第十話 アキ(1)
アキという名前らしい。
人がよさそうな顔をして、人との付き合いも慣れているらしい。
レイオンは、感心してじろじろと見てしまった。
けして、怯えさえるつもりはなかったのだが、少し戸惑っているアキを見てようやくさとった。
ごめん、ごめんと笑いながら言うレイオンの目はもう父親の目だ。
レイオンは、切り替えスイッチでもあるのだろうか、自分の子供と認識した瞬間 彼の雰囲気が変わる。
それにも、アキが戸惑っているのだが、そんな内事情、レイオンは知らない。
「アキ、私が君のお父さんだ、パパでもいいよ」
ほんのり自分の願望を乗せて、レイオンは手をさしだした。
大人びていると言っても、やはり子どもである。
おどおどと手を差出し、握手をした。きゅっ、と漫画だったら鳴っているだろうやさしさで、レイオンは握り返した。
それは思ったより、アキに安心を与えたようで、アキの緊張した頬もゆっくりとほぐしていった。
「よろしくおねがいします」
アキは改めて挨拶など、今までしたことが無かったのでくすぐったい気持ちに襲われて それが何かしらないいアキはふと怖くなって手を離した。
「アキは12歳だから、5番目だね。三男だ。そしてこの子たちが君の兄妹だよ」
レイオンとアキの前には、ずっとならんだこれからの兄妹がニコニコと整列していた。
結婚式から帰る途中に村の子供たちと遊んで帰ってきたのだろう。
もともと息をはずましていたが、アキを見てもっと息をはずました。
顔も心なしか、いつもより明るい。
目をキラキラさせている心の奥に好奇心がうずまいている。
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