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翌日。
日本へ向かう帰りの飛行機の中で、二人は並んで座っていた。
窓の外には、どこまでも続く雲が広がっている。
響は隣に座る彩花を見て、ふと口を開いた。
「来年の結婚記念日は、フランスのパリかイタリアのローマか…、
君はどこか行きたい場所はあるか?」
彩花は少し驚いたように響を見る。
それから、嬉しそうに微笑んだ。
「響さんと一緒に過ごせるなら、どこでも…」
二人は自然に手をつないだ。
彩花は握られた手を見つめ、静かに微笑んだ。
そのときだった。
通路を歩いていたキャビンアテンダントの女性が、二人の席の前で足を止めた。
女性は金髪のショートヘアに、整った顔立ちの美しい外国人女性だった。
女性は響を見るなり、驚いたように目を見開いた。
「Hibiki……I can't believe we meet here. It's fate(響、こんなところで会えるなんて……運命だわ)」
響も女性の顔を見て、少しだけ目を細めた。
「Laura……(ローラ)」
二人はしばらく見つめ合った。
彩花は黙ってその様子を眺めていた。
そして、小さく息を吐く。
「…………はぁ」
握っていた響の手は、そのまま離さなかった。
ただ、彩花は心の中で思った。
この人と結婚するということは、きっとこういうことなのだ。
彩花はもう一度、静かにため息をついた。




