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雷華の騎士 ~やがて支配帝(ハーレム帝)と呼ばれる男~  作者:
第2章 雷華の騎士と地獄迷宮
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6話 フレデリクの地獄迷宮探査⑤ 四階層

 4階層の森林エリアをほぼ駆け足で動き続け、マインラートやマルコは息が上がり気味だが、あっさりとボス部屋に辿り着く。今の所、まだ彼らは魔法を使っていない。

 キラーマンティスやウイングアント、イリュージョンバタフライ、大ムカデなどが大量に現れたものの動きの遅い魔物は放置して、目の前を邪魔する魔物だけを倒して先へと進む。

 抜けてボス部屋と呼ばれる巨大な玄室に入ると重装甲虫(タンクビートル)大鋏(ビッグシザース)という巨大な魔物が現れる。人より大きく鉄より堅い外皮を持つ甲虫と人の頭を簡単に切り裂く鋭利な鋏を持つクワガタ虫の群れである。

 フレデリクの指示でボスらしき重装甲中はどっしり構えて動かないが、大鋏はわしゃわしゃと群れて襲って来るので、大鋏の正面にマインラートを立たせて逃がしつつ、皆で横から攻撃して足の関節を一つずつ潰していく。

 マインラートがヤバそうになるとフレデリクが代わりの囮になって引き付ける。

 鋏に挟まれたら一撃で胴体が真っ二つになりそうではあるが、大鋏は首を動かす速度が遅いため、回るように動けば射程に入る雰囲気も全くなかった。あまりに簡単にフレデリクがほぼ歩くような速度で囮をこなしていたので次はマルコが囮役を買って出る。

 マルコが交代で正面に立ち射程に入る前に回る様に動いてその間に皆で攻撃できる隙があれば的確に足の関節を攻撃して一匹ずつ倒していく。

 群れているので簡単に攻撃機会はないが、時間が経てば経つほど大鋏の足が潰れて動きが悪くなる。

 半数ほどの大鋏にとどめを刺して、余裕が出て来ると重装甲虫が動き出す。バタバタと羽根を動かして物凄い勢いで突っ込んでくる。

 体当たりされたらひとたまりもなさそうで、巻き添えにあった堅い装甲をもつ大鋏がぐちゃりと潰れていた。

 フレデリクは重装甲虫の動きが直線だから前に立たないように動くよう指示を出す。囮役のマルコは大鋏と重装甲虫の両方に気を付けながら走り回り、疲れたらマインラートに交代し、と言う感じで動き回りながらあっさりと魔物を討伐するのだった。


「一日でここかよ」

 驚いた様子でエルッキはぼやいていた。

「それ以前に、どこで休むの?」

「階層を跨ぐ階段の踊り場とかだな。比較的魔物が出にくい」

「出ない訳じゃないっすね?」

「生態系が違うから異なる環境に行こうとしないんだろう。ボス部屋の奥っていうのもあるからかな。でも移動に使う魔物が偶にいる。回廊がでかすぎるからな。まあ、見た通り迷宮の回廊は皆そんなものだけど」

 エルッキは説明をする。流石に何度も迷宮に来ている上級生であった。

「そう言えば階段とかめちゃくちゃデカかったな」

 マインラートも思い出すように頷く。

 マインラートからすればゲームではもっとわかりやすかったが、どこから階層移動の階段なのか分かりにくいほどこの迷宮はデカかったから戸惑いがあった。階段も移動するだけでどういう階段か、長さがどの程度かなんてわからなかったのもある。


「基本、迷宮はスタンピードの発射基地みたいなところがあるから大量の魔物を外に吐きだせるつくりなんだよ。スタンピードを起こさないこの迷宮が稀なんだ。階層の異なる場所が細かったら、下の階層の魔物が外に出れないでしょ?」

 フレデリクは食事の準備をしながら会話に混ざる。

「確かに」

「フレデリクは色々と詳しいね」

 エリアスはフレデリクの方を見る。

「僕自身が好奇心旺盛な上、外に飛び出した好奇心旺盛なエルフの弟子をしていたせいで、色々と教わった」

「そういえば、お前、『何で』『どうして』って大人を困らせるくらい質問をしてたな」

 エルッキは昔を思い出すように顔を顰めていた。

「師匠と僕は割と似ていたからね。英雄物語が好きで好奇心旺盛で疑問を疑問のままにしたがらない。火竜王討伐の為に弟子になっても、好奇心のままに迷宮を潜って攻略したり、魔物を虐めまくってたからなぁ」

「魔物を虐めるって」

 マルコは顔を引き攣らせる。

「『師匠の水魔法でそこの川から水をあの洞窟に流し込んだら迷宮内は魔物が全滅しませんか?』『よし、試しに流し込むか』みたいな軽いノリで、水をぶち込み迷宮内の魔物を溺れさせて皆殺しにしたり、作りの弱そうな迷宮は迷宮そのものを文字通りぐしゃりと潰したり、煙で燻したり、色々と試して5~6か所は確実に攻略してるんだよね。割と早い段階で迷宮攻略者になってたし」

「何でお前金剛級になってないんだ?」

「移動中に偶々見かけただけの迷宮だからかな?一々申請もしてない。中に人間がいるか確認していないようだったら試してみる。みたいな感じかな。僕の目的は金剛級じゃなくて火竜王討伐だったし。師匠と僕は相性が良すぎた。アレは組ませたらいけない二人だった。」

 フレデリクは師匠との旅路を思い出す。

「でも、三層も四層もそうだけど、魔物の群れを鮮やかに抜け出す策を講じるよね。見ていた冒険者達も一部は真似をしようとしているメンバーもいた。良いの、自分の手の内を晒して」

「良いの良いの。僕はここを攻略する気は無いから。より良い攻略法を皆で共有してより先へ行けるようになる一助になれば。父さん達が攻略出来なかった迷宮でしょ。いくら僕でも簡単にはいかないと思ってる。であれば、冒険者志望の人に見て貰って自分達がやる際により良い方法を模索してもらった方が良い」

「というよりも……難しいだろうね。同じことを出来る人間を集められるか…」

 エリアスは苦笑する。

「そう?」

 アルバンは首を傾げる。

「いや、三階層で足を止めずに陣形を保って突破するって無理だろ。俺がいなかったらどうするつもりだったんだ?」

 エルッキは首を傾げる。

「四角形を三角形にするだけだけど?後方の控えはそこまで技術は必要ないし、一番大変なのは先頭だから。足を止めずに倒す、倒せなくても後ろに流すって言ったけど一言二言で簡単にこなせる人はよほど能力が高い人でないと無理だ」

「って、僕を先頭にさせたの!?」

「いやだって、僕が戦闘やったら後ろは走るだけになるよ?森林迷宮も山岳迷宮も鍵になるポジションをクラスメイトに任せたのは皆に経験積ませる為だから。僕がそのポジションを受け持ったら本当に走るだけだよ?マインラートとマルコが暇そうにしてるでしょ。これで5人暇人作ったら意味ないでしょ」

「というか、確かにフレデリク一人でここまで来るなら苦にしなさそうだね」

 エリアスはフレデリクの言葉にもっともだと頷く。

「俺ら何のために集められた?」

「7階層以降は物量を相手にするらしいからね。僕は神聖魔法を際限なく使えるけど、手が回らなければ回復できない。そこで回復できる手段は必要だし、同様に魔法も打てなくなる。僕は何でもできても一度に一人分しか役割をこなせないんだ。であれば、同時に同じ役割をこなせる人が必要なんだ。戦棋(チェス)では手番で1手ずつ打つだろう?人が多ければ多いほど一度の手番で多く打てると考えれば良い」

「軍でも持ってきた方が良いんじゃないのかな?」

「そうすればモンスターパレードで魔物の軍と人の軍との戦いになって、一定の水準に達していない人間はこぞって邪眼王の腹の中に収まる。僕らが大量の編入生を連れて迷宮に入ったようにね。差し詰めこの迷宮は邪眼王の腹の中で、魔物は消化液って感じかな?」

 フレデリクは地獄迷宮の仕組みを説明する。

「それにしてもここまでこんなに簡単に攻略出来て良いのかな?何が落とし穴が無いかな?」

「別におかしいって事は無い。広大な迷宮をここに至る道を特定させた過去の履歴があってこそだよ。迷宮を推測し策を練り、僕はただ必要な戦力を調達して策略通り進めてるだけなんだから。僕としてはある程度の力があれば誰でも15層まで行ける戦術をこの迷宮に残しておきたいと思ってる」

 淡々と進む事に逆に不安を感じるエリアスに対して、フレデリクはあっさりと自分のプランを説明する。

「「「「!?」」」」

「正気か?」

 エルッキはフレデリクを見た訊ねる。

「正気も何も、この活動はその一環だし。一度試して、僕一人でも潜っていけるか試して、色々やるつもりだよ。父さん達が15層で、校長単独で10層、それ以外は皆10層が最高到達点でしょ?父さん達が多くを残してるのに誰も続いてる形跡が無い。人間の強みは世代が変わっても攻略法を残して先へ先へと進める所だ。なのに20年進歩が無いってどういう事?」

「まあ、確かにそうだね」

「10階層の壁、つまり9階層のボスがどの程度なのか、確認したいんだよ。だから10階層まで見たいって言ってるの」

「まあ、俺も親父の行った15層まで足を延ばしたくはあるんだけどな。そこそこ知名度が上がってクラスメイトと組んで奥に行ってみるけど、8階層が精々だぞ?」

「何で?」

「………7層から続く物量攻撃で疲れた所に、8階層で迷子になりかけて、凶悪な第10層のフロアボスを倒せないから引き返さざるを得なかったって感じだ」

「物量勝負って考える事時点で頭が固い。いなして逃げれば良い。目標は殲滅じゃないんだから」

「そう簡単にそこから逃げられないから困ってんだっての」

「まあ、どの位大変なのか見て見よう。ちょろかったらエルの頭は飾りだったって言ってやる」

「お前、この迷宮を舐め過ぎてね?」

「舐めてはいないよ?」

「ホントかよ」

 ジト目でフレデリクを見るエルッキだった。

 二人の掛け合いは本当に幼馴染だなぁという雰囲気があった。

「砂漠迷宮で流砂王と戦った僕だけど、僕より上のアルノルトさんが10階層、父さんが15階層までしか行けなかった鬼畜難度の迷宮なんだよ。舐める筈がないでしょ。ただねぇ、父さんは戦略性が無いから。正面から行って、全部潰せば良いだろ?とか平気で言って、ホントに実行する頭悪い系だから」

「それが出来るから、怪物なんだけどな」

 誰もが憧れる猛者でもある。フレデリクも憧れるが、フレデリクは自分の身をよく分かっているから同じ事はしない。


「タクティカルな仕事に関しては彼らより僕の方が得意だよ。僕らが20匹ほど魔物を倒して進んだあの第3層、父さん達が抜けようとしたら10倍以上の敵を倒したと思う。武器も痛むし体力も減るし、それを15階層まで続ければ体力が尽きる。父さんが尽きなくても周りが尽きる。僕と父さんが戦えば10回に9回は僕が負けるけど、1000人の軍を互いに率いて戦えと言われれば僕は10回に9回勝てる自信がある」

 フレデリクは自信をもって言うと、

「いやいやいやいや、それ以前に10回に1回でもお前はヴォルフさんに勝てねーだろ」

「ん?いや、小さい頃から訓練してたけど、大体そんなもんだよ、勝率」

 フレデリクの何という事無い台詞に全員が絶句する。帝国最強に幼い頃から10度に1度は勝てていた?

 嘘だろ?そういう思いがにじむ。

「僕ってさ、父さん達からよほど強いか手加減して勝てる相手じゃないと戦闘訓練させなかったでしょ?」

「そう言えばそうだったな」

「頭に血が上って剥きになると、普通の人間なら致死になる急所にポンと手が出ちゃう悪癖があるんだ。父さんはそれでも抑えるけど、10度戦えば1度は通しちゃう。僕と父さんの戦闘訓練って殺し合いに近い部分があったからね。だから母さんか、治癒術師がいる時じゃないとやれなかったんだ。守りに関してはフリッツさんやゲオルクさん、ディルク先生とかの方が長けてるから、あの人達も戦闘訓練していい人たちだったけど……って何?」

 呆れるような視線を向けていたエルッキにフレデリクは首を傾げる。

「いや、お前が戦闘訓練の時、何故か別格扱いだった理由が分かった」

 呆れた様子で溜息を吐くエルッキだった。

「ホントに剣術レベル8なの?剣聖になってない?」

「いや、なってないよ。術理だけじゃダメって事だね。実際、アルバンってエリアスより魔物戦闘が不器用だし」

 マルコの問いに、フレデリクは手を横に振り、エリアスの例を出す。

「確かに………学校じゃ軽くひねられてるのに、僕より強いとは思えない部分があるよね」

「ガフッ」

 エリアスの言葉に、アルバンは血反吐を掃くように項垂れる。

「まあ、迷宮で対人戦闘能力が高くても全く意味ないんだ。この3年で割と迷宮に潜りまくって戦闘経験詰みまくったから魔物の弱点を見極める技術を学んだだけで。今、アルバンが苦労している道って、まさに僕が3年前に通った道だから。3年も潜りまくっていれば、僕より強くなれるかもしれない」

「でも、強くなれるかも、なんだね」

 アルバンは苦笑する。

「そりゃ、身体能力が違うから」

「身体能力?」

 アルバンは首を傾げる。

「ドラゴンと人間、同じ技術で殴ったらどっちが痛い?」

「そりゃドラゴンに決まってんだろ」

「そういう事」

 フレデリクは質問するとエルッキが答え、それに満足そうにうなずく。

「体格からすればフレデリクの方が小さいじゃん」

「僕は魔力を体の中に循環させて、強化してるから。剣だって魔力を通して硬質化させるでしょ。それを自分の体に使ってる。父さんは幼い頃からそれを無意識に使ってるから剣術レベルが低い頃に剣聖に勝利したんだと思うよ。僕がそれに気づいたのは格闘LV7になった1年前だね。格闘や拳闘も遠当てがあって、その次のステップは防御時に魔力を使うんだ。そこで気付いたんだよ。これ身体能力アップ出来ない?とね。で、一定の能力アップが見込めて師匠に見て貰った所、師匠曰く、身体硬化、脚力強化、腕力強化とかがついていたらしい。父さんのアホみたいな身体能力はこれだったんだ………って初めて知ったんだけど、多分当人は無意識に使ってたっぽいなぁ」

 フレデリクは自分の手をグーパーグーパーしながら苦笑を見せる。

「マジで?どうやって使うんだ?」

 マインラートは興味を持ってフレデリクに訊ねるとフレデリクは首を横に振る。

「無理に使おうとしない方が良いよ。一定の身体能力が高まってくればそこに踏み込めるようになるはずだから。僕みたいに未熟な時にやると失敗するし」

「失敗?」

「よく考えて見てよ。腕力を向上させるとどうなると思う?」

「パワーアップか?」

「一部の筋肉だけを強くすると他の筋肉がついてこなくて弱い筋肉が切れちゃうでしょ」

「こわっ」

「全部強くすると心臓が大量の血を送って血圧上がって脳の血管が破裂して死ぬし」

「こわっ」

「僕は母さんから多少は医療を学んでいるし、神聖魔法で治せるから良いけど、普通の人が思い付きでやると普通に死ぬから」

「マジかよ。俺でももしかしてワンチャンあるかと思ったのに」

「魔導師的な知識が必要だけど、使えるのは戦士だね。感覚的に使うんじゃないかなぁ。僕みたいに理屈から入って使えるようになってる人って稀かも。何?マインラートも戦士の道を歩く?棍棒常備する?」

 フレデリクはマインラートに渡していた棍棒を取り出す。

「モテへの道はやはり戦士かと。ほら、冒険者とかだと大体戦士系がモテるし」

 マインラートはそんな事を口にする。

「そうかな?」

 エリアスは首を傾げる。

「フレデリク、実際どうなの?」

「僕のパーティにいた人たちは……片方がモテ無さそうだけどあちこちに現地妻がいたし、もう一人は露骨にプレイボーイだったから何とも言えないよ。でも、魔法使いで知り合いにいたけどかなりモテてたと思うし、関係ないんじゃない?」

「マインラートがモテないのは別に魔法使いだからじゃないと思うけど」

「な、何だと!?」

 マルコの的確な突込みにマインラートは愕然とする。


「女に飢え過ぎていて、女子が引いてるっていうか」

「一々視線がエロいとか」

「いう事が変態くさいとか」

「何故だ!?俺は素直に生きているだけなのに!」

 頭を抱えて項垂れるマインラートだった。陰キャ脱却してチャラい系を目指しても無駄だった事実が明らかになる。

「大体、戦士がモテるなら何で俺がモテねーんだ!あほか!」

 エルッキが地面をたたく。

「モテないの?」

「お前みたいに常時女子を回りに侍らせている奴に言われたくねぇ」

「僕の周りの女子がいるのは多くの女子が僕を男子と認識してくれないからなんだけど」

 フレデリクがぼやき、アハハハと周りのクラスメイトは笑っていた。

「未だに絶対に女子だって言い張る女子がいるしな」

「ホントにもう。皇族に名前が連ねられていて、性別偽れる訳ないのに」

「だよね」

 フレデリクは溜息を吐き、エリアスは肩を竦めて苦笑する。

「俺だってモテたいわ!母さんに『お嫁さん位、学校で捕まえてきなさい』って言われて来たんだぞ!」

「また、ミーナさんは無茶な事を」

 フレデリクは呆れるように溜息を吐く。

「無茶とか言うな!」

「政略だろうと簡単に結婚できる奴らが羨ましい。」

「そうだ!妬まし過ぎる……」

「おっぱいが大きくて可愛い幼馴染とイチャラブしてる奴なんて死ねばいいのに!」

 エルッキとマインラートが魂の慟哭のように訴えて来る。

「いや、僕達別に公然とそういう事してないよね?」

「そうだね」

 マルコが溜息を吐くようにフレデリクに同意を求めフレデリクは頷く。


 何やかんやあって取り敢えず夕食を終えて休みにつく事にする。交代制で寝る事になったのだが、そこでアルバンがふと気づく。

「ところで、気付いたんだけど…」

「何が?」

「いや、さっき可愛い幼馴染とイチャラブしてるって言われた時にフレデリクじゃなくて、マルコが公然とそんな事してないよねって言ってたんだけど、何でマルコが反応したんだろって……」


 アルバンの呟きにハッと気付く。

「裏切り者はお前か!」

「マルギッテ先生と影でイチャラブしてるのか!」

 エルッキとマインラートが気付いてマルコに噛みつくように怨嗟の声を上げる。


「気付いていたけど、そこを突っ込むなよ。モテないのが煩いんだから」

 フレデリクが横になりながらぼやく。

「何かごめん」

 アルバンは謝るが、マルコはエルッキとマインラートに攻め立てられて寝るに寝られずに困る事になるのだった。

 ちなみにフレデリクはもっと前にマルコがマインラートに毎日マルゴット先生にエロい事してるに違いない、と言われた際に毎日できる筈が無いでしょと宥めて収まっていたが、経験豊富ではないという言葉からも、経験豊富じゃない年上のお姉さんと毎日では無いがエロい事はしてるのだろうと言葉の裏をしっかりと受け取っていたが、それをモテない連中の前で言うと厄介なことになりそうだから黙る程度には空気を読める男であった。

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