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一つの脅威

その化け物、まぁ泥沼と呼ぶがそいつはなんだか苦しそうだった。大きな手で薙ぎ払われそうになったが、体がプルプルとしていた。

魔物ってのはこんな感情があるものなのか? 疑問に思っていると、アートが手を上に掲げた。


「私の一部は天の怒り、私の一部は天の慈しみ、なれば、私は彼の者に最大限の愛を与えることを誓おう。その穢れた身をもって天の慈愛を受けとるがいい。天が鳴く慈愛の咆哮(セント•ルギートゥス)‼︎‼︎」


詠唱のようなものを読み上げたと同時に掲げた手を振り下ろした。

瞬間、振り下ろした空間が裂けた。矢が無限に飛び出てくる。化け物は死んだ。正直、俺がこのゲームの世界に来てから1番の強敵だったと思う。なぜならあいつは明らかに力を制限されていた。本気で戦われていたらと考えるとゾッとする。だが、それ以上にアートは強かった。流石神の創造物と言ったところか。


「光さん、どうかしましたか?」


「いや、何か拍子抜けだなって思ったんだ。もっと強敵だと思ってたからな。」


「はぁ……そうですか。まぁ倒せれば何とでもなるでしょう。さぁリスタさんの元に戻りましょう。」


「あぁ、そうだな。」






「あらら。簡単にやられてくれちゃって。これでも僕の泥人形にしては強い方だったんだけどな。」


男は木の上に座ってリンゴを一口齧る。男は味を感じるために食べるのではなく、人間として見られるために、口を開けて口を閉じる。その動作を繰り返しているだけのように見えた。


「まぁ、別にいいか。天弓の力はある程度見れた。それだけでいいかな。」


男は突然涙を流した。頬に水が垂れるのを感じて、男はその様子に喜びを感じていた。


「は、はは! はっはは! やった! 僕は泣けている! 土人形のために泣けているぞ! あの場で死ねと命じたのは僕なのに‼︎」


男は歓喜のあまり、木から落ちてしまった。しかも頭から。

グシャペチャ。とそんな奇妙な音がした。周囲に死体を食べに来た凶暴なリスが来た。食べようとした瞬間、地面から口が生えてきてリスは丸呑みされてしまった。


「はぁ……痛ってて。僕はやっぱりドジっ子だな。って、自分で言うことじゃないか! はっはっはっはっは!」


声高く響いた笑い声は、雑木林によって消え去った。これから来る危機は訪れるまで平和なパリカラに届くことはない。

多分忘れてると思うんで言いますが話で出てきたパリカラは2話で出てきた街です

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