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女帝と呼ばれるクラスメイトと帰りの電車で一緒になった。気付いたら何故か隣に座っている。  作者:


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第6話 満員電車でドキドキ?

「やっぱりこの時間混んでるよな」


 駅のホームに着くと昨日の様に列が出来ている。まあみんなさっさと帰りたいもんな。


「まあそうね。単語帳でも見てたら時間なんてすぐ過ぎるわよ」


「は〜、待ち時間単語帳見てんのか。偉いな」


 流石、幸林。この間の中間テストで結果張り出されてたけど確か一桁順位だった気がする。休み時間とかでも勉強してるもんな。


「鷹司君ももっとやった方が良いんじゃない?テストの順位で名前見たこと無いけど」


「うぐっ」


 テストの結果は上位の人だけ張り出されている為、俺が乗ることは無いのである。


「こ、これでも真ん中くらいなんだ……」


「大学行くつもりあるなら頑張ったほうが良いと思う」


「……」


 ぐうの音も出ない正論に俺は天井を見る。あっ、あそこ鳥の巣がある。


「……、もし自信が無いなら私が勉強教えてあげようか?」


「え、良いのか?」


 学年上位の幸林に勉強を教えて貰えるなんてラッキーじゃん。


「そうしたら何処かで駅降りて喫茶店でも行きましょうか」


「え、今日やるの?」


 そういうのってテスト前とかにやるもんじゃないの?と首を傾げたら幸林はため息を付いた。


「何言ってるの。来年受験なんだから早い内に勉強した方が良いに決まってるでしょ。期末の勉強と受験勉強兼ねてると思えばお得でしょ」


「うう……」


 幸林が何か先生みたいなことを言い出してるんだが、まあ俺達二年で大学受験に向けて始めている奴は多いとも聞くし正論なんだけどな。


「鷹司、志望校とか無いの?」


「ああ、特に無いな」


「はあ……」


 幸林は心底呆れた目で俺を見ている。


「分かった。彼氏が微妙な大学行ってるとか嫌だから一緒に頑張ろうね」


「おう……。ん、彼氏って何の話?」


「……」


 幸林は何故かそっぽを向いて無視する。あの、都合が悪くなったら聞いていないふりをするのは止めてもらえるか?

 そんな事を話していたら電車が来た。俺達は並んで乗り込む。当然混んでいるので俺達はドアの近くで立っている。


「いや、結構狭いな」


「……、何で私から離れてるの?」


 俺は壁側の幸林にぶつからないように踏ん張って立つ。いや、女子に気安く触れたらセクハラだ何だと大変だからな。


「混んでるんだからもっと近く寄りなよ」


「そ、そうは言うけどな……」


 確かにつま先立ちで踏ん張っているのでかなりプルプルしてきたけども。


「もう……」


 幸林は俺の腕を掴んで無理やりすぐ傍に引っ張る。そのおかげで俺と幸林の間はほんの十センチ程の距離になった。ちなみに十センチ空いてるのは俺が変わらず踏ん張っているから。


「近いって。俺と近くで嫌じゃないのかよ」


「気にしないから」


 幸林は相変わらずクールな顔で言ってのける。まあ幸林が良いなら良いけどさ。


「……、こう並ぶと鷹司君ってやっぱり男子なんだって感じる」


「ん、そうか?」


 俺は身長百七十センチで平均くらい、幸林も百六十センチで女子の平均くらいだろうからまあ差はあるけど。


「何かあったら守ってね」


「え、俺喧嘩とか弱いと思うし無理だと思うけど」


 帰宅部でヒョロヒョロだから喧嘩とかしたら絶対負けると思うんだけど。


「ううん。そんなの関係ないよ。あの時だって……」


「え?それってどういう……」


 俺が尋ねようとした瞬間、電車が大きく揺れる。俺はバランスを崩して幸林の方に倒れそうになってしまう。やばい、倒れ込むのだけは駄目だ。俺は閉まっているドアに思い切り手を伸ばして倒れないように抑える。

 しかしその伸ばした腕は幸林の顔、真横であり壁ドンみたいな形になってしまっている。


「ゆ、幸林、悪い」


「……」


 幸林は顔を赤くして下を向いてしまう。え、もしかしてドン引きした?


「本当に悪い。わざとじゃないんだ……」


「……」


 俺は必死に謝るが幸林は黙ったまま下を向いている。俺は血の気が引いて心臓がバクバク鳴っている。もしかしてマジでやらかしたか。


「幸林様、大変申し訳御座いません。命が有れば切腹致します故」


 もう誠心誠意謝るしか無い。こんな所で死にたくはないがお姫様に命じられれば自害もやむなしだ。


「そんなの許さないから」


「そ、そこをなんとか……」


 やっと声を発した幸林はやはり許していないようだ。どうしよう。


「冗談でもそんな事言わないで」


「え?」


 幸林は怒っているが壁ドンで怒っている訳ではないようだ。


「ずっと私の横にいてもらうんだから」


「……」


 幸林が発した言葉の意味が分からず俺は首を傾げるしかなかった。

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