七十六話目
それからしばらくして、調理を終えたらしきゴーシュが俺たちの元に戻ってきた。
「お疲れ。もういいのか?」
「ええ、みんなが後はやってくれるそうなので」
なるほど。もうレシピなんかは教えているわけね。面倒見がいいゴーシュらしいぜ。
「ゴーシュ。とても美味しいわ」
メアがうっとりとしながら告げる。つい先ほど起きてきたまた食べていたのだ。牛になるとか無粋なことはこの際抜きにしてほしい。
「ありがとうございます。それにしても……ふぅ……疲れましたよ」
確かに調理というのは案外体力を使う。それが人に出すならなおさらだ。ゴーシュは額に浮かんだ汗をぬぐいながら俺の隣に腰掛ける。
「にしてもゴーシュ。お前やっぱり才能あるぜ。確かに魔法は使えねえが、それ以上に非凡な才能を持ってるぜ」
アレックスが串肉を食べながら告げる。ゴーシュはそれに笑って返した。
「いやぁ、ありがたい限りです。自分にはこれしかないもので」
「一芸は身を助ける。まさしくあなたのはそれじゃなくて?」
リーシャの言に一同が頷く。
「そ、そんなに褒められると照れますよ……」
あまり褒められ慣れてないのか、ゴーシュは首まで真っ赤にして俯いている。
まぁ、まんざらでもなさそうだしいいだろう。ゴーシュのガールフレンドたちもその様子を微笑ましそうに見ていた。
「ほら、お前も食べようぜ」
「あ、ありがとうございます」
俺から受け取ったビールをぐっと煽るゴーシュ。疲れているからだろうか?
とても幸せそうに飲んでいた。




