《黒海海戦、序盤 その二》
ケイン機バーミンガムがカタパルトに接続されたことを確認した管制官達が、周辺の状況を詳細に調べていく。
そうしてケイン機の出撃に問題がないことを確定させた管制官達が、ケインに出撃許可を出していった。
「……敵艦隊からの攻撃は魔導シールドでの防御を確認、敵軍のマシンアーマノイドの発進も確認できず」
「……進路上に障害物の一切を確認できず。風向き、風速、共に問題無し!」
「周辺の波も比較的穏やかで発進に支障ありません!」
「発進可能条件、すべて満たしました!」
「ケイン閣下!」
「ええ」
「進路クリア! 発進、どうぞ!」
「了解ですよ。ケイン・ファルネウス、マシンアーマノイドバーミンガム、出撃します!」
「……閣下……どうかご無事で……」
出撃していくバーミンガムを見た管制官達や管制官達以外の部下達全員がケインの無事を祈るなか、出撃を完了させたケインが旗艦の甲板上にバーミンガムを固定する。
ケインはそのまま部下達にロシア艦隊への前進を命じていき、この命令を忠実に実行した部下達の働きもあり、イングランド艦隊とロシア艦隊の距離はぐんぐんと縮まっていった。
「……ふむ、よし……これでいつも通りの布陣になりましたね。全艦、このまま前進を続けるように」
「……はっ」
「……いつも言っていますが、私のことは一切気にしないで良いのですからね? 私以外の誰も気にすることはない、やれるものがやれることをやっているだけなのですから」
「……はっ」
「うむ……良いですね、かなり近付いてきましたよ……」
「……はい」
敵艦隊との距離がどんどん縮まっていく事実を愉快そうに口へ出していくケイン。
そんなケインの様子を心配そうに見守っていくイングランド海軍将兵一同。
こうしてロシア艦隊と接近していくことにイングランド海軍将兵一同が不安がる一方で、同じくイングランド艦隊に接近しているロシア海軍将兵一同にも不安が広がっていた。
「……司令、イングランド艦隊が近付いてきています……」
「……うむ、我々の砲撃を微塵も恐れていないようだな……」
「……司令、このままでは……」
「……わかっている……諸君!」
「……はっ!」
「すまんが……全員に艦と運命を共にする覚悟をしてもらいたい。良いな?」
「……はっ」
「……了解しました、司令官……」
「……すまん……」
「司令……」
イングランド艦隊との決戦に際して、これ以上ないほどの悲壮な決意で挑む覚悟を示したロシア海軍将兵一同。
そうしている間にもイングランド艦隊とロシア艦隊の距離は縮まっていった。
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