ロフォス様
「おい兄ちゃん。大丈夫かい? 水持ってくるからな。」
これで何回目だろうな。分かったことが新しく増えた。この世界は俺がロードという単語を考えれば
「おい兄ちゃん。大丈夫かい? 水持ってくるからな。」
というセリフが繰り返されるらしい。なんとなく理解できたのは、これはきっと俺が主人公のゲームの世界だ。セーブロード機能なんて主人公じゃなきゃ説明がつかな「おい兄ちゃん。大丈夫かい? 水持ってくるからな。」頼むから俺が考察してる時はやめてくれ。
まぁ一旦考察も終わったことだしこのループから抜け出そう。
「あぁ、もう大丈夫だ。頭も冴えてる。心配してくれてありがとな。」
とりあえず今後の方針を決めよう。魔法が使える世界ということはおそらくギルド的なやつがあるはずだ。まずそこに冒険者として登録させてもらおう。
ギルドのドアを開けると案の定ゴツい男どもがこちらを睨んできた。そんな男どもなど一切気にせず、そのまま美人の受付嬢のところに行った。
「すいません、冒険者登録に来たんですけど。」
「はい、分かりました。では魔力性質は何でしょうか?」
魔力性質? そんなの知らない。というか知るわけない。数時間前まで俺は魔法とか一切関係ない国で生きてきたんだ。
「すいません知らないっすね。」
「え!? 教会で検査受けてないんですか!? 分かりました。今どき珍しいですが、教会に案内しますね。」
美人が連れて行ってくれるなんて嬉しいな。仕事上の事だって分かっていてもやっぱり美人と歩けるってのは嬉しいもんだ。
「おっアンタ、もしかしてまだ検査やってないのかい? ちょうど良かった。ついでにアタシも受けさせてくれよ。」
急に近くから声がした。右左と確認したが、どこにもいない。
「おい! アンタどこ見てんだよ! こっちだよこっち!」
こっちってどっちだよ。あっ右と左じゃ無いなら下か。
「検査なんて誰でも受けれるもんじゃないのか?」
「あぁアタシも受けたよ。でも納得いかないんだ。アタシは絶対『炎』なんかじゃない! 『拳』だ!」
よく分からんがきっとあれだろう。この子は再検査を要求しているのだ。
「リスタ様。それは出来ないと何度も説明したはずです。あなたのそのほとばしる熱気! そのパッション! 炎が適しています。」
「だ•か•ら! アタシは大英雄になりたいって何度も言ってるだろ! 炎じゃ……アタシはロフォス様みたいになれないんだ……。」
「その……悪いが、大英雄ってのはなんなんだ?」
2人してはぁ? って感じの顔をしてた。おそらくこの世界でそのロフォスとやらはアインシュタインくらい一般常識なのだろう。
「とりあえず歩きながら話しましょうか。ロフォス様の伝説を。」




