第二十三話半 白鳥星河の憂鬱
「ああもう! あの男、とうとう未読無視を決め込んでるし!」
深夜一時過ぎ。
沖縄本島、とあるファミリーマートの駐車場にて。
常人ならざる白い髪の少女はスマホの画面をイライラに任せて何度もタップした。
「やっぱりテキトーな事ばっかり言ってきら星ちゃんを言いくるめたに違いないわ。きら星ちゃん、優しいし。この手で必ずかの邪智暴虐の許婚もどきから救い出して見せる……!」
「何を、さっきから、ぶつぶつとっ」
「あら、あなたたちも無関係ではないのよ」
「ゴフッ⁉︎」
白鳥星河へ殴りかかった大柄な少年が腹部を押さえて倒れ込んだ。
少年の腹部を強打した超密度の“弾丸”がアスファルトへ落下し、ごとり、と重苦しい音を立てた。
「あのねえ、わたしはあなた達がきら星ちゃんに会ったって言ってたから聞きに来たのに、行き先が分からないってどういうこと? ハイそこのあなた、答えて」
「し、知らねえよ! というかお前はなんなんだよ⁉︎ なんで俺らのところに来た⁉︎」
「だって、それが唯一の手がかりなんだもの」
白鳥はなぜ当然のことを聞くのか、と言わんばかりに肩をすくめた。
「せっかく夏海先生を“説得”して島を出たのにあの男、昨日からパタっと投稿をやめちゃったし。でもダイメで直接聞いたら負けでしょ? だからわざわざ、昼頃にきら星ちゃんにボコボコにされたらしいあなたたちを訪ねてきたんじゃない」
「あ、あんな写真ひとつで俺らの居場所を……⁉︎」
「ひとつじゃないわ。今までの投稿がぜーんぶあなたのことを教えてくれた。あとは移動範囲を予測して、あなた達みたいな人種がたむろしそうなところを絞り込めば簡単よ」
「へっ、人種ねえ……」
白鳥星河の背後で大柄な少年がフラフラと立ち上がる。
「背中にでっけえ目ん玉剥き出しにしやがって。化け物が人間を語るなよ、気持ち悪い」
「あら、死にたいならそう言えばいいのに。はい、そんなあなたにバイクを一台プレゼント」
鈍い音と共にバイク一台分の重量を持つ金属球が胸部へと激突し、少年は動かなくなった。
「ひっ、ひいいいいいいいい‼︎」
白鳥星河は逃げ出した最後の少年を追わない。
すでに興味がなくなっていたのだ。
「待っててね、きら星ちゃん。絶対追いついてみせ、る……」
天を仰ぎ、決意を新たにした白鳥星河の腹が鳴った。
「晩御飯……ハッ! コンビニの光に惑わされてはダメよ白鳥星河! 我慢、我慢!」
自分自身を励ましながら、白鳥星河は夜の街へ歩み出す。
全てはあの輝く星のため。
金欠くらい、どうってことないのだった。
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