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四十七話目

 その日の夜。花畑から帰ってきた俺たちはメアが寝入ったのを見計らって話し合いを始めていた。当然その議題は、これから残りの時間をどう過ごすかである。

「……ゴーシュ。メアに残された時間は推定どれくらいだ?」

「たぶん……あと一週間くらいだと思います」

 それにため息を漏らしたのはアレキサンダーだ。

「……クソ、最悪じゃねえか」

「そんな顔をするな。一番辛いのはウルたちなのだ」

 諭すようなメリーの口調。それが今はとてもありがたかった。

「とりあえず、これからどうしましょう?」

「どうするも何も……せめてあの子にいい思い出を残してあげるしかないでしょう」

「そうですが、一体何をしたら喜ばせてあげられるのか……」

 リーシャとヴィクトリアは互いに難しい顔をつきあわせている。

 が、ここで不意に俺の脳裏に妙案が思い浮かんだ。

「なぁ、あと一週間程度しかあいつの命はないんだよな?」

「ええ、誤差はあるかと思いますが、それくらいだと思います」

「だったらさ、一日一日俺たちがその日のスケジュールを計画するってのはどうだ?」

 その意見は賛同を得たようで、みんなからすぐに頷きが返ってきた。

「いいですね! じゃあ、それで異論はありませんか?」

 ゴーシュの意見に異を唱える者はいない。満場一致で可決された。

「なら、まず誰が最初にやるかですね」

 ヴィクトリアの意見を受けて、俺は改めて周囲を見渡した。

 ここにいるのは俺、ゴーシュ、メリー、アレキサンダー、ヴィクトリア、リーシャの六人。椅子ウサギは計画を立てられないだろうと思ったので除外させてもらった。まぁ、ほとんどの活動に参加してくれるだろうから思い出を作ってあげられるのは一緒だ。

「とりあえず誰が最初かはわかりませんが、最後は決まっていますわよね?」

「ええ、自分もウルさんがいいと思います」

「え、俺か?」

 するとリーシャは馬鹿を見るような目でこちらを見てきた。

「当然でしょう。あなたがあの子の保護者同然なのですし、何より一番懐かれているじゃありませんか。大トリは任せましたわよ」

 なるほど……まぁ、そういうことなら謹んでお受けしよう。

「それなら、最初はまず自分から行きましょうか?」

「いや、お前も後の方がいいだろう。俺が行くよ」

 ゴーシュの提案を遮ってアレキサンダーが言った。確かに、その方がいいだろう。

 俺たちは揃ってそれに頷きを返した。

「なら、その次がヴィクトリア。続いてリーシャでいいか?」

「ええ、よろしくお願いします」

「まぁ、構いませんわよ」

「では、その次が私だな」

 とりあえずアレキサンダーの次はヴィクトリア。リーシャ、そしてメリーが続くようだ。

 とすれば、必然的にゴーシュ、俺の順になる。

「じゃ、早速案を練ってくるわ」

「そうか。ならば、もう解散としないか? その方がいいだろう?」

「だな。お前らちゃんとしっかり練ってこいよ?」

「あなたにだけは言われたくありませんよ」

 軽く鼻で笑うリーシャ。俺たちもついその様子が面白くて笑ってしまった。

「じゃ、お休み」

『お休み』

 それで今日はお開きとなった。後は――万全を期すだけである。


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