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異世界転霊  作者: 日曜花田
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異変発生

 「え・・・ ?! 」

 いきなりのことでなにがなんだかわからなかった。

 町の外、土蔵から二キロメートル程のところに居た。

 ゆったりと理解してゆく。

 怖かった。

 『ソーマ』によって何かがあった。 

 いや、何かがあって『ソーマ』に動きがあった。

 それが何かはわからないが、なぜかおぞましいと感じた。

 方向は今の私と土蔵を結んだ延長線上、距離は十キロメートル以上離れている。

 正確な距離はわからない・・・

 蟹の時と大きく違うのは複数ではないこと、蟹百匹より大きな『ソーマ』が動いていること、時間にして三十~四十秒続いている。

 ここからは、なんとなくそう感じるというだけで確実ではないのだが、傘とか、花とか、そんなようなものをイメージする。

 力強く開いて、そのまま維持しているような・・・

 美しいよりも禍々しい何かなのは確実なのだが、そう言えばなぜ禍々しく感じるのだろう。

 なんというか、こう、なんだか弄んでいるような・・・って、この相手は知性があるということか?




 まあ、そんなことはどうでもいい。

 本当に大事なことから目を逸らしてはいけない。

 私は逃げた。

 恐怖を感じて瞬間的に逃げたのだ。

 すぐ側にゼロアがいたのに。

 まだ二日目で、実体化出来ない私には何も出来ないとか、相手が遠くにいてゼロアに危害を加えることは出来ないとかは、関係ない。

 日本に暮らして、殆ど喧嘩などしたことのない私である。

 妻が怒ると謝るの私だった。

 だが、そんなのは理由にならない。

 どんな事をしてでもゼロアを守らなければならなかった。

 実体化していない私では言葉を伝えることも出来ない。

 ならば、あらかじめ何らかの策を持ってあらゆる危険からゼロアを守るのだ。 石垣は手を着けたばかり、ボルケノバース家やエビルハンド家を強化する方法を考えるのが近道だろう。

 ・・・と、そう言えばエビルハンド家によって帰るとしよう。

 


 予想していたが、エビルハンド家では十頭の馬が用意されていた。

 エビルハンド当主が私と同じものを感じたのだろう。

 家人が、食料の用意をしたり、弓矢の手入れをしたりしていた。

 当主の姿が無い。

 当主の部屋に入ると、オリエラと一緒に地図を見ていた。

 オリエラは家人の中では若手の筆頭で、蟹との戦いで弟を亡くしている。

 地図で水場の確認や、村の位置について話しているようだ。

 その手慣れた様子が頼もしい。

 部屋の隅には、一人の女の子が柱に縛られて泣きわめいている。

 リノス嬢だ、自分も連れて行けと言っている。

 エビルハンド婦人がやって来て。

 ごつっ。

 泣きながら、う~う~ うめいている。

 「あまり我が儘ばかり言うと、今夜はオリエラのサラダにしますよ。」

 オリエラというのは、玉葱に似た野菜の名で、オリエラさんの名前もそこからとったらしい。

 オリエラのサラダと聞いて、当主が嫌そうな顔をする。

 「そうね、調査隊が帰るまでオリエラのサラダにしましょう。

 なんと言っても父親は、娘の手本とならなければいけませんから。」

 「頼むぞ、一日も早く帰ってくれ。」


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