《ロシア海軍将校達と、黒海海戦の始まり》
ケイン・ファルネウスがNATO軍とモンゴル軍の勝敗について話しているころ、ロシア海軍の将校達はこれから自身達が戦うことが確定しているイングランド海軍とケイン・ファルネウスのこと、さらにこれから行われる作戦のことを話していた。
「……イングランド海軍の艦隊は確認できるか?」
「はい、確認できます」
「……そうか……」
「想定通りの展開ですが、想定通りになってほしくはありませんでしたな……」
「仕方があるまい、そのような作戦なのだからな……」
「我々ロシア海軍の半数を黒海に集結させ、イングランド海軍を誘い出し、我々ロシア海軍との戦いで消耗したイングランド海軍を空軍の攻撃で撃破する……我々海軍を生け贄扱いにする今回の作戦……」
「……それ以上は言うなよ、皆わかっていることなんだからな……」
「……ですが、我々ロシア海軍を捨て駒扱いにされるのは……!」
「わかっている……しかしこうでもしないと倒せないのがイングランド海軍、いや、ケイン・ファルネウスという男なのだ……」
「おのれケイン・ファルネウス……あいつさえいなければ……!」
「……ケイン・ファルネウスがいなければ、今頃地球の制海権は我々共産同盟のものだっただろうな……」
ロシア海軍の司令官の一人はそう言ってどこか遠くに目を向けていく。
そんな司令官の姿を目にした部下達が悔しさに歯噛みするなか、遠くを見つめた司令官とはまた別の司令官が、時計を見ながら作戦開始時刻になったと、この場にいる全員に告げていった。
「……司令官……」
「司令官! 俺、俺……悔しいです!!」
「俺もです!」
「俺もです! と、言いますか、ここにいる誰もが悔しいと思っていますよ!!」
「……だろうな……私も悔しいよ……だが、悔しいという感情だけでは、どうにもならんことが世の中にはあるのだよ……」
「……司令官……」
「司令官殿……」
「……む、もう作戦開始の時間になるな……」
「……そうか……総員に告げる!」
「はっ!」
「時刻合わせ開始! 三、ニ、作戦、開始!」
「了解!」
「全艦隊前進! これよりイングランド艦隊に対し……」
「司令官……」
「……すまんな、皆……これよりイングランド艦隊に対し、砲撃を開始する!」
「はっ!!」
作戦開始時刻になったところで、司令官が少しだけ躊躇したあとで、イングランド海軍に対して一斉砲撃を始めるように命令していく。
この命令に従ってロシア海軍全艦隊がイングランド海軍艦隊に対して一斉砲撃を始めていった。
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