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七十九話目

 しばらくして視界が晴れると、そこに広がっていたのは一面の草原――グラン草原だ。

 ここは昔、俺がアレックスたちときた思い出の場所でもある。幸いにもここは昔と同じままで、全く変わっちゃいない。

 確か、昔ここに来た時は学校の遠足か何かだったと思う。その時にここで遊んだ時はすごく楽しかったことは覚えている。

「綺麗なところね」

 メアがポツリとつぶやく。

 確かにここは今まで行ったところに比べれば派手さはないが、人里から離れているということもあってかなり空気が澄んでいる。たぶんメアの体にもいいはずだ。

 だがまぁ、ここで終わってはイマイチインパクトに欠ける。

 そう思い、俺は宙に腕をかざした。

「《大地の精霊よ・今こそわが呼び声に応えたまえ》」

 すると俺を中心にして大気が震える。

 それからしばらくして、メアの足元が隆起し花でできた椅子となる。彼女はそれを驚いたように見つめていた。

「とりあえずそこにかけてくれ。そうだな、お前らも」

 指を鳴らすと同時に多様なものが複数出現。彼らはそこに腰掛けていった。

「で、何を始めるのかしら?」

 そう急かすなよ、リーシャ。すぐに見せてやるから。

 俺は自分のこめかみに手を当てつつ、ぼんやりと呟いた。

「《わが身に宿りし語り世の記憶・大いなる調べによって語り継がれん》」

 瞬間、空に映像が映し出される。

 どうやら訳が分かっていない様子のメアの方を見つつ、俺は口を開いた。

「これはな、映像投射魔法だ。そして今から流すのは……そう。俺とお前たちの記憶だよ」

 それに呼応するかのように、映像が開始された。

 感覚としては立体映像。しかもそれが間近まで迫ってくるのだから大迫力である。

 ちなみにこれから流すのはメアが見ても楽しめそうな俺の過去の記憶。当然そこにはマリカやヴィクターたちの姿も映っている。

 それを見るたび、アレックスたちは感嘆の声を上げた。

 ただし、これではただの思い出話と同じになってしまうので、上映する内容は選んでいる。と言っても主に戦闘シーンなどが主なのだが。

 けれど、立体映像の戦闘シーンはかなり大迫力で俺も過去のことを想起させられた。

 それにしてもやはり……懐かしい。

 まだ学生の頃の映像が終わり、次はメアと出会ったころの映像が流れ始めた。

 後は、時間軸に沿って映像が映し出される。

 俺の目を通した映像なのである程度主観が混じるが、それでもみんなは映し出される以前回ったところなどに感嘆しているようだった。

 そして、最後に昨日の宴会が映し出されて……それらは終わりを告げた。

 そこでふと、俺は気づく。

 横に座っていたメアがボロボロと涙をこぼしているということを。


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