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女帝と呼ばれるクラスメイトと帰りの電車で一緒になった。気付いたら何故か隣に座っている。  作者:


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第4話 昼休み決戦

 朝から疲れた。一時間目の授業中俺はぐったりしてしまった。おかげで授業が全然頭に入らない。隣の丸山をチラッと見るといつもの如く爆睡している。こいつ、テストどうなっても知らんぞ。そして前の方の幸林をチラッと見ると幸林と目が合う。

 俺は反射的に目を逸らしてしまう。いや、一瞬見ただけなんだからコソコソする理由なんて無いんだけど。気付かれないようにもう一回見てみるかと思って手で目を隠して薄めで見てみると幸林はチラチラこちらを見ている。


「アイツがずっとこっち見てるから目あったんかい」


 俺はその後の授業は幸林をあえて気にしないように努めた。


 そして時は経ち、昼休みの時間になる。俺は昼休み、別のクラスにいる友達と一緒に食べる事が多いので弁当を持って教室を出ようとする。


「鷹司君、ちょっと」


 あと一歩で廊下というところで幸林に呼び止められる。


「ど、どうしたんだよ幸林」


「私についてきてもらえる?あ、弁当は持ってね」


「えっ」


 それって一緒に昼食を取ろうって誘いなのか?別に着いていくのは構わないけど友達が待っているだろうしなあ。まあ連絡しておけば良いか。俺はスマホで友達に連絡をして大人しく幸林についていく。

 幸林は教室の外へ出るどころか下駄箱まで来て靴を履いて外まで出る。俺も慌てて靴に履き替えてついていく。


「幸林、ちょっと!!」


「何?」


 幸林はくるっと俺の方へ向く。まるで何の用?とも言いたげな表情である。


「何処まで行くんだ?外出ちゃってるけど」


「偶には外で食べるのも良いと思うわよ」


 幸林は再び正面を向いて歩き始める。まあ彼女がそう言うならと着いていく。すると校庭の端に大きな木があり、その下は原っぱになっている。


「ここよ」


「へ〜、木で日陰になってるし良いかもな」


「ふふ、ここならあのお邪魔虫がいない……」


 何かまたブツブツ言ってるけどマジで何なんだ。まあでもいい機会かもしれない。俺と幸林との関係、以前何が合ったのか聞ける。


 俺と幸林は木の下で向かい合う形で座る。俺達は自分の弁当を広げる。俺は白米と唐揚げやポテトサラダなどのオーソドックスな弁当で幸林のを見ると白米と野菜や鮭や卵が入った小さな弁当だ。女子ってあれで足りるのか?


「じゃあ、食べるか。いただきます」


「いただきます」


 俺達は黙々と食べ進める。いかん、俺も幸林も丸山とは違ってあまり喋るタイプではない。わざわざこんな所まで呼び出したんだ。向こうも話があるはずだ。俺から聞いてしまうか。


「ゆ、幸林、あのさ」


「何?」


 幸林は食べるのを止めて俺の顔を見つめる。至近距離で見つめ合う。うっ、やっぱり美人だ。じゃない、聞くぞ。


「あ、あのさ、俺達って以前何か話とかしたことあったっけ?」


 その瞬間、幸林は眉をひそめた。あれ、怒ってる?


「……憶えてないんだ?」


「わ、悪い。幸林みたいな美人と関わり合いがあったら忘れないと思うんだけど」


 俺がそう言うと、途端に幸林は笑顔になった。え、どういう事?


「……、それなら良いけど。でも私のことは思い出して欲しい」


「分かったよ。何とか思い出せるよう頑張ってみる」


 という訳で俺の要件は終わってしまった。結局教えてくれなかった。まあ、忘れた俺が悪いし仕方ないな。でも全然記憶にない。もしかして俺が小さい頃の話なのか。


「あ、そういえばさ。幸林も何かあるんだろ?」


「?」


 幸林はハテナマークを浮かべながら首を傾げる。あれ、ピンと来てない?


「いや、こんな所まで呼び出したんだから俺に何か話があったんじゃないのか?」


「……別に」


 いや、別にじゃ何か分からんのだが。それとも別に用はないけど一緒に昼食を取っただけ?まさかそれはないよな。


「私と一緒じゃ嫌なの?」


 幸林は頬を膨らませながら俺に尋ねてきた。こんな幸林見たこと無いな。


「いや、嫌じゃないよ。女子と一緒にご飯。それこそ幸林みたいな美人と食べる機会なんて無かったから」


「……、じゃあ許す」


 許すって何?俺の返答が悪ければ怒られてたんですか?


「いや、幸林こそ良いのか?」


「?」


「いや、何か男子あんまり好きじゃないんだろ?それなのに俺と飯なんか食べてさ」


 丸山からの情報と普段の様子を見ているとどうにも男子を邪険に扱っている感じがある。それなのに俺と接しているとそういう風には思えないのだ。


「ああ、電車でも言ったけど嫌らしい目で見てくる人が苦手なだけだから」


「そういえばそう言ってたな」


「……、それに君は特別だから」


 幸林はまた小声で何かを呟いた。何だ、俺が目の前にいるのに独り言とは。


 しかし結局、謎は謎のままか。こうなると俺と幸林に何があったかは自分で思い出すしかなくなってしまった。

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