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愛されるより殺したい ~恋愛リアリティー・デスゲーム~  作者: 結城 からく


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第2話 前編

 美少女は呻きながら手足を痙攣させるが、ほどなくして動きを止める。

 呆然としていた田中は、慎重に近付いて顔を覗き込む。

 美少女は死んでいた。

 割れた顔面から垂れた血が砂浜を濡らしている。


「くそが! 彼女ほしかったのにーっ!」


 田中は思わず吠えたから、それが不謹慎だと気付いて咳払いする。

 少しばかり冷静になった彼は、険しい表情で呟く。


「一体どうなってるんだ……俺は何に巻き込まれた?」


 田中は青空を仰いでため息を吐く。

 その時、少し離れた場所に立つスピーカーがノイズ音を発し、それから無機質な声が放送を開始した。


『新規プレーヤーが参戦しました。改めてルール説明を行います』


「えっ、何?」


『異性を殺すと1人につき1ポイント。ポイントを集めると各地に設置されたアイテムボックスを開封できます。基本ルールは以上です』


 そこで放送は終了した。

 田中は眉間に皺を寄せて考え込む。


「ポイント……アイテム……よく分からんな……おぉ?」


 田中が何かに気付いて走り出す。

 彼が向かった先には黒塗りのコインロッカーが設置されていた。

 側面には「アイテムボックス」と印字されている。


 田中が近付いた途端、アイテムボックスから澄んだ音声が発せられた。


『こんにちは、田中さん。あなたは1ポイントを所持しています』


「1ポイント……さっきの日本刀の娘か。俺が殺した判定になるのやめてほしいんだけど。あれ自滅って感じだし」


 ぶつぶつと文句を言いつつ、田中はアイテムボックスを調べる。

 それぞれの扉には数字が記されていた。

 最小で1、最大で18だった。


(アイテムを貰うのに必要なポイントってところかな)


 考察する田中が1ポイントの扉に手をかける。

 電子ロックが解除される音と共に扉が開いた。


『ポイントを消費しました』


「ほう」


 中には一本の特殊警棒が入っていた。

 それを掴み取った田中は微妙な顔をする。


「うーん、ちょっと弱いなぁ……1ポイントだとこんなもんか」


 不満げな田中は、日本刀で死んだ美少女のもとに歩み寄る。

 躊躇しつつ刀の柄を握ったその時、背後から震えた声が聞こえてきた。


「ミ、ミカちゃん……」


「ん?」


 日本刀を引き抜いた田中は振り返る。

 そこには拳銃を構えた眼鏡の女性が立っていた。

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