アタシの英雄
「数千年前、世界は塵でした。そこにロフォス様は誕生されたのです。そして塵を全て今私たちが立っている土地に直し、全ての大地に命を芽吹かせました。この偉業を見届けた者は今やオネイロス様、バアル様、アレス様しかいないのです。」
これは確か神話に出てくる神様の名前だったよな。ロフォスだけ全く聞いたことすらないが。
「アタシはちっちゃい頃からずっとこのロフォス様の伝説が大好きでな。いつかロフォス様みたいになってやる! って思ってるんだ。それなのにアホ教会はアタシを炎だって言い張るんだ。」
この世界には属性がある。俺が今の所知ってるのは拳と炎だけだが炎があるなら水とか風とか雷とかもあるんだろう。拳だけなんか変だな。ゲームとかでも聞いたことがない。とりあえずこのリスタという少女は英雄になることを望んでいる。だがきっと拳でなければ英雄になれないという感じの頭でっかちな思考になってしまってるのだろう。だが、普通の人間なら小さい頃に教会に検査とやらを受けているのだろうが、俺は受けていない。こんな身分が定かじゃない俺に話しかけてくれる人間なんてそうそういないだろう。この機にパーティとやらを作ってみるのもアリだな。
「なぁリスタ、お前は本当に拳じゃなきゃ大英雄になれないと思ってるのか?」
「あぁ、そりゃそうさ。アタシの中の英雄は拳のロフォス様だけなんだ。」
「じゃあ分かった。俺が支えてやるよ。」
「はぁ? 何言ってんだアンタ。アタシが言ったこと聞いてたのか? アタシは英雄になりたいんだ。支えなんかあったら英雄になんかなれないんだ。」
「じゃあなんでロフォス様とやらの偉業を見届けた人物がいるんだ? 俺の勝手な解釈だが、きっとロフォス様は仲間に慕われてたんだ。仲間がいて悪いことなんてないさ。」
我ながらいいこと言ったと思う。実際はロフォスとやらに仲間がいたのかは知らない。いつか聞いてみたいものだな。それは叶わないことだろうがな。
「アンタは自分をアンタの中の英雄にすればいい。俺はその手助けをしてやる。だから俺とパーティを組んでくれないか?」
「………分かったよ。アンタとパーティを組んでやる。ただし! アタシがリーダーな。」
「ハハっ分かったよ。頼りにしてるぞ。リーダーさん。」
「ところでアンタの名前はなんなんだ?」
そういえば名乗ってなかったな。
「俺の名前は岡光。ヒカルって呼んでくれ。」
「あぁ分かったぜ。よろしくな、ヒカル。」
「お二人とも、教会に着きましたよ。リスタ様はどうされますか?」
「ん? あぁ大丈夫だ。アタシは炎のままでアタシの英雄になってみせるさ。」
心強いリーダーが来てくれたな。これで俺の心配事も無くなりそうだ。
「検査の結果、あなたの属性は拳です。頑張ってくださいね。」
やばい、リーダーに合わす顔がない。




