夢から覚めて
ガタガタと窓が揺れる音が遠くから何度か聞こえる。ゆっくりと体を横に動かすと、暖かいぬくもりを感じて、不審に思ったシャーロットが目を覚ました。頭がボーッとする中、目を擦りながら体を起こし辺りを見渡す
「……あれ?ここは、私の部屋?」
見覚えのある風景に、目を覚ます前の出来事を思い出す。もう少し部屋を見ようと少し首を動かした時、ぐらりと目眩が起きて、少しうつ向き、手で頭を支え、ふぅ。と大きく深呼吸していると、部屋の扉がコンコンとノックする音と同時に部屋の扉が開いた
「シャーロット様!」
ベッドにいるシャーロットを見てすぐ、家政婦が叫ぶ。一緒に来ていた家政婦達も部屋に入りシャーロットを見て驚きつつも嬉しそうな表情で顔を見合わせている
「私、お二人を呼んできます!」
遅れてきていた数名がバタバタとシャーロットの部屋を出ていく。急に部屋が騒がしくなり、まだ目眩を起こしていたシャーロットがぎゅっと目を強く閉じる
「シャーロット様、体調はどうですか?」
「お腹は空きましたか?すぐに用意させます」
「お着替えもすぐ用意しますね」
矢継ぎ早に次々と家政婦達がベッドに駆け寄りながらシャーロットに話しかける。頭を押さえたまま、返事の無いシャーロットに家政婦達があたふたと狼狽えていると、騒ぎを聞いたクロームがシャーロットの部屋に来た
「お父様……」
クロームを見たシャーロットが呟くように言う。クロームが、ベッドに座るシャーロットの側に来て頭を撫でながら微笑む
「おはよう。体調はどうかい?」
クロームがシャーロットに問いかけても、まだ頭がボーッとしているのか、質問には答えずにいると、家政婦が温かいお茶をいれたコップをクロームに差し出した
「三日も寝ていたんだ。まだ少しボーッとしているかな」
「えっ、三日ですか?」
クロームから受け取ったコップに入った温かいお茶が驚きで、お茶が少し零れた。濡れた布団や服を見て家政婦達が慌ててベッドの毛布やシャーロットの服を拭く。周りがバタバタと騒がしく、うまくお茶が飲めないシャーロットが困っていると、シャーロットの世話をする家政婦達に押され、いつの間にか部屋の窓辺に移動していたクロームも困ったように微笑んでいた
「大丈夫、あの子の心配はいらないよ。牢屋で休んでいるよ」
「あの子?牢屋というのは、このお城の?」
「そう。逃げていないから、たぶんあの子は今、魔力が無いんだろうね」
「……えっと」
シャロのことを思い出して返事をせずにいると、溢したお茶を拭き終えた家政婦達がシャーロットから離れると、ほんの少し冷めたお茶を一口飲む。少し部屋に落ち着きが取り戻した頃、ノースが部屋に入ってきて、シャーロットをぎゅっと抱きしめた。また持っていたお茶が零れ、家政婦やシャーロットがあたふたしていると、クロームがフフッと笑って、また家政婦に服を拭かれているシャーロットに話しかけた
「もう少し休んだら会いに行くと良いよ。きっとあの子もシャーロットを待っているだろうからね」




