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第八話 新しい家族(1)


「何の用ですか?私は、よくわからないんだけど」

「おいおい、外でその演技って。いやみか」


招かざる客というのはこういうのか、とレイオンは妙に納得しながら目の前の客をみた。

茶色の髪の毛に青色の目。

わが帝国によくある系統で、しかしそこからが彼がイケメンともてはやされる証拠である。

長い脚、程よく引き締まった体に、高い鼻。

時々見れる流し目に、女の心は高確率でキューピットの矢がつきささる。


その名は、コウエン。

わが帝国の都の名のある男爵家において次男の位置を確保された期待の男だ。

頭のよさそうな外見の通りに、帝立市役所の最高責任者。


そんな彼は、忙しいわけがなくて。

だからレイオンはここに、コウエンがいるという事実がある程度の確率で信じられなかった。

その予想もしてなかった男を再度見てレイオンはコウエンに話しかけた。


「何の、よう」


コウエンは、肩をすくめて言いにくそうに手を絡めた。

「えっと、貴族の世界から君が抜けたのはしっているよ、だけど。」

そうだ、とレイオンは思った。

貴族になんと噂されそうとも、レイオンが貴族の世界から退いたのは事実だ。

だから、厄介払いをされていたのは身に感じていたのでいまさら貴族に自分は必要ないと思っていた。

無責任だろうと、ある程度の責任をとってこちらもやめてきたのだ。

そのあたりは、目をつぶってほしい。


「実は、孤児街から奇妙な子供が発見された。年は12。男。孤児街で育ってきたと証言するが、それにしては知識を知りすぎている。頭がよく、回転も効く。つまり使える人間だ。12とは思えない、孤児街で育ったとは思えない育ちの良さに、上の人間が目を付けた。その前に回収、保護するのが今回の仕事である」

市役所の最高責任者と、先ほど述べたがそれでは御幣があるかもしれないので追加しておく。

コウエンは、孤児街保護改訂公約を発表、成功させたとしても有名な人間で、言葉づかいから、最初の印象はチャラ男だが、その裏ではその性格を使って人間を図るというとんでもない人間である。


とりあえず、自分は友人になりたくない性格であった。

そして何があったかは知らないが、子供を大切にする性格だ。

子供主義ともいえる。未来の種を大人が潰してどうするという今どき珍しい男である。



「その男の子をどうすればいいんだ」


「引き取ってほしいね。あのレイオン伯爵の養子になるという話だったらあいつらも何も言わないだろ?」


「話は分かった。だが、いまさら私が出てきてどうするんだ。権限はないぞ。」


「お前、本気で言っているのか?笑わすなよ。お前が都で何をしたか分かってるのか。お前はいるだけでその価値は、国宝級だ。お前が一言何かを発しただけで俺たちは警戒しなければならないんだぜ?わかってんの?」


「じゃあ、そんな人間に対してその言葉遣いはどうかと思うけどな」


「俺とお前の仲だから大丈夫」


「----あっそ。だが、その男の子は考えさせてくれ。その男の子の命がかかっているんだ。もしかして家族があったかもしれない。その場合は家族の元に返さなければいけないし、男の子にも身体、精神の自由が存在する。私の一言で男の子の運命を左右させることは何人たりとも許させれないことだ。」


「-----もう来ている、と言ったらどうするよ」


「だろうな。その確率が一番たかい。それは男の子の了承を取ってあるんだろうな」


「もちろん」


「了解した。その男の子はもう家族だ。詳しい書類は後で頼む」


「ないよ。こちらも急で。詳しくは彼のみぞしるというところ。よろしく頼む。仕事がかさんでいるから急いでいる、失礼するねー」


コウエンは、何かをつぶやいてとび魔法を使おうとした。

が、それは何か透明のシールドに阻まれた。

「---!!おい、レイオン!結界はったな!!」

「悪い。お前みたいのがこれから侵入するかもしれないからな」

「ぜってぇ、わざとだ!俺が侵入したときも気づいてたくせに!!」

「さあな」


レイオンは一瞬だけ、結界を解くとコウエンは悪態をつきながらそのすきに再度魔法をつかった。

と、いうよりレイオンが市役所までコウエンを飛ばした。



レイオンはため息をついて、だけれども新しい家族に頬が緩んだ。

たぶん、もう家にいるのだろう。

これは早く帰らなければ。

レイオンは、軽やかに足を速めながら、結婚式場に向かった。




いいからはやく、家族に会いたい。



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