1話 知らない森
気が付くと森の中にいた。
「え?」
時間は恐らく深夜。
というか暗闇。
物凄く暗いです。
明かりは月明かりだけ。
しかも三日月なので暗い。
「おおう」
僕はまず空を見上げた。
月を覆い隠す暗雲がみえる。
月明かりを横切る影。
「は?」
デカいトカゲでした。
羽付きの。
やべええ~~。
某有名なアレですね。
ええ。
見つからんとこ。
歩くこと数分。
「ぎやあああああああああああああああああッ!」
ドラゴンに追いかけられました。
ガオオオオオオッ!
ドラゴンが吠えて僕を追いかける。
「フラグ回収有難うございますっ!」
我ながら馬鹿なことを言いながら全力で逃げる。
「いやあああっ! 死ぬっ!」
ガチンッ! ガチンッ!
何回か食われそうになりました。
幸い僕の走る速度が速くて何とかなったけどね。
ボッ!
「ひいいいいいっ!」
口を大きく開けて火の息が出た。
ドラゴンブレスだ。
死ぬっ!
「というか山火事っ!」
ドラゴンブレスで遠くの森が燃えていた。
風の所為で焦げ臭いのが分かります。
ええ。
「一か八かっ!」
森の木々が密集してる所に行く。
山火事の方ですね。
山火事?
知らんわっ!
「どりゃあああああっ!」
煙が濃ゆくなる。
背後にドラゴンン気配。
上空からは僕を見失うんだろう。
森の木々の所為で。
背後から木の枝が折れて木の葉が舞う気配がする。
木々を避けてるんだろう。
巨体の癖に妙に小回りが利く。
前方には太い木々。
「こうなれば我慢比べだっ!」
ますます煙が濃ゆくなる。
煙たい森の中を走る僕。
ワザと木々が密集してる所に誘い込む。
ボッ!
「来たっ! ドラゴンブレス」
空気を大きく吸いドラゴンブレスを放とうとする。
背後の息の音が大きいから分かる。
その瞬間ドラゴンは視界が僅かにふさがる。
走る方向を変え大きな木に変更。
ドラゴンも釣られて追いかけてくる。
「よしっ!」
ダンッ!
前方の大木に手を突き急激に止まりすぐ横に逃げる。
勢いを殺しきれずコケるが気にしない。
ボキッ!
デカい図体のドラゴンは大木に羽を打ち付け姿勢を崩す。
バキバキッ!
森の木々を折りながら墜落するドラゴン。
ボキッ!
聞いてはいけない音がドラゴンから聞こえた。
腕とか頭部が柘榴に。
あ。
うん。
まさかドラゴンが死ぬとは……。




