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FPSゲーマーの転生先なんて決まってる!~ストーリーモードなんて覚えてる訳ない~  作者: 栗飯


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164.目が覚めると



「……ん」

目を擦り、私はゆっくりと目を覚ます。


「ッ!?」

重い瞼を持ち上げると、視界に入るのは……

こ、これは言うしかない!


「知らない、て「あッ!リリーナ!起きたんだね、大丈夫?」


「……………イーノス。

アンタは私の、一世一代のチャンスを潰したな」


隣にいたイーノスに私の大事なセリフを潰された。

コノヤロ…

身体を起こすと、天井以外も良く見える。

私がいるのはどこかの病院かな?

個室とはこれまた豪華な。


「また変なこと言ってる。ってことは大丈夫そうだね」


くっ、イーノスめッ!

慣れてますよ。って感じで流された。

私の同級生達はこのノリに慣れたせいか、ツッコんでくれない。


「まぁ、体調であれば!もう問題ないね」

ベッドから降り、んーっと伸びる。


「良かったよ」


「どれくらい寝てた?」


「もう少しで丸一日経つかな。そろそろ日が沈むよ」


そう言われて外を見ると、空は赤く染まり、太陽が地平線へと沈みかけていた。


「……終わったの?」


私の問いに、イーノスが一瞬だけ間を置く。


「んー、ほぼ…だね。

あのドラゴンに引き寄せられていたゾンビは、全部片付いたよ。

デイビッドさんとシアのお陰だね。

今は街中にゾンビが残っていないか、掃討中ってところ」


「……そっか」


だが、イーノスの空気は決して明るくはない。


「レストデーンは……」


言い淀んだ私に、イーノスが代わりに口を開く。


「六割……レストデーンの住民の被害は六割を超えているみたい。まだ全てが把握出来ている訳じゃないけど、そのくらいらしい…..」


静かに告げられる被害。

レストデーンを解放に来たはずなのに、こんなことになるなんて…


「避難所がやられたのが大きかった」


私は何も言えなかった。

ただ、拳を強く握り締める。


「リリーナが起きたらミーティングするって話だったんだ。準備が出来たら、1階に来て。案内するよ」


「分かった」


「あ、それリリーナの分にって持ってきたやつだよ。ミーティング終わるまでは、まともに食べられないだろうから、食べといた方がいいよ」


「おぉ、気が利くねぇ。ありがと。ちょうどお腹減ったと思ったところだよ」

手を振り部屋から出ていくイーノス。

流石だ。とても準備がいい。

良い旦那になるよ。


私はいつの間にか入院着みたいなのを着せられている。

見渡すと私の装備が机に揃っている。この綺麗に揃える感じ、こっちはシアかな?


既に身体に痛みなどない私は、やはり前世の肉体とは全然違う。

チャチャッと装備した私は机にあったリンゴを手に取る。

力を入れると両手で半分に割れる。


初めてやったけど、前世じゃ出来なかっただろう。

私の手が小さくてやりにくいだけで、パワーという意味ではかなり余裕だ。


半分にしたリンゴにかぶりつきながら、しみじみ思う。

やっぱり、魔力で強化されているこの身体は凄い。

前世のムキムキな人より、この細い腕の方がパワーがあるのだ。


準備が出来ると1階へ。

やっぱりここはレストデーンの病院だ。

……あれだけの災害の割に、入院患者が少ない。

いや、あれだけの災害だからか……


擦りむきなどの軽傷者以外、ゾンビから逃げられなかったんだろう。

その代わり、軽傷者はたくさんいる。

傷の治りも魔力が関係しているから、一般市民は前世に近い。

この辺に差が出ている。


だから、病院の1階は市民達で溢れているんだ。

軍関係者は軽傷なら、治りやすいから…

ん?でも、その輪の中心にいるのは、軍服を着た……

イーノスじゃないか?


「それでは行きます。皆さんリラックスしてくださいね」


そう言ったイーノスの両手が淡い緑に輝き、手をパチンっと合わせる。

イーノスを中心に広がる緑の光。


ふわっと優しく広がったその光は集まった皆の傷を治っていく。


イーノスも凄くなったねぇ。

うんうん。

私は嬉しいよ。


「なんでニヤニヤしてるんだ?」


おお、気付いたらイーノスが目の前にいた。


「いやぁ、あのイーノスがこんなに成長して、私は嬉しいよ」


「僕の保護者かよ」


「そりゃねぇー。我が名はイーノス!って頃から私が面倒見てますから」


「ちょっ!!恥ずかしいから!!ほらっ、あっちだから行くよ!」


イーノスが私を引っ張って、行く。

フッフッフ……

なんか余裕を持ったイーノスの態度がようやく崩れた。


イーノスに連れられ軍の天幕がたくさんある場所へと移動する。

拠点を移したようだけど、まだ設営している部分がある。

「建物再利用しないの?」


「誰かさんが司令部を粉砕しちゃってね……」


「あーーー」

私だった!!ノリノリで撃ったやつだ。

私のターンが終わったようで、イーノスがニコニコし始める。


「さ、着いたよ」


そんなこと話す間に着いてしまったみんなの天幕。

イーノスに促されて入る。


「あーこの度は、司令部を粉々にしてしまい、大変申し訳「リリちゃん!!」」


シアが抱きついてくる。

そして、案の定持ち上がる私。


「ヨシヨシ…よく頑張ったね」

抱き上げられながら、シアの頭をナデナデする。


「いつもの光景だな」

ショーンさんが笑う。

ここにいるのは特務機関からショーンさん、オルガさん、デイビッドさん、アランさん。

第3師団団長のトニーさんと副官のトムさん。

参謀本部のスティーブンさんとアッシュ。


レストデーン奪還作戦の主要メンバーである。


あれ?

司令部の件は大丈夫そうだ。

危ない、墓穴を掘るところだった。


「全員揃いましたね。これから長官と通信を繋ぎます」


スティーブンさんの声掛けにショーンさんの表情が引き締まる。

通信はすぐに繋がった。


ザザッ…

『全員、ご苦労。こちらの声は聞こえているな』

テレーズ長官が映し出される。

心做しかちょっと疲れてそうな表情をしていた。


「はい、問題ありません」

スティーブンさんが代表して答える。


『では、早速本題と言いたいところだが、ことがことだけに、今回の通信には皇帝陛下も参加されている。失礼のないように』


テレーズ長官のそんなセリフに皆が姿勢を正す。


『報告は既に受けている。

かなりハードな任務となっただろう。今回の件はレストデーンばかりか、アルステリア帝国も救われた。

そんなレベルの問題だっただろう。みな、よくやってくれた……

本当に、よくやってくれた……』


陛下、外向きの感じだったのに、最後性格の良さが滲み出てしまってない?大丈夫?


『では、本題に移る。と言っても経緯や何が起きたかは聞いている。

ゾンビにドラゴン…

未だに信じられないが映像付きではな…』


そこからは時系列で発生事項の擦り合わせ。

この辺は既に報告されていたものだからスムーズだった。


『で、このドラゴンを倒したと……

良くもまぁ、倒せたものだ』


『全くだ...ドラゴンによる死傷者がいないのがおかしい。

どう見てもゾンビと切り離して、なお、国家レベルの危機自体だったぞ!』


テレーズ長官達も映像記録を見たようでカオスヒュドラに驚愕している。


いやー、流石ボス戦だわ。しんどかったね。

そういえば、ボスの報酬って、武器迷彩の解放とランダム強化とかだったような……


うん、何が強化されたのか全く分からん。

検証が必要だね…


少なくとも武器迷彩はこの世界では意味ないよなぁ……

戦場でピンクとか金の銃なんて目立ってしょうがない。

もうどうせなら、剥製として飾りたいなぁ。ダメかなぁ。

でも聞くだけただな気もするし。

寮だと入らないかな…


実家はー……リサさんに怒られるか?

ルナも怖がるかな?


………せっかく、帰ってきたのに会えてない。

寮に泊まったし、すぐ帝都だったから、家に帰れてないんだけど、結構ブラックじゃない?

これが普通なの?


『リリーナ殿がその祭壇を動かして、ドラゴンが出てきたとのことだが、どの程度分かるのだ?』


参謀本部のトップ、ダニエル・ヴォーン大将から私の名前が出てきて、意識が会議に引き戻される。

まずい。

私がギミック解いた話だ…


『リリーナ、母であるマリー博士から聞いたとのことだが、具体的にどんな話を聞いていたんだ?』


テレーズ長官からも追撃…

ホントのこと言えないよぉ……

少しでも面白いと思って頂けれれば、

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