第024話 フローディア公爵家の御用商人??
コレットとラビィは元から俺より背が高かったけどルルは身長ではライバルだったのに、ちょっとショック。
『レンリート伯爵領で会った時には抜かれておったじゃろが』
ドヤ顔されたよね? でも今はそれすら無いんだよ? まるで幼子を愛でるみたいに撫で回すんだよ? 歯牙にも掛けて無いんだよ?
『まあ、ライバルでは無いかの』
「ん、良い子良い子」
「ほらほら、タニアさんもアイリスちゃんを可愛がりましょうよ!」
「いや、何故皆んな小さくなっているのをそんな簡単に受け入れられるのだ?」
「そこはほら、アイリスちゃんだからねぇ?」
「そんな事よりほらほら、抱っこしてみて下さいよー? 可ん愛いですよね〜」
「いや私はそんなキャラじゃないよラビィ」
「そんな事言って、アイリスちゃんを見て顔が緩んでますよ?」
「コレットまで、何言ってのよ」
「ふっふっふぅ〜。アイリスちゃんの可愛さにひれ伏しなさーい」
ラビィが俺を抱き上げたままタニアさんに押し付ける。
そんな無理矢理、と思ってたんだけどタニアさんにも結局揉みくちゃにされてしまった。高身長でムキムキで、戦鬼だなんて呼ばれてたらしいけどやっぱり女の子だよ全く。
そしてミリアーナ。皆んなに促されて抱っこして来たけど何時もみたいに撫で撫でもスリスリもして来ない。小さくなったから距離感が掴めないのかな?
ミリアーナとはずっと一緒だったし、それはちょっと寂しいので俺の方からギュウっと抱き締めて頬をスリスリしてあげた。
「はわわ、アイリスちゃん??」
「ん、ミリアーナ、……撫でる」
(うっ! やっぱり可愛いアイリスちゃん。そうか、これは私への挑戦ね。男の子だし幼過ぎると思ってたけどそう言う事なら受けて立つわよ!)
元々男性性の欠片も無いアイリスである。幼女に手を出す様な忌避感も実年齢を頭に置けば乗り越えられるとミリアーナは謎の使命感に燃えた。
「ああ~、ミリアーナさん何時もみたいにしてあげないからアイリスちゃん寂しがっちゃったじゃないですか」
「アイリスちゃん可哀想〜」
「ん、ルルが可愛がる」
「いやいや、ちょっと事案になりそうな気がして遠慮しちゃっただけだから! 求められてるならメチャクチャにしてあげるから!?」
いやいや、そんな事は求めて無いんだよ!? 何言ってるのこの人??
その後暴走するミリアーナから何とかコレット達に引き剥がされたが酷い目に遭ってしまった。
フローディア公爵家のお屋敷は兎に角デカい。ねぇねの部屋を探すのも大変だよ全く。
『お主は探しておらんじゃろ』
ミリアーナにボロボロにされた体を引きずって、――はいない。すぐに助けたられたからね。ナージャさんにパジャマに着替えさせられ、抱っこでねぇねの部屋まで連れて来て貰ったのだ。
「ねぇね。寝る」
「…………ユミルも一緒だけど良い?」
「ん、一緒」コクリ
「やった! リリちゃん早く早く! あっ! マリエルちゃんとセディナお姉ちゃんも呼んで来るね!」
「止めなさい。収集付かなくなるでしょ」
「むぅ~」
娘のユミルと一緒とは言え宿屋の8人部屋くらいの大きさの部屋だ。これでも使用人用の小さな部屋だそう。ベッドが大きいから3人でも余裕で寝られる。
ユミルは真ん中で俺達に挟まれて寝たかったみたいだけどねぇねが真ん中で寝たがったから譲ってあげてた。俺とユミルに挟まれて寝たいとかやっぱりねぇねは甘えん坊だな。
『幼い娘とお主を隣りで寝かせたくなかっただけなのじゃ』ボソリ
『甘えん坊なのー?』コテリ
『コヤツにだけは言われたくないじゃろな』ジト目
テンションが上がったユミルに色々話し掛けられてたけどオッサンにはそのテンションはキツいのよ? ねぇねの温もりもあって直ぐにうとうと来て寝てしまった。
「あれ? リリちゃん寝ちゃったの? もっと話したかったのに〜」
「リリちゃん寝付きが良いからね。寝かせてあげなさい」
「は~い。もう、リリちゃん子供なんだから仕方ないなー」
『素早く寝かせるのじゃ。さっさと成長させて剣士として生かせるのじゃ!』
『まだ諦めて無かったなのー?』
『当たり前なのじゃ! ネネェもヤルのじゃ!』
アイリスが小さくなってからひと月、リリィは隙をついてはアイリスを寝かせて回復魔法で成長を促していた。勿論何の成果も無い。敢えて言うなら周りに中身も幼児化したと思われているくらいか。
――因みに、ナージャも一緒に寝ようとしたがアリーニャさんに引きずられて出て行っていた。
翌朝学院で一緒だったホリーやフラン、エリカちゃんと会った。当然可愛い可愛いと揉みくちゃにされた。
……はぁ、女の子は何でも可愛いって言うんだよね。おじさん付いて行けないよ。
「コレットさん達は護衛として毎日会えるのに、私達はあんまり会う機会が無いのよね」
前は精霊神社に毎日通っていて、その帰りに寄ったりしてたけどね。今は偶に巫女のイーリス様に呼ばれて行くくらいで殆んどお屋敷と王城を行き来するくらいだからホリー達とは中々機会を作れないのだ。
「公爵家のお屋敷に行くのはちょっと敷居が高いですから」
「むーん、こんなに可愛くなったアイリスちゃんに会えないなんてぇ!」
ホリーは普通に残念そうにしてるけどフランはガッシリと抱っこして離さないし、エリカちゃんもギュウギュウ抱き締めて駄々を捏ねてる。
俺は昨日今日と女の子達に揉みくちゃにされて無心でお菓子を食べるだけだよ。もぐもぐ。
「それでは御用商人になるのは如何でしょう」
「御用商人?」
「私達そんな大層なお店では無いですよナージャさん」
「フローディア公爵家に商会設立を後押しして貰い、貴女方が運営するのです。そうすれば会いに来る口実も出来ますし来やすくなるでしょう?」
「「「私達が商会を作るんですか!?」」」
「ナージャ。何を勝手な事を言うのです」
「アリーニャさん。フローディア公爵家にまだ御用商人が居ない事を嘆いていたのはアリーニャさんではないですか。この子達は信頼が置けますし、シャルロッテ様やダールトン様に話しを通せば上手くやってくれますよ」
「…………はぁ。まずシャルロッテ様の許可を得なさい」
アリーニャはビアンカの下からシャルロッテのフローディア公爵家で雇われる事になっていた。シャルロッテには公爵家で仕事が出来る人材が圧倒的に不足していた事と、人見知りするアイリスへの配慮である。
こうして3人の少女達は何の覚悟も無いまま公爵家の御用商人となり商会運営をして行く事になった。
「「「…………えぇ……」」」困惑
申し訳ありません。ストックが完全に切れました。
明日はそのままで第027話から月に何話か月曜日の12時00分に投稿します。
このまま書き続けて行く予定なのでこれからも宜しくお願い致します。




