴女には悪いが」

「っ!?」

「私はもう、貴女に主君を取られるかと怯えていた子供では無くなってしまった。だから、前よりは良くものが見える」

「……………」

「平気で無い様に見えるのは貴女の方だ。一体地球で何が有った?」

「それを答える義理など有って?」

「………余程地球に還りたくないのだな」

「っ!」

 濡羽はアカツキの頬を張る。

 だが、傷付いた顔をしたのは彼女の方。アカツキは動じなかった。

「知り合いと言うか、兄の友達にソロモンと言う作家がいる」

 濡羽はアカツキのその台詞に息を呑む。

「ソロモンの作家仲間に、恋人にアメリカに去られた者がいると聞いた事が有る。貴方が私を人質に取ってまで、地球との通路を勝手に使わすまいとするのは、それが貴女だからか?」

「………別に。ただ地球に還ると、実家にどこかの血筋だけいい男を押し付けられるから、鬱陶しいだけよ」

「去られて尚、その男以外と結婚する気が無いのだな」

「好きに想像するといいわ」

 濡羽の射竦めるような眼光。

 アカツキはそれをじっと落ち着き受け止めた後、先に眼を逸らす。

 濡羽は鼻息を鳴らし、踵を返す。

 だが、彼女が先に目を逸らしたのは、実は自分への憐みだったのではとの想いが、心に棘として残る。

 

 ミナミ、〈月桔梗の館〉。

 そこは〈フロウデン〉がミナミを訪れる大地人をもてなし、社交の場として提供する、壮麗な造りの屋敷である。

 そろそろ館の女主人として果たさねばならぬ仕事が有る。いつまでも戦利品のアカツキにばかり構ってはいられない。

「おお、お嬢」

「濡羽様が参られた」

「相変わらず御美しい」

 貴族達の崇拝の言葉。

 聞き飽きたそれも、こんな時には心地いい。

「皆様、ご機嫌麗しゅう。またお目にかかれて、この濡羽、嬉しく思います」

「いやまあ」

「麗しいとばかりには」

「なあ」

 気まずげな視線をちらちらと交わし合う貴族たち。

「フラット伯とケルン候の事ですね」

 その言葉に空気が凍り付く。

「……疑いの目は、彼等だけでなく、我々にも向けられている」

「嘆かわしい事だ」

「それと言うのも、あのインティクスめが」

「しっ」

「インティクスの罪は私の罪」

 濡羽は聖女の笑みを浮かべる。

 男たちは陶然と息を呑む。

「皆様が私の心を慮り下さっている事は重々承知しております。

 ですから、もう私の為に誰かの名誉が傷付くのは見たくありません。暗殺騒ぎなど無かったかの様に、じっと耐え忍び、貴殿方の名誉を回復できる日を、機会を、じっと待ってくださいませんか? 私の為に」

「お、おお」

「何と言う暖かいお言葉」

「改めて我が忠誠を誓います」

「私もです」

「こちらこそ、お気持ち嬉しく思います」

 濡羽はもう一度、嫣然と笑んだ。

 

 お嬢を完璧に演じきった濡羽が広間から去ると、廊下でインティクスが待ち構えていた。

「美味しい所だけ攫って、この女狐がっ!!」

「あら、今更よね。貴方散々私の本性が醜いってこぼしてたじゃない。知らなかったなんて言わないわよね」

「ッ!」

 溜飲が下がる。

 そう、インティクスが勝とうが、シロエが勝とうが、結局大地人貴族の心は私に集まるのだ。

 ヒリュウなんて、もうどうでもいい。

 この世界が私の思い通りになるから、思い通りにならない地球に還りたくないのだ。

 そう、彼女は自分に言い聞かせた。

 

 -4-

 

 私、アヤメは地球の身体において、脳の聴覚野に、良性腫瘍を抱えている。

 故に、聴こえてくる音は、小さいだけでなく、チューニングに失敗したラジオのような、ノイズ混じりの途切れ途切れの音であり、補聴器をつけて尚、人の声の意図や文脈を理解する事は難しい。

 なので、意志の疎通はほぼ読唇術と筆記と手話に頼る事になる。

 私の口が出す言葉は、『はい』と『いいえ』や数種の簡単な単語のみである。

 だから、キーボードのチャットで意思の疎通をするゲームの世界は、私にとって楽園であった。相手のボイスチャットは障害者用の聞き取り表示ソフトで可視化できたたので、何の問題も無かったし。

 ここでなら、幼い頃夢に描いたように、一杯人の役に立てる自分になれる。

 だから、マヒルと共に大阪のゲーム会社にバイトに入ったのも必然だった。

 だから、そこでカズ彦に会えたのだって、きっと必然なのだ。


「と、言う訳でだ」

 一行はカガミガハラのカワサキ遺跡に辿り着いた。

 鬱蒼と苔に覆われた石門の前で、カズ彦が皆に告げる。

「今のシロじゃあ、指揮官として役に立たねえ。アヤメ、お前が指揮を執れな」

「任せて下さい~」

 カズ彦の声は、地球と変わらず、いやそれ以上にアヤメの耳に心地いい。思わずにやけてしまう。

「あー、うん。ゴメン」

 情けなく頭を下げるシロエ。

 いざダンジョン探索にも拘わらず、シロエの調子は戻らない。

 考えがぐるぐる回って、周りに気を配れないのだ。

 どうせ考え事しかできないのなら、せめて遺跡や魂魄理論やこの世界の仕組みの事でも考えよう。

 今の自分にできるのはそれくらいだ。

「任せるよ」

 溜め息を衝くシロエ。

「任せて下さい~」

「調子に乗ってミスすんなよ」

「は~い」

 やっぱりカズ彦は優しい。と思うアヤメだった。

 

 遺跡の攻略は順調に進む。

 古代の機械と思わしきモンスターたちが次々と現れたが、アヤメの指揮はシロエの様に神技とまでは言わずとも、堅実で頼りになった。

 だが、探索も二日目となった頃、迷宮は今までと変わった趣向を見せて来る。

 

『月に挑む為の試練、ここより先は二人一組で進むべし』

 銀のプレートに記された文言と、6枚の扉。

「どうする?」

 カズ彦がソウジロウに目をやる。

「普通に考えると、前衛と後衛がコンビを組むんでしょうね」

「じゃあ、そうすっか」

「嫌です。マヒルさんとしかコンビを組む気はありません」

「お前な」

「まあ、ソウの言う事にも一理はあるよ。戦闘ばかりじゃなく、二人の結束が試される試練もあるかもしれない。最悪死に戻ればいいと考えて、いろいろ試せばいいんじゃないかな」

 シロエが口を挟む。

「物は言いようだな」

「案外それが正解かも知れないにゃあ。仲間割れを誘うトラップとかあるかもにゃ」

「成程」

「流石班長」

「ほら、僕の言う通りでしょ、カズ彦」

「ソウジロウのは根拠レスな願望だ」


 結局、ソウジロウはマヒルと組んだが、カズ彦だってアヤメと組んだので、それ以上の論議は起きなかった。

 残りはにゃん太とセララ、シロエとテツロウ、玲央人とナズナ、ヴァディスとミカサとなった。

 最後の二組は、結束に若干の不安が残ったが、まあしょうが無い。

 

 アヤメとカズ彦は、燐光石に照らされた通路を進む。

「なあ」

 カズ彦がぽつりとこぼす。

「お前も地球に還りたくない口か? お嬢と同じ様に」

「お嬢の気持ちは分かります~。こっちの方がずっとのびのび暮らせますからね~」

「………」

「でも、私は地球も好きですよ~」

「そうか」

 カズ彦は何となく天井を見上げる。

「ミナミだって上手く行ってるとは言い難いしな」

「カズ彦さんは頑張ってますよ~」

「慰めはいい」

「私はカズ彦さんの慰め好きです~」

「いやお前な、はあ。……まあ、いいか」

「出来ている事から始めるしかないです~」

「出来ている事、か」

 壬生狼をやっていて感謝された事も有る、中には改心してくれた悪党だっている。

 アイツらはどうしてそうしてくれたのだろう?

 ミナミに帰ったら、それをアイツらに聞いてみようか?

「お前、たまに妙にいい事言うよな」

「お役に立てて何よりです~、エッヘン」

 やがて通路の向こうに眩い光が見える。

「こりゃ何だ?」

「何でしょ~?」

 二人はその光に呑み込まれる。

 

 マヒルとソウジロウも、

「眩しいッ」

「マヒルさんっ!」


 にゃん太とセララも、

「吾輩の背から離れないで下さいにゃ」

「はいっ」


 シロエとテツロウも、玲央人とナズナも、ヴァディスとミカサも、それぞれ光に呑み込まれて行く。

「くっ」「うわっ」

「クソッ」「ちっ」

「何じゃこりゃぁ?」「ど、どうなるの~?」


 -5-

 

 中国サーバーには、もう一組シロエ達の知り合いがいる。

 言わずと知れた、人間台風カナミの一行である。

「はふはふ、本場の中華まんはやっぱ一味違うねえ、ケロナルド」

「いやお前、日本、じゃなかったヤマトに帰れなかったんだけどいいのか?」

 呆れ顔のレオナルド。

「う~ん、それね」

 肉汁の付いた指を一舐め。

「なんかさ、美味しい匂いがするんだよね。だからもうちょっとここにいるよ」

「そんなに肉まんが気に入ったのかあ?」

 これ以上無いくらいの呆れ顔。

「我々の出番がここにある予感がすると言う事ですね、マスター」

「そう! 偉いぞコッペリア!」

「それならそうと言えよ!」

「おいしい所は美味しい所だよ。他の言い方じゃ駄目なんだも~ん」

「ははあ、そうか」

 妖精族の騎士は合点した様に肯く。

「お、エリエリは分かった風な顔だね?」

「他の言い方では無粋と言う事だな」

「はあ?」

「必要な時に必要な事をすればいいと言う事さ」

「そそ。今は今を楽しめばいいの」

「いや待て、何かあるのなら、前もって用意をだな」

「用意してるじゃん、腹ごしらえ」

「あのな」

「多分これは、マスターなりの優しさですね」

「はあ、何処が?」

「そそ。その時までは、みんなのびのびしたいようにすればいいの」

「やっぱりさっぱりわけわからん」


 ―第14話に続く―

 

 

※キャラクター紹介


●櫛八玉〈人間、神祇官、料理人〉

 外伝『櫛八玉、がんばる』をお読みで無い方の為に補足説明。

 元〈D.D.D〉三羽烏(三大幹部)の一人。クラスティとは高山よりも古い知り合いで、〈エルダー・テイル〉でも高山の先輩に当たる。

 引退していたが、この度高山の代理として手伝いに一時復帰。

 でも所属は〈大災害〉以降自ら立ち上げた、テンプルサイドのギルド〈サンロード〉のままであり、アキバへもグリフォンでテンプルサイドから毎日通っている。ご苦労様です。

 綽名は〈脳筋〉〈黒剣もドン引き〉そして〈突貫〉。

 行動が傍から見ていると、自分のやりたいようしたいよう、思いついたままに、ほとんど考え無しの脊髄反射でやっているようにしか見えないからである。

 本人は「なりゆきで」「仕方なく」「必要だから」「自分なりに冷静に」やっているだけだと力説するが―――

 シロエ曰く、「結局あの人カナミの同類なんですよね」

 いえ、褒め言葉ですよ。ホントに。

 TRPGデータとしては、自分も刀で攻撃するスキルを〈アシストアタック〉で表現すると、近いキャラが作れるので参考までに。ただ、彼女の重鎧まで着れて太刀を振るう流派スタイル自体がまだTRPGでは未実装なのは御容赦願いたい。


筆者:今回は大阪(仮名)の某ゲーム会社繋がりの皆さんです。

カズ彦(仮名、以下:カ):うっす。

アヤメ(仮名、以下:メ);は~い。

マヒル(仮名、以下:マ):おう。

濡羽(仮名、以下:羽):何であたしまで?

カ:よく遊びに来てたろうが?

羽:まあ、カズ彦とアヤメを眺めるのはいい酒の肴だったからね。

マ:この二人見てはいつも笑ってたよな、お前。

カ:オレは見世物か何かか?

羽:いい雰囲気なのにちっとも進展しない所とか特に。

カ:げほぉっ!

メ:もう~、濡羽(仮名)さんだって、ヒリュウ(仮名)さんとの事、人には言えませんよ~。

羽:ぐはあっ!

筆者:……………。(自分に飛び火しないよう沈黙している)

マ:そういや筆者も一度ウチの入社試みた事あんだろ?

筆者:病弱なのでその直後に入院して断念しました。以降、業界には縁が無くズルズルと。

カ:ヘタレ~。

筆者:何せ今ではもうその会社無いですからね。

カ:アレには参った。

マ:まったくだぜ。

メ:です~。

筆者:まあでも、当時はその某会社のゲームに濡羽(仮名)さんや、マユリ(仮名)その人とも言える(と言うのは語弊があるが)マヒル(仮名)さんが出現するとかで、ごく一部で話題になった事が有りますね。

マ:うん。マユリ(仮名)ファンで有名な◎×さんとか、濡羽(仮名)ファンで有名な△□さんとか、ネトゲではちょっとした有名プレーヤー諸氏がよく探しに来てたよな。

羽:でもゲーム内だと目の前にいてもアタシだとは気付かないのよね。

マ:話しかけられもしなかったぞ(苦笑)。

筆者:結局気付くのは、俺とかソウ(仮名)とかヒリュウ(仮名)とかのいつもの面子なんだよねえ。

カ:こうして腐れ縁が出来る訳だな。

羽:腐れとは何よ?

カ:いや、物の例えでな(汗)。

筆者:では今回はここまでで。

カ:変な所で終わらすんなっ!?

 次回に続く。

 尚、『王達の屹立』終了までは、毎月初旬にノンストップUPの予定でーす。

 まったね~(^^)/

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