表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
靴の勇者令嬢~ハズレスキル『靴』を持つ侯爵令嬢は、勇者として魔王に嫁ぎ、最強の旦那様と共に真の悪を倒します~  作者: 赤林檎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/47

23.魔神と英雄(前編)

 わたくしの身体――いや、胴付長靴が紫色に輝いた。

 ヴァランタンが『つよつよ』で胴付長靴を強化してくれたのだ。


 わたくしがヴァランタンを見ると、ヴァランタンはまだ立ち上がれていないものの、もう薄桃色に光ってはいなかった。


 サンソンを見ると、ドライアド・フラワーではなく、睡蓮のような花を頭に咲かせていた。

 サンソンの前にクリスティーヌが目を閉じて仰向けに倒れていた。おそらく、サンソンが花の香りで眠らせているのだろう。


 ヴァランタンが剣を杖にして、ゆっくり立ち上がった。


「『浄化』を使うとは……。大魔王でなければ死んでいたぞ」

 ヴァランタンは愛で清められそうになっていたのね。

 失礼な話だわ。クリスティーヌの方が、よっぽど浄化されないといけないわよ。


 わたくしはコマンド画面をまた見つめた。

 今、この『真っ赤に焼けた鉄』でできた胴付長靴はデジレに傷つけられ、少しずつ曲がっていっていた。今こそ、よくわからない『常時メンテナンス』を使って、胴付長靴の修理をしたら良いのではないかしら?

 実戦でいきなり、よくわからないスキルを使うのも危険な気がしたけれど、もうやるしかない。


『常時メンテナンス』を発動させると、デジレの腰のあたりで曲がってきていた胴付長靴が、どんどんまっすぐに戻っていった。

 デジレの指で引き剥がされそうになっていた胸元の部分も、修復されてすっかり元通りになった。


「靴の勇者ぁ――! 貴様――! ウグゥオワアァァァァ――!」

 デジレは自分の肉がえぐれることも気にせず、胸元の部分から胴付長靴を引き剥がしにかかった。

『常時メンテナンス』で修復するよりも早く、『真っ赤に焼けた鉄』が引き延ばされていく。


「シャンタル嬢――!」

 わたくしは胴付長靴の肩ひもの部分に重みを感じた。わたくしが視線を上部に向けると、ヴァランタンがデジレの肩の上に立っていた。


「シャンタル嬢、見てはいけない!」

 ヴァランタンの声が降ってきて、わたくしは視線を緋色の絨毯に向けた。どうしてだろうと気になったけれど、ヴァランタンはわたくしにとって悪いこと、不利になることなど言わない方だ。


 ――ザシュッ!


 嫌な音がした。


「ウゴアァァ――ッ!」

 デジレは短いけれど、これまでで最も恐ろしい悲鳴をあげた。


 緋色の絨毯に大量の血が降り注いだ。絨毯が元の緋色とは違う赤黒い色に染まっていった。

 突然、血が金貨に変わり、わたくしは胴付長靴から人の姿に戻った。


 座り込んだわたくしの前に、ふわりとヴァランタンが降り立った。

 サンソンもクリスティーヌを残して、わたくしのところにやって来た。


「怪我はないか、シャンタル嬢?」

 長剣を投げ出したヴァランタンが、わたくしの前にひざまずいて顔をのぞき込んできた。ヴァランタンの視線は、わたくしの肩や胸元、お腹のあたりなどを確認していった。


「ええ、大丈夫です」

 わたくしはヴァランタンに笑いかけた。

 ヴァランタンは安心したようにほほ笑み返してくれた。


「すげー戦いだった。靴が弱らせたところを、大魔王の剣で脳天から串刺し」

 サンソンがデジレが倒された状況を教えてくれた。

 こうして聞いてみると、なんとも恐ろしい。

 世界はやっぱり平和な方がいいわ。


「ヴァランタン様、デジレにとどめを刺してくださって、ありがとうございます」

「シャンタル嬢を殺されるわけにはいないからな」

 ヴァランタンがわたくしを抱きしめてくれた。


 突然、荘厳な曲が流れ出した。

 まさかイベントムービー的なものはここまでで、エンディングテーマが流れ始めたとか?

 えっ、待って! これって黒い画面の右下にENDとか出る流れだよね?

 ENDって表示された後はどうなるの?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ