新たな本に新たな魔術を
「ねぇ、ちょっと……」
リリーが嬉しそうな顔でシャロの周りをグルグルと飛び回っていると、まだ信じられないシャーロットが怪訝な顔でリリーを呼び止め、シャロを見る
「二人とも喜んでいるところ悪いけれど、なんで戻ってこれたの?」
「なんでって呼んでくれたからね。おかげでシャロに会えたよ」
リリーがシャーロットの右肩に乗り、質問に答える。リリーが離れ、少し周りが静かになったシャロが二人を見ながらアクビをする
「でも、あなたは私の使い魔じゃないし、魔力の無い私が呼べるわけないわ」
「シャロの魔力があるからね。代わりに呼んでもらったの」
「私が?代わり?」
「そう。シャロの魔力がまだ少ないから、代わりに呼んでもらったの。でも、やっぱりまだまだ魔力が弱すぎるね」
「そう言っても、でも私は……」
リリーの話が信じられず、魔術書をぎゅっと強く抱きしめる。二人の話を目を閉じ聞いていたシャロが、目を開けシャーロットが持つ魔術書を指差した
「嘘だと思うなら、その本にある魔術を読んでみたら?」
「読んだって、別に……」
シャロに言われて、持っている魔術書を開こうとした時、シャーロットの右肩にいるリリーが止めるように羽根を少し広げた
「ちょっと待って。魔術を使うなら、ご飯の魔術にして」
「ご飯の魔術?この魔術書に、そんな魔術なんてあったかしら?」
「その魔術書にご飯の魔術はないけれど、玄関にある魔術書に書いてあったはず。リリー、持ってきてあげて」
「了解」
ご機嫌でシャロに返事をしたリリーが、玄関にある魔術書を取りに行く。しばらくすると、魔術書を探しバタバタと床に落ちる音がリビングにまで聞こえて、シャーロットが心配そうにリビングの入り口を見ている。騒がしい音が続くなか、アクビをするシャロに気づいたシャーロットが心配そうに声をかける
「ねぇ、なんで急に眠いだとか魔力がないだの、魔術がとかになっているの?」
シャーロットが問いかけると、リリーが来るまで眠そうとしてたシャロが、薄目を開け、ちらりとシャーロットを見る
「昔から、そうしてきたから仕方ないよ」
そうシャーロットに返事をして、ふぅ。と一つため息をつく。シャロの返事がいまいち理解出来なかったシャーロットが少し首をかしげていると、魔術書を見つけたリリーが魔術書と一緒に浮かんでリビングに戻ってきた。魔術書がテーブルの上に止まると、リリーはシャロの肩に止まり、シャロの頬に当たるほど羽根を大きく広げた
「おやつとご飯の魔術書あったよ!急いでご飯を食べよう」




