真夏の情景
真夏の情景
どっと押し寄せてきた疲労感に耐えかねて、私はノートパソコンの画面をそっと閉じた。台所からは、夕食のために仕込んでおいた圧力鍋から、鶏肉と生姜がかすかに焦げ付いたような独特の匂いが漂ってきて、現実に引き戻される。せっかくの夏の模様替えも、長年の友人とのたわいもないお喋りも、すべてがすれ違ってしまった重い空気だけが部屋に満ちている。私は大きくため息をつき、冷え切った麦茶を一気に飲み干すと、重い腰を上げて夕食の支度を再開するために薄暗い廊下へと歩き出した。
翌朝、蝉の鳴き声で目を覚ますと、白いTシャツに薄い水色の綿のズボンへ着替え、昨夜の残りの鶏肉をほぐして素麺の具にした。薬味の大葉を刻みながらも、昨日のやり取りが頭から離れず、私は何気なく相手のマイタウンを訪ねてみた。広い庭には移動用の設備が並ぶだけで、季節の花も噴水もほとんどなく、南国の庭具も数えるほどしか置かれていない。私は画面を見つめたまま、庭を作る楽しみを知らない人には、設置数の苦労そのものが伝わらないのかもしれないと思い、小さく息を吐いた。
「だから、あんなふうに言えたのかな。」
誰に聞かせるでもなくつぶやくと、静かな部屋に扇風機の回る音だけが響いた。相手は私を傷つけようとしたのではなく、自分には必要のないことだから、必要ないものとして話しただけなのだろう。それでも、「このゲームはハウジングをやるためのものじゃない」という一言は、十二年間積み重ねてきた時間まで軽く扱われたように聞こえた。私は使い古したマウスを指先で何度も転がしながら、言葉は正しいかどうかだけではなく、相手が何を大切にしているかを考えて口にしなければならないのだと考えた。
その日の夜、オンラインの聖書の集会が始まった。冷や奴におろし生姜を添え、焼き鮭を少しだけほぐして夕食を済ませると、机の上の聖書とノートを開いて画面の前へ座る。話し手は、自分と違う考えを持つ人との接し方について穏やかな口調で話し始めた。同意できない相手であっても、人格まで否定する必要はなく、相手が大切にしているものを踏みにじる言葉は慎むよう勧めていた。
私は鉛筆を止め、昨日の会話を思い出した。あの人は私の考えに同意しなかった。それは構わない。しかし、私が長い時間をかけて大切にしてきた遊び方まで否定されたように感じたから、胸の中に小さな棘が残ったのだとようやく気づいた。私はノートの余白に短く一行だけ書いた。
「私は、同意しない人になっても、否定する人にはならない。」
窓の外では、夕立のあとに少しだけ涼しい風が吹き始めていた。私はもう一度ゲームを開き、置けなかった南国のパラソルをアイテム袋の中で眺めながら、来年の夏もきっと庭を作るのだろうと微笑んだ。誰かと同じ景色を見ることはできなくても、その人が見ている景色を否定しないことなら、自分にもできると思えた。




