十五話目
ドラゴンに乗って飛んだことはなかったが、意外と悪くない。自分で魔法を使って飛ぶのとはわけが違う。ゴロンと寝転がれるので疲労がたまることもなく、かつ安定感がある。ハッキリ言って最高だ。
それはメアも同意見のようで、彼女は今メリーの額のところにちょこんと座っている。どうもそこが気に入っているようでメリーもまんざらではなさそうだった。
――だというのに、ゴーシュと椅子ウサギは肩を寄せ合ってガタガタと震えている。それなりにいいガタイをしているのに、意外と小心者だ。
「そろそろ着くぞ」
と、そこでメリーの声。チラリと下を見ればそこには――大勢の魔法生物たちがたむろしていた。さらにその中央には木で作られた小さな小屋が見える。おそらく、あれがマリカの家だったのだろう。
「すごい……いろんな子がいるのね」
感嘆を含んだメアの声。だが、それも当然だ。
俺ですら初めて目にする超希少生物や、絶滅したとされていた生物がちらほらと見える。今まで隔離された世界の中で育った彼女からすれば、全くの未知の世界が広がっていると言っても過言ではないだろう。
「なぁ、もしかして……マリカはお前らを保護していたのか?」
「ああ。世界を巡って絶滅にひんしている者や土地の開拓によって生き場を失ったもの……そう言ったものたちを母様は保護していたのだ。そのおかげで救われたものも大勢いる。姿形は違えど、我らは皆、母様の子なのだよ」
「じゃあ、最初お前が俺たちに襲いかかったのも……」
「そうだ。ここにいるものたちを護る為だ……それ以外の理由もあるがな」
ポツリ、と悲しそうにメリーは告げる。
それはどこか哀愁と悲壮感に満ち溢れていた。




