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第五話 ピクニック(2)


さて、いよいよピクニックの日となった。

天気はちょうどいいくらいの晴れ。

晴天とはいかないもの、雲が空にうかんで気持ちの良い風が吹く。


実は、その前の日にレイオンが風の精にたのんで、気持ちがよい風を吹かせるようにお願いしたのだが、そんなことは子供達は知らない。

きもちよさそうに、空を見上げるばかりである。


その結果、またしてもその子供たちを見て満足そうにニヤニヤする貴族の絵が生まれた。もうそろそろ自覚してほしい。



「さぁ、丘まで行こうか」

一番小さい子の手を握りながら、レイオンは子供たちを数える。

(というより、ひとり一人の顔を確認しているだけ。レイオンしか得はない)

そこで、ひとり顔なじみはあるが家族ではない女の子を見つける。

「あれ、シオンじゃないか。久しぶりだね、お母さんは元気かい?」


シオンはその言葉に、顔を上げる。

顔を上げなくても、シオンとわかるあたりでレイオン技としか言えない。

シオンはおそるおそるという感じでレイオンの顔を見た。

通常、突然家族の小旅行に一人でも違う者がいたら、驚くかなんでいるのか聞く。

だからこそ、シオンはおそるおそるレイオンを見たのである。


しかし、レイオンはそのあたりは流してレイオンの子供たち用にシオンに話しかけた。

レイオンにとっては、昨日の夜にシオンの母親から「何やら、ピクニックに行くらしいですねぇ。アンがシオンに自慢してましてね?そしたらシオンも隠れていくーなんてひそひそ言っているのが聞こえまして。たぶん気づいてないだろうけど、シオンのことよろしくお願いしますよ」と、言われていたので許容範囲内だがシオンにとっては違う。



やべぇ!!この人いい人すぎる!!



などと頭で翻訳されたのであった。



ピクニック場所につくと、そこは花であふれていた。

クローバーもあって、コンが一生懸命四つ葉をみつけようとする。


ひるごはんもあって、幸せな時をすごす。

しかし、こういう時に悪い知らせはくるものだ。



ガルゥゥゥゥゥッ

オオカミがお弁当のにおいに誘われて、やってきたのである。


しかし、レイオンが目をまんまるにしてどうしようと考える間もなく、ケンが両手をだして何やらつぶやいた。

「-----っ、----!!」

風の精が意地悪して何を言っているか聞かしてくれない。


しかし、オオカミの反応は違った。

一目散に逃げようとして、失敗。

苦しそうに倒れた。


レイオンが驚いてケンを見ると、ケンはにこっと笑った。

「僕、足が悪いからね。魔法ぐらい使えないと。」

「いや、ケン。あれは古代魔法だよね?何百年の逸材しかつかえないらしいんだよね?」

「そうかなぁ」

「そうだよ!!って、なにアンは狼さんを介抱してるの!?」

「だって、かわいそうだもん。さっきから、いたいーって言ってるよ。聞こえるもん」

「じゃぁ、私がなおしてあげる。おおかみー」

「まって、動物の声が聞こえるのアン。そしてリンは聖神魔法が使えるの?神に好かれたものしかキズなどの修復はできないって言われてるもんね。お父さんしらなかったんだけど!!」



「「「だって、びっくりしてほしくて」」」



レイオンは目をまん丸にして、だけど途中から吹き出すように笑った。

「・・うちの子はすごいなぁ」

そう、レイオンが言うようにそこには三人の何百年に一度の逸材が平然とそこに存在していたのである。




つまりのところ、“チート”であった。



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