●ライズVSジョーカー●
「…………」
「キャキャキャキャ!」
「…………」
「キャキャキャキャ!」
「なあ、いつまでそうしてんだ?」
目の前でどこから取り出したのか分からないカラフルな玉に乗りながら、ジャグリングをするジョーカーにライズはため息混じりにツッコンだ。先程からずっとこの調子だ。戦いもせずひたすら芸をこなすジョーカー。何がしたいんだ?
しばらくすると、ジョーカーがライズに一枚のトランプを投げた。それを受けとり絵を見ると、そこには鎌を担いだ死神が描かれている。
「それが、キミの運命。
キャキャキャキャ!」
「残念だねぇ…」
ライズはトランプを握り潰し、獰猛な笑みを浮かべた。獲物を見つけたような獣の笑み。
「こんな紙切れで、俺の運命は占えない。何より、俺はこう言った占いが大嫌いなんだよ」
握り潰したトランプは、ライズの手から発された電熱でただの煤に変わる。
「こい、似非ピエロ。本当のショウタイムを見せてやる」
「キャキャキャ………上等だよ」
悪質な笑みを浮かべたジョーカーは自分の懐に両手を入れ、何かを取り出す。
それは、銀に輝くナイフ。左右合わせて8本握られていた。
「行け!!」
ジョーカーは両手を振り抜きライズへ向けてナイフを飛ばす。迫り来る8本の刃。
「遅いし動きは単調。何よりこんなナマクラで…」
ライズは正面に右手を向け、放射状の雷を放つ。それにより、8本全てのナイフが融解し、銀の液体に形状を変化させた。
「俺が死ぬわけない」
「キキキ……じゃあこれはどーだ?」
ジョーカーは再びナイフを取り出す。そして今度は、黒い雷をナイフに纏わせた。
「いけぇ!!」
再び放たれたナイフには、ホーミングの機能が付与されていた。避けても軌道を変えて追ってくる。
まるで隊列を組んだ戦闘機のようなフォーメーションを見せ、ライズを完全に包囲した。
「死ねぇ!!」
「残念でした。<結界雷電>!!!」
ライズは自分を立方体型の雷で包み、ナイフからの攻撃を防御した。鋭い雷撃音と共にナイフは完全に消滅した。
「キキキ……キキャアァァァ!!殺す殺す殺す!!」
「お前じゃ役不足だよ」
激昂するジョーカーとは対照的に、ライズは静かに言い放った。その右腕には、雷が迸っている。
「キキキ……何するつもりだ!?」
「別に。どでかい一撃を叩き込むだけさ」
ライズの右腕に迸る雷が強くなる。
「この技ねぇ、煉の<火紅鎚>を元にしたんだよ。
原理は同じ。自分の限界までエレメントを溜め込み、撃ち抜く」
「単調な攻撃だな。そんなの回避して終わりだ!!」
「回避出来ねえよ。絶対にな…」
絶対的に自信を持つライズに、ジョーカーは流石に警戒心を抱いた。
「くらえ、<雷電墜>(らいでんつい)!!!」
その瞬間、ライズの姿が消えた。同時に、ジョーカーの鳩尾に莫大な衝撃が突き刺さる。理解するのに数秒。理解する頃には、ジョーカーは遥か後方の崖に叩き付けられていた。
「な……んで……」
「だから言ったろ。絶対に回避出来ねえって」
「何……した…」
「簡単だ。雷と同じ速度で殴り付けたんだよ。それなら回避出来ねえし、しかも威力も申し分無し」
「クソ…餓鬼が」
「何とでも。さ、情報はあるだけ吐いてもらおうか?嫌なら、楽しい拷問タイムだよ?」
ニヤニヤしながら指先に雷を走らせるライズ。その指で何するつもりなのか、想像しただけで恐ろしい。
「キキキ……<邪雷閃光>(じゃらいせんこう)」
すると、ジョーカーは情報を吐く代わりに、何かを呟く。それに伴い、ジョーカーから幾百の黒い雷が放射され、ライズへと襲い掛かった。
「うお!?<結界雷電>(けっかいらいでん)!」
すぐさま防御したがその代わりに、ジョーカーを取り逃がしてしまった。
ジョーカーが叩き付けられていた崖には、一枚のトランプ。そこにメッセージが書かれていた。
『また会おう。このカードが、キミの未来だ』
トランプの絵柄は、中世で見られるギロチンの絵だった。
「上等だってんだよ」
トランプを握り潰し、再び獰猛な笑みを浮かべた。
ライズ。Win
次回、十蔵VSバイト




