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女帝と呼ばれるクラスメイトと帰りの電車で一緒になった。気付いたら何故か隣に座っている。  作者:


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第7話 勉強会

 その後、俺達は途中の駅で降りて喫茶店を探す。


「静かな所が良いわね」


「まあ俺は何処でも……」


 俺達は歩きながら喫茶店を探す。歩いているとファミレスがあった。学生の身である俺達はあまりお金が無いのでここにしようと言って二人で入る。

 平日の夕方という事もありまだそこまで人が多くなかったのでテーブル席で向かい合って座ることにした。


「は〜、ドリンクバーとポテトでも頼むか」


「私は何でも構わないわ」


 俺は注文用のタブレットをタップして注文を済ませる。


「飲み物、持ってくるよ。何飲む?」


「お茶であれば何でも」


「了解」


 勉強を教えて貰うんだから飲み物くらい俺が持ってこなきゃな。俺はドリンクバーへ行って、コーラと烏龍茶をグラスに入れて席へと戻る。


「ありがとう」


「いえいえ、これから教えて貰うんだしこれくらいはな」


「そう……、で何を教えて欲しいの?」


「え〜と、じゃあ数学から……」


 こうして俺は教科書を開いて良く理解できていない公式を教えて貰うことにする。


「ああ、ここは前のページの公式と似た感じよ」


「あっ、そうなの?ていうことは……」


 そして俺は向かい合って座る幸林に勉強を教えて貰う。幸林はこちらに乗り出して教えているため顔が近い。

 やっぱり美人だなあと勉強と関係ない事を考えてしまう。いや、折角教えて貰ってるのに余計な事を考えちゃいかん。


「鷹司君?」


 俺が集中出来ていないことがバレたのか幸林は怪訝な顔をしてくる。いや、教えてくれているのに怒るのは当然だ。


「ご、ごめん。幸林の顔が近いから緊張しちゃって……」


 俺は素直に謝る。悪いことをしてしまった。


「そ、そういう事なら良いけど……」


 幸林は顔を赤くしてそっぽを向いてしまう。もしかして幸林も照れてるのか?


「でも……、集中してもらわないと困るわね」


「そうだよな。悪い……、って何してるんだ?」


 幸林は何故か立って俺の隣の席に移った。え、何で?


「正面だと集中できないんでしょ?これなら大丈夫でしょ?」


「え、ええ?」


 いや、そしたら体ごと近付いちゃうじゃんと言おうと思ったがそれを言ったら怒られそうだから黙る。


「じゃあ続けるから」


「はい……」


 隣に座った幸林は教科書を指さして教えてくれる。俺は緊張しないように平常心を装いながら話を聞いてノートに写していく。


「なるほどな。流石頭が良いから教え方が上手いな」


「鷹司君こそ聞けば分かるんだから授業でちゃんと聞きなさい。分からなければ先生に聞いたって良いんだから」


 褒めたら滅茶苦茶痛い正論が帰って来る。まあ確かに頭が良い奴って授業でしっかり憶え切ろうみたいな意識がある気がする。


「ご注文の品が届きました」


 配膳ロボットが俺達の席に着いた。廊下側の幸林がポテトを受け取ってテーブルに乗せる。


「おっ、美味そう」


「ちょっと待ちなさい」


 俺が素手でポテトを取ろうとした瞬間、幸林に止められる。いや、何で?


「手がベトベトになるでしょ」


「ええ、箸で食えってこと?」


 まあ箸でも食べられるけど。手を拭けば良いんだからそれくらいで止めなくても。


「いえ、私が食べさせてあげる」


「Pardon?」


「だから私が食べさせてあげるって」


 意味が分からないから英語で尋ねちゃった。しかも聞き間違いじゃなかったらしい。


「いちいち、ポテトを食べるのに手を止めてたら馬鹿みたいでしょ」


「いやいや、だからって食べさせて貰う必要は無いんじゃ?」


 俺がそう言っても幸林は真顔でポテトを掴んで俺の顔に向ける。早く口を開けろと言わんばかりである。


「はい、あ〜ん」


「ふええ……」


 俺は幼女みたいな情けない声をあげながら口を開ける。その瞬間、ポテトが俺の口の中へ突っ込まれる。おかしい、あ〜んってもっとロマンチックな感じじゃなかったのか。


「じゃあ今の感じで問題解いていって」


「イエスマム」


「誰がマムよ」


 俺はその後、問題を解いていく。分からない所が出る度に幸林に聞いていった。俺が問題を解いている間、幸林は英単語帳を開いて勉強している。本当に対したもんである。

 その後、二時間程だろうか、一段落ついたので俺は伸びをする。疲れた〜。


「お疲れ様」


 英単語帳をパタンと閉じながら幸林は俺に労う。


「いや、本当ありがとうな。幸林には迷惑かけちゃったな」


「いいえ、教えながら私も復習になったから」


 時計を見るともう六時になっていた。そろそろ帰った方が良いだろう。


「じゃあ、行こうか」


 俺達は会計をして外に出る。会計の時、教えて貰った俺が多めに出すと言ったが幸林が断固として認めなかったので割り勘になった。その後、俺達は再び電車に乗る。


「いや、本当にありがとう」


 俺は幸林に向かって頭を下げる。彼女の貴重な時間を使って貰ったのだから。


「こんなの全然。あの時の借りに比べれば……」


「な、なあそれって……」


 俺が尋ねようとした瞬間、幸林の人差し指が俺の唇にぶつかった。


「思い出してもらうまで内緒」

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