表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/54

●海辺での再会●

今回はある意味最も恐ろしい敵がでてきます

「では皆さん、海で溺れぬように、マナーを守って楽しく泳いで下さい。いいですか~?」


「「「はーい」」」


「じゃあいってらっしゃーい」


「「「ヒャッホーーーッ!!」」」


異世界修学旅行2日目のエレメント学園御一行は、集団海水浴のために海へと来ていた。2年担任代表であり、Ⅱ-Ⅰクラス担任のベニーが注意事項を読み上げ、生徒達はそれを聞き終えるなり一斉に海へとダッシュしていった。


「いや~、やっぱり若いのは元気ですね~」


「先生も若いじゃないですか?」


年寄り染みた台詞を言うベニーに煉が気をきかせて誉めると、


「赤堂君はいい生徒ですね~」


上機嫌になってよろこんでいた。因みにベニーは幼児用のお子様水着の上に日焼け対策のパーカーを羽織っている。年齢は25歳と立派な女性なのだが、身長と童顔、更には今回の水着とあって完全に幼女にしか見えない。しかしそれを見ながらニヤニヤしている男がいくつも見られた。おそらくあっち方面の方々だろう。


「じゃあ、俺も泳いできますわ」


「はいはーい。気を付けて下さいね~」


「大丈夫っすよ。万が一にも、溺れる心配はありませんから」


半袖型パーカーと黒のバミューダパンツ姿の煉は得意気に笑ってみせた。事実、シンディの修行時代に人喰い鮫の群れに追わされて大海原を横断した記憶がある。死にかけたがな……


「いえいえ心配はそっちではなくて…」


「…どゆことですか?」


「う~ん……あれを見たら分かりますよ」


ベニーが指差す方向から、何かが砂埃を巻き上げながらこちらへと向かってきていた。よく見れば複数いる。色とりどりの美しい髪を靡かせ、面積の小さい布で胸と腰辺りを隠している、はち切れん肉体を持った男達が。


「何だあの変態共はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」


美しい海辺に現れた美しさマイナスの変態マッチョ軍団に煉は渾身のシャウトをかました。


「う~ん…毎年毎年迷惑ですね~」


「何なんですかあいつ等は!?」


「エレメント学園の綺麗な男を狙って現れる、海の(ホモ)達です!!狙われて無事だった男子は……」


そこから先を黙ったベニーの顔は底知れぬ哀愁が漂っている。つまり無事だった男子は……0?


「あそこに綺麗な赤髪君発見!!」


「いやーんめっさタイプーー!」


「野郎共、準備はいいかぁ!?」


「「「応っ!!」」」


1番先頭にいた黒ビキニのゴリマッチョの怒号に、周りの変態マッチョ軍団約15人は一斉に声を上げる。


「目標、前方の赤髪君!!野郎共、美味しくいただきやがれぇぇぇぇぇっ!!」


「「「いただきますっ!!!」」」


「いやふざけんなぁぁぁぁぁっ!!」


煉はマッチョ軍団に背を向けて砂浜を猛ダッシュしていった。あのままいたら確実にヤられる。色んな意味で。あと大事なものが無くなりそう。感じたことの無い悪寒を抱えながらひたすら走った。


「逃がさないわよぉ!!」


「ぎゃあぁぁぁ!!」


すると目の前に突然マッチョが現れ醜悪な笑みを浮かべた。煉は条件反射で悲鳴を上げると、振り抜いた拳でマッチョの腹を撃ち抜いた。


「げぼらっ!!」


わりと本気で殴ったのでマッチョは悶絶して砂浜に突っ伏し、一言。


「気持ち……いい…」


良い笑顔で変態発言を決めて、マッチョは砂浜へと沈んだ。気持ち良い。その一言を聞いた煉は更に顔を青くする。マッチョでビキニでホモのドM軍団。完全な男の天敵だ。


「キャサリーーン!!」


後ろで黒ビキニのゴリマッチョがやられたマッチョの名を叫んだ。キャサリンって…外見に合わなすぎ。


「あんたの死は無駄にしないわ。お前達、キャサリンの分まであの子をいただくわよぉ!!」


「「「おぉぉぉ!!」」」


「来んな変態共ぉぉぉぉぉぉぉっ!!」


煉は絶叫しながらキャサリンを踏みつけてその場から逃走する。後ろからは再びキャサリンを踏みつけてマッチョ軍団が追いかけてきた。


「待ちなさーーい!!」


「断るわ変態マッチョ軍団がぁぁぁっ!!」


「変態マッチョ軍団なんて………ああ良いわぁ!!もっと罵倒して!!そして殴ってぇ!!」


「ぎゃあぁぁぁ!!」


想像するだけで吐き気のする光景に絶叫しながら煉は砂浜を駆け抜ける。そんな視線の先には、


「あれ?おーい煉。何やってんのーー?」


呑気に砂の城を作っているライズがいた。


「ライズゥゥゥッ!!今すぐ逃げろぉぉぉ!!!」


「へっ?何かあっ…………何あれ……?」


煉を追いかけている変態マッチョ軍団を見て、ライズは思考を停止する。


「襲われるぞぉぉぉぉぉぉぉっ!!」


「前方に金髪坊や発見!!獲物追加だぁ野郎共!!」


「「「応っ!!」」」


「いやあぁぁぁっ!?何あれ何あれ何あれ!!煉どうなってんだよぉぉぉ!?」


ライズが標的に追加されてしまった。今は煉と並走しながら泣いている。


「詳しい話は後だ!!じゃねえと色々失うぞ!!」


「何で海で変態に追われるんだよ!?」


新たに犠牲者を交えて走っていると、前方に再び顔見知りが。


「いや~、平和でござるなぁ。お、来たでござる」


十蔵が釣りに勤しんでいた。ちょうど魚を釣り上げたところらしい。


「おーい十蔵!!」


「ぬ?おお、煉殿にライズ殿………鬼ごっこでござるか?」


「鬼よりも質が悪いわ!!捕まったら色々喰われるんだよ!!」


「前方に青髪の坊や発見!!獲物追加だぁ野郎共!!」


「「「応っ!!」」」


十蔵も獲物に追加されてしまった。



「何でござるかあの不埒な集団はぁぁぁ!?」


「ライズ、簡潔に説明してやれ!!」


「捕まったら男として終わります!!」


至極簡単だが十蔵は顔色をすぐさま変える。悲鳴を上げながら走っていると、


「逃がさ!」


「ない!」


「わよぉぉっ!!」


砂浜から3人の変態共が飛び出してきた。


「ぎゃあぁぁぁ!!」


「いやあぁぁぁ!!」


「ぬあぁぁぁぁ!!」


バキッ!!

グシャ!!

ドゴッ!!


絶叫しながら煉がストレートで腹を撃ち抜き、ライズが金的を蹴り上げ、十蔵は地獄突きを首に叩き込んだ。手加減無しの一撃で沈んだ3人の変態は、良い笑顔で、


「「「気持ち…良かった……」」」


変態発言をして砂浜に沈んだ。


「もう嫌だよこんなのぉぉぉぉぉぉぉっ!!」


ライズはもう泣きながら走っていた。


「あと何人あの変態共を潰さねばならぬでござるかぁぁぁ!?」


「こっちが聞きたいわぁぁぁぁぁ!!」


もういっぱいいっぱいな3人。走っていると、ある意味変態共に最も見つかってはいけない奴を見つけてしまった。


「あれ?皆何してんの~?」


夏の陽射しを反射する銀髪のイケメン。ウェドである。こちらの惨状も知らずに可愛いビキニのセクシーお姉さま達と遊んでいた。

しっかり海を楽しんでやがった。


「ウェドォォォッ!!今すぐ逃げろぉぉぉぉぉっ!!」


「逃げろ?………アハ、何だよ煉達。ビキニのお姉さんに追われてるだけで逃げてるのかい?」


「てめえの目は節穴か!?よーく見てみろ!!」


煉の怒号でウェドは目を細めて煉達を追う集団を見る。そして、


「変態だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!何だよあいつ等!!美しさの欠片も無いじゃん!!」


煉、ライズ、十蔵より遥かにでかい叫び声を上げて発狂した。


「わかったんならお前も逃げろ!!喰われるぞ!?」


何とかマッチョ軍団に気付かれないようにウェドに警告するがそれも虚しく。


「前方に銀髪の超絶イケメン坊や発見!!今日はめでたい日だ。お前達、あの4人をまとめていただきやがれぇぇぇぇぇっ!!」


「「「ヒィハァァァィァァァァッ!!!!!」」」


完全にロックオンされてしまった。


「いい加減諦めろ変態共ぉぉぉっ!」


「もう勘弁してぇぇぇっ!!」


「捕まるのだけはごめんでござるぅぅぅっ!!」


「誰か助けてぇぇぇぇぇっ!!」


全力で走っていたせいか、そろそろ体力が底をついてきた。最初よりスピードが落ちているのもわかる。

このままでは追い付かれるのは明白。煉は覚悟を決めた。


「こうなりゃ徹底的に叩き潰してやらぁ!!こい、変態マッチョ軍団!!!」


作戦。とりあえずぶっ飛ばす。シンプルかつ効果的な作戦であった。


「あれとやりあうのかよ!?」


「しかし、やるしかないでござるな」


「僕の優雅な時間を潰しやがって……!!」


他のもやる気はあるようだ。ライズは例外だが無視しておく。


「諦めたのかしらぁ?まあいいわ、いただきまーーー……」


「やっかましゃい!!」


ドゴンッ!!


黒ビキニのゴリマッチョが普通ではあり得ない高さに跳躍してダイブしてきたところを、煉の拳が殴り飛ばした。鼻血を撒き散らしながら、沖合いに飛ばされ派手に水飛沫を上げる。


「エリザベーース!!!」


エリザベスさんが殴り飛ばされて、後ろに構えていた見た顔のマッチョが叫んでいる。


「いやキャサリン!?」


煉が先程葬ったはずのキャサリンさんが復活していた。


「エリザベスの仇よぉぉぉぉぉぉ……」


「黙れ変態!!」


バキャアッ!!


今度はキャサリンがダイブしてきたが、これはライズの上段回り蹴りが炸裂し、エリザベス同様に沖合いへと強制退場となった。


「エリザベスにキャサリンまで……あんた等ぁ、襲うわ……」


「させるか不埒者!!」


「凍れや変態!!」


変態マッチョの残党共が一斉に走ってくるのを、十蔵の水流が襲う。更にそこへウェドの吹雪が当たり変態マッチョ共を氷結させて動きを封じた。たった2ステップで砂浜にマッチョ共の氷のオブジェが出来上がり、それを煉とライズが持ち上げて沖合いへと放り投げてマッチョ共を掃討した。


「これでやっとゆっくりできる…」


「人生の中で1番恐ろしかったよ…」


「二度と見たくないでござる…」


「本当にね…あ、そこのお姉さん。よかったら…」


何にせよ、4人の平和が守られてよかった。そう思いながら、煉は砂浜を適当に歩いていると、突然後ろから声をかけられた。


「あれ、煉ちゃん…?」


煉ちゃん。俺をそんな風に呼ぶ人間は、1人だけ。

ぎこちなく首を動かして背後を見た。そこには、


「美月……か?」


淡い金髪のツインテールと日本人特有の黒い瞳。カラフルなビキニの格好をした、煉の幼なじみである

天宮美月(あまみやみつき)が立っていた。

次回、新たなキャラ登場

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ