初めての討伐
「じゃあとりあえず討伐にでも行くか。」
リーダーことリスタは俺の属性を聞いて最初の方こそ怒って話を聞いてくれなかったが、ロフォス様はそんなことで怒らない! とか言って許してくれた。
「ん? あぁそうだな。ところで、最初はどんな感じの行ったらいいんだ?」
「そりゃあ高難易度だ。この幻のサムライとかどうだ?」
「できねぇって多分。俺らまだまだ低レベルだろ?」
「まぁそうだな。じゃあロックフロッグとかどうだ?」
「カエルか、いいんじゃないか? 俺も賛成だ。」
「よし! そうと決まったら倒し行くぞ!」
「仰せのままに、リーダー。」
一応セーブしておこう。
「見ろ! ヒカル! あれがロックフロッグだ!」
「えーーー!! ってこのノリは伝わらんか。」
案の定リスタは首を傾げていた。ゲームなんだから現代のノリ通じてくれてもいいと思う。
まぁそのロックブロックだが、思ったより大きかった。現実世界のカエルを想像していたが、横綱くらいのデカさだった。体は岩で覆われていて
「ほらヒカル! アタシについてこい!」
「あっ、ちょっと待てって!」
リスタは炎でメリケンサックのような物を作りそれで殴っている。まぁ拳志望なんだからそりゃ当然の戦い方か。
「なぁリスタ、熱くないのか? それ。」
「あ? そりゃ熱いけどこのくらい耐えなきゃな。ロフォス様の伝説で五万度の火に耐えたっていうのもあるから、アタシはこれくらいやらなきゃいけないんだ!」
流石に盛ってるだろ。そう考えていると、ロックフロッグがなんかキモい液体のようなものを俺に向けて飛ばしてきた。
すかさず避けたが、目の前にはロックフロッグがいた。万事休すだ。こうなったら少しでも足掻いてやる。腕を振り回す、当たるかどうかすらわからない。当たっても対して致命傷にすらならないだろう。
ーーーーーなぜ拳を使わん。阿呆が。
あっ、そうだ拳を使えばいいじゃないか。アホとか聞き捨てならないことを言われたが今は無視だ。
少し念じると両腕から1本ずつ透明な腕が生えていた。
普通の腕を振り回すと同時にその腕も動いてくれて、それはカエルにダメージを与えるには十分な力があった。
「さぁ、反撃開始だ。」
「カッコつけてんな。ヒカル。」
「うっせ」
カエルが地面から岩を取って俺らに投げてきた。だが、その攻撃は今の俺には効かない! ……はず!
恐る恐る腕で思いっきり殴るとパラパラと音を立てて岩が壊れた。すごい破壊力だなこれ。その勢いのまま距離を詰めて殴ったが、体表を覆っている岩はそこらへんの岩よりずっと硬いみたいだ。透明な方は大丈夫だが、リアルの拳はめっちゃ痛い。この戦いでもう右拳は使えないだろう。
ロックフロッグは反撃してくる。俺は避けるのに精一杯だ。これでどうやって勝てと。
「ヒカル! 技を使え!」
「技って! なんだよ!」
「技ってそりゃロフォス様が使ってたやつだよ!」
「俺にも天地創造とかできたらよかったのにな!」
「違うって! アタシが言ってんのはあれだって! あの、掴んで後ろに投げるやつ!」
掴んで後ろに投げるやつってもしかしてあれのことか? あれは現実のプロレスの技だが。だがまぁゲームなんだからそんなもんだろう。善は急げだ、やるぞ!
「うおおおおお!!」
「そうだ! 思い出した! 技の名前は!」
「「バックドロップ!!」」
カエルの胴体を四本の腕でがっしりと掴み、そのまま後ろにぶん投げた。ガン! バラバラバラと音を立ててロックフロッグの体表を覆っていた岩が砕け散った。流石にもう動ける気がしない。軟弱だと思うかもしれないが、
「よし! あとはアタシに任せろ! さっきまでアタシの攻撃は通らなかったが、今なら!」
「やっちまえリスタ!」
「塵になれ! ロックフロッグ!」
若干大きめのうめき声をあげてロックフロッグは消滅した。
「はぁはぁやったな! ヒカル!」
「あぁ、そうだな。」
ハイタッチをしたが、手が痛いのを忘れていた。声が漏れそうになったが、あんまりリスタを心配させたくないから我慢した。
まぁそんなこんなあって、俺らの初めての討伐は無事終わった。このゲームは中々楽しいと思う。




