明るい声が響いたら
リリーがシャロと眠り数時間後、稽古を終えたシャーロットが束ねた長い髪をほどいて稽古場から出てきた
「シャーロット様、お疲れ様です」
「お疲れ。練習の相手をしてくれてありがとう」
稽古場を出ると、眩しい太陽の光に日差しを避けるように額の上に手を置きながら一緒に稽古場から出てきた魔術師や家政婦達にお礼を言う。少し振り向き稽古場を見ると、まだ数名の家政婦が残り片付けと掃除をしていた
「お昼ご飯はすぐいただきますか?それとも、お風呂に入れられますか?」
「そうね……」
どう答えようか悩みながらディオロイ城に向かっていると、急に家政婦や魔術師達がバタバタと騒がしく城の中から出てきた
「どうしたの?」
シャーロットが城から出てきたところを呼び止める。シャーロットの声が聞こえたのか、立ち止まり慌てた様子で質問に答える
「それが、ノース様とクローム様が急に帰ってきまして……」
「えっ?急に?今はどこにいるの?」
「今、ご帰宅しましたので、まだ玄関にいるかと……」
話の途中で、玄関へと向かって走る。稽古終わりで疲れているはずのシャーロットが一番早く駆け出し、家政婦達や魔術師達は、あっという間に離され
た。一足先に玄関付近に着いたシャーロットが楽しそうな笑い声が聞こえてきて、走る速度が速くなる
「少し、結界の力が弱いみたいね。どうしたの?」
「つい先ほどまでシャーロット様の剣術の練習に付き合っていまして……。それに魔力を使っていまして、それで」
「あら、そうなの。それは仕方ないわね」
ノースがディオロイ城の玄関先で家政婦と立ち話している。クロームは先にディオロイ城の中に入り、魔術師達と会話をしている。会話が弾み、騒がしくなってきた頃、玄関先で話していたノースがこちらに近づく足音が聞こえてきて、ふと目を向けると、走ってくるシャーロットが走っている勢いのままノースに抱きついた
「お母様!お帰りなさい!」
「ただいま。シャーロット。とても元気そうね」
強い力で抱きしめられ、少しよろけつつノースもシャーロットを抱きしめ頭を撫でる。数回撫でられた後、シャーロットが顔を上げノースの顔を見た
「ええ、さっきまで練習をしていました」
「そうみたいね。あまり無理させてはダメよ」
と、二人が話していると、騒ぎに気づいたクローム達が玄関までやって来た。シャーロットの後を追いかけていた家政婦達も到着し、広い玄関が狭くなる
「お母様、今から私、お昼を頂くの。久しぶりに一緒に食べましょう」
「そうね……」
ノースはすぐに返事をせず、シャーロットの頭を撫でながら微笑む。ふと、クロームと目が合って、クロームがフフッと笑い、ノースも答えを待つシャーロットを見て、もう一度ぎゅっと少し強めに抱きしめた
「そうね、久しぶりに一緒に食べましょう。今日はきっといつもより美味しいわね」




