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アリーの学園物語  作者: 東御 蓮理
プロローグと思っていただいてかまいません
7/13

クラス分け試験

戦闘にもならない、圧倒的な力

ここは学校のはず。でもここまで非常識だとは思っていなかった。

アリーは頬をひきつらせた。ライディン家の御曹司はアリーに問い掛けると言うより、自らに確認する意味合いが強い言葉を発した。


「なあ、ここ学園の中だよな」

「.........」


(分からないって? 実にそう思うよ。私が聞きたいくらいだもの)


どうやらジェイラルドも非常識だと思っていたらしく、苦虫を数百匹噛み潰してしまったような、苦々しい顔だ。

アリーは振り返って手を伸ばした。"ドアがある"はずのその場所はぽっかりと空虚で、壁さえない。

ゆうゆうと広がるのは、呑気な草原だった。


(どうやって戻るのかな、これ)


そう。まず確認すべきは帰り道だ。部屋にはいって何をするか? もちろん非常口の確認だ。これは常識である。が、非常口が無い。

アリーとジェイラルドは膠着状態に陥った。


(ほんとにどうしよう、これ)


と、そのとき。


パンポーン!


「うわっ、何だ」


『魔界へようこそ~ 魔王です☆ 君たちの学園に依頼されて場所を提供しました~』


ガチャンと声が切り替わった。


『主任のキリーヴだ、お前ら、今からエンカウントしたモンスターをどちらかが一匹でもしとめたら試験終了だ。ちなみに倒したほうは、俺たちが一つだけ願いをかなえてやる。制限時間は20分では、』


ポーン!


「今のって始まりだよな」


たぶん、と言う意味をこめてアリーは頷いた。前方には何も見えない。


「どうするんだよコレ…」

「………」


ジェイラルドは、途方にくれたようにも、いらいらしているようにも見える不思議な表情を浮かべていた。


「頼むからなんかいってくれよ…」

「………」

「解決策とか無いよな…」

「ないね」

「そこだけ即答かよ。勘弁してくれ…」


彼はうつむいていた顔を上げると、端正な顔に決意をにじませた。


「よし、じゃあ、二手に分かれよう。君は向こう、俺はこっち」


アリーはあまり得策でもない策に文句を言わず頷いた。


「じゃあ後で、戻ったときに」

「わかった」


ジェイラルドがかけていく。アリーはため息をついた。


「どうか死にませんように」


魔界とはそういうところである。



***



(めんどくさいな、試験とかマジで。要は一匹でも倒せばいいわけでしょ?)


確かにそのとおりであるが。

前方にアリーは耳を済ませた。


ゴウン ゴウン


どうやら大型のモンスターがいるようだ。

近寄って倒そうかと思ったが、アリーは面倒くさいと思い直した。


(こっから向こうに行くより、向こうからこっちへ来てもらえばいいか)


アリーは念のために首のネックレスを出すと、目を閉じた。

思い描くはモンスターと自分の距離が短くなった風景。


がるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる


目を開けたアリーの前にいたのは、神秘的な黒いうろこを持つ…………


「うっそ、竜だと!」


竜だった。


(ま、何であろうと関係ないよね)


当然、竜は突然変わった風景に驚いているようだ。


(竜のうろこって売ると高く売れるんだけどー)


生命の危機に瀕していると言うのにアリーは利益を考えている。末恐ろしい子であった。

アリーの目が金色に光った。


ネックレスが揺れる。とたん、竜の動きが止まった。

アリーは笑みを浮かべた。


「はいな」


があああああああああああああ、がっ、ごっ


「ほい、と」


普通竜は、竜騎士という専門の討伐師が10人ぐらいでまとまって討伐する。それでも死人が出る危険な生き物だ。

それをアリーは、


ーー爆裂


簡単に殺してしまった。残ったのは内側から肉を突き破って出ている骨と、肉そのものだ。


「アリー!...これは」


音を聴いて駆けつけたらしいジェイラルドが絶句するなか、アリーは返り血を浴びた壮絶な顔で笑った。


「試験終了、と」



次回、投稿が遅れますm(__)m

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