未来の話
「あっ、そういえばアタシまだヒカルのことなんも知らないわ。良かったら教えてくれないか?」
飯を食べ終わって普段なら食後のデザートが出てくる頃だが、リスタが突如そういうことを聞いてきた。まぁ隠す理由なんて無いから話すか。
「俺はな、全然普通の高校生だったんだ。そっちにも魔法学校とかあるのかもしれないが、俺はそれの魔法抜きみたいな感じのやつの学生だったんだよ。それで……」
「じゃあアタシたちと飯食おうぜ!」
「すいませんね。何も歓迎の用意ができていなくて。」
ん? おかしい。ほんとにちょっと前に俺はこの会話をしたはずだ。何があったんだ? 俺はロードなんてしてない。やっぱりこの世界はわからないことが多すぎる。
ーーーーー現実のことを話すな。次は無い。
さっきの討伐で俺のことアホとか言ってきたやつが脅してきた。こいつはなんなんだマジで。1発文句言ってやる。
「悪い、ちょっと外の空気吸ってくる。」
「おっ分かった。飯が冷める前に戻れよー!」
「分かってる分かってる。」
「さて、これで俺らだけになったことだが……お前なんなんだよ。頭の中に語りかけて来んな。うざいんだよ。」
ーーーーー悪いが、私にはこの方法しか取れない。理由は……いつか分かるさ。
「いつかってなんだよいつかって。さっさと出てこい。ボコボコにしてやる。」
まぁ俺にはセーブとロードがあるからな、死ぬことは絶対にない。これくらい啖呵を切っても良いだろう。
ーーーーー愚か者め、私が手を下すまでもない。だが、これ以上反抗されても困るのでな。未来の断片を見せてやろう。
「はっ、俺の未来なんて明るいって決まってんだよ。」
それより今は集中して周りを見渡そう。頭の中に直接語りかけてくるやつでも流石に記憶を見せるなんて多分この世界でも離れ業をやるには一瞬だけでも姿を現すはずだ。そこをぶん殴る。拳の武装をつけた瞬間、俺の頭に見たことない記憶がフラッシュバックしてきた。
「おい! リスタ! 目覚ませって!」
「そんな……リスタさん……どうしてあなたが!」
リスタが瞼を開けることはなかった。小さい体には大剣のような氷が突き刺さっていた。
「あぁ……頼む…消えないでくれ。リスタ、俺の前からいなくならないでくれ……。」
リスタの体がバラバラに砕け散ってしまった。見上げるとそこには…………
は? なんなんだよこれ、リスタが……死ぬ?




