《黒海海戦、序盤 その一》
ロシア軍の砲撃が始まったことを受け、ケインも部下達に指示を出していく。
「……! 閣下! ロシア軍の砲撃が始まりました!」
「ふむ、そうですか。それでは全軍、魔導シールドを展開しつつ、いつも通りの布陣に移行するように」
「はっ!」
「できる限り急ぐように。私も定位置に向かいます」
「はっ!」
「……閣下、どうかお気を付けて……」
「ふふ、心配することはないよ。いつものことだからね」
「……閣下……」
部下達に指示を出したあと、自身もどこかに向かって歩き始めるケインに、部下達が心配そうな表情で声を掛けていく。
そんな部下達に笑顔で手を振ったケインが、定位置と発言した場所に向かっていった。
一方のロシア軍は、イングランド艦隊が縦二列の布陣に陣形を変更していることを確認し、全艦隊に魔導シールドを最大パワーで展開するように命じていく。
そして同時に、総員へ衝撃に備えるように命じていった。
「……むっ! 司令! イングランド艦隊が例の陣形を!」
「……やはりそうきたか……全艦隊に告げる! 砲撃を続けたまま、魔導シールドを最大パワーで展開しろ!」
「了解です!」
「それから同時に、全将兵へ告げる! これから断続的に強い衝撃が発生することになる! よって衝撃に備えておくように!」
「了解です!」
「……強い衝撃だけで終われば良いのだがな……」
自身の命令通りに行動する部下達を見た司令官が暗い表情でそのように呟いていく。
そうしてロシア艦隊は司令官の命令通りに魔導シールドを展開し、砲撃を続けながらイングランド艦隊に向けて前進していく。
対するケイン率いるイングランド艦隊は、旗艦を先頭の一隻にしたあと、残りの艦は縦二列の布陣に移行して、こちらは砲撃をせずにロシア艦隊に向けて前進していった。
そんななか、艦内を移動していたケインが目的地に到着し、そこで次の行動を始めていく。
「……ふむ、なかなか激しい砲撃をしてきますね。これは近年で最も苛烈な砲撃になるかもしれませんね」
「……む、来られましたか。お待ちしておりました、ケイン閣下」
「おっと、もう到着していましたか。そしてお待たせしましたね、皆さん」
「いえ、そのようなことはございません」
「そうですか。それでは早速、出撃準備を始めていきましょうか」
「はい、閣下」
「……よし、出でよ! マシンアーマノイド、バーミンガム!」
「……閣下……どうかお気を付けて……」
「ふふ、見送りご苦労。それでは行くかね」
ケインは専用のカタパルトに乗機バーミンガムを接続させると、管制官の発進許可を待った。
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