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コイノオト  作者: 香里奈
4/7

修司の浮気


修司と付き合うことになった次の日から、私はほとんどいっしょに修司と行動するようになった。

まるで「修司と付き合っている」と皆に見せびらかすように。

修司はモテるから、私の陰口を言う女子が増え、次第にハブられてきたけど。

でも私はどんなにヒドイ仕打ちをうけても平気だった。

だって、修司がいるから。

修司は、私がいじめられて落ち込んでるときはおもしろいことを言って笑わせてくれたり、なぐさめてくれたりした。

私は修司を心から大好きになった。

私は何があっても、自分の身体まで修司に捧げると決意していた。

でも、気になることがあった。

それは、私が修司と一つになるときに私じゃない名前を呼んだこと。

今まで修司と一つになるときは、必ず「香里奈、愛してる…」と言ってくれてたのに。

この前は違う女の子の名前を言ってた。

でも、私は不安にならなかった。

だって、修司は私を愛してると確信してたから…

私がいじめられているところを目撃した時は、ものすごい形相で

「ふざけんな…お前らこれ以上俺の女に手ぇ出すんじゃねぇぞ!!」

と言ってくれた。

修司は、私に何かあったら自分のことのように考えてくれた。

やさしくて、真っすぐで、大好きな修司が浮気するなんて考えられなかった。

でも、修司の浮気が発覚するのはもう間もなくのことだった。




「今日は先生に呼ばれてるから放課後会えない。」

そう言われた。

いつもは、放課後中庭で待ち合わせて話すけど、今日は断られた。

仕方なく帰ろうとするが、自然と足が中庭にいってしまった。

いつもの癖かな。

よし。

今度こそ帰ろうと思ったとき、誰かの声が聞こえてきた。

恐る恐る、声が聞こえてくる方に進んでいく。

「ンっ…こんな目立つ所でダメだよ…修司クン…」

「大丈夫。誰も見てないよ、由貴。」

「あぁん…ダメだよ…どうして?修司クン…??」

「ねぇ、いつになったら修司って呼んでくれるの?」

「え…?あぁん…ダメダメダメぇ!」

「修司って呼んでくれるまでやめないよ??」

「あぁ…やめてぇ…修司ぃ!!」

「はい、よくできました。」

最後に修司の声が終わった途端、女の喘ぎ声が聞こえてきた。

絶対、何かしている。

絶対、修司と誰かがやってはいけないことをしている。

私は怖くなって、その場から逃げ出していた。





家に帰って、さっき起こった出来事をよく思い出してみる。

修司に、会えないと言われた。

理由は分からないけど、いつの間にか中庭にいた。

帰ろうと思ったら、修司と女の声が聞こえてきた。

修司が女が、私の目の前で愛し合った。

頭を整理したらこうなった。

つまり、修司は浮気をした。

しかも、自分から。

あの時の私は信じられなかった。

「ねぇ、嘘だよね??修司…」

泣きながら独り言を言った。

ずっとずっと、泣いていた。

修司を信じれば、涙は止まったのかもしれない。

修司が浮気するわけないって信じれば。

でも、涙はどんなに時間が経っても止まらなかった。

こんなに“浮気”の証拠を見せられたら、修司を信じられなくなるのも無理はないのかもしれない。

でも、どんなことがあっても修司を信じるのは、やっぱり無理だったんだ。




翌日、修司とデートをした。

昨日のことには触れないようにした。

いつも通り、修司は優しかった。

だから、昨日のことはなかったことにすることにしようと思い、アイスを食べたソンナトキ…

修司に電車がかかってきた。

「…出てもいいか?」

「うん。」

修司はためらいながら出た。

もしかして、電車の相手って…

「おぅ、由貴か?」

由貴、ゆき、ユキ…

修司の、浮気相手。

予感的中。

普段なら喜ばしいことだけど、今回はよくない。

「ん、じゃあまたな。」

修司が電話を切ったあと、思い切って聞いてみた。

「今の、誰?」

「ん?あぁ、友達。」

「ホントに??」

「うん。てゆーか何でそんなこと聞くの?」

「…修司、浮気とかしてる?」

「そんなもんしてないよ。でもどうしたの?今日の香里奈、ちょっと変だよ??」

アイスを食べながら修司が言う。

「…。」

しばらく沈黙が続く。

「私ね、見たの。」

「何を?」

「修司が、他のコと愛し合ったとこ。」

「…。」

「ねぇ、正直に答えて??修司、あのコとどんな関係なの???」

「…カノジョ。」

意外にすんなりと答えた修司。

でも、カノジョって私のことでショ?

「カノジョって…私じゃないの??」

「…いや。香里奈は、浮気相手。」

開いた口がふさがらない、ってこのことをいうのかな?

私が、浮気相手。

“由貴”がカノジョで、私が、浮気相手。

「ちょっと待って…マジであり得ないんだけど…」

私は頭を抱えた。

今の状況に頭がついていかなかった。

「ちょっとゴメン…今日キブン悪いから帰るね…」

いつもだったら私の家まで送ってくれるのに、その日は「じゃあね」も言ってくれなかった。

無理もないよね。




家に帰って、修司とのおもいでのキーホルダーやらを全部捨てた。

修司が映っている写真や、いっしょにとったプリクラを全部ビリビリに破った。

泣きながら、泣きながら、泣きながら。

ねぇ修司、私浮気相手だったんだね。

私は本気で修司のこと好きだったのに、バカみたいだね。

ねぇ、なんであんなに優しくしてくれたの?

私、浮気相手なんだよ?

なんで毎日会ってくれたの?

どうして…??

答えてよ、修司…。

その日はずっと泣いていた。

泣きすぎて疲れたのか、そのまま眠ってしまった。




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