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まさかwebで ミステリー大賞に リベンジする日が来るなんて!  作者: ふりまじん
ここは私がミステリー大賞にリベンジする事になるのだろうか?

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一期一会


一期一会 茶道由来の言葉で、人との出会いはその一度きりかもしれないから大切にしなさいと言う意味。と、子供の頃、そう聞いた。

私が子供の頃、当時の大人は太平洋戦争の経験者がいた。だから、この言葉の意味がしっくりきたのだと思う。昨日、元気に別れた友達が空襲で亡くなると言ったようなエピソードがまだ、生々しい時代だった。

でも、私はこの言葉の意味を、理解は出来ても共感は出来なかった。平和な時代に生まれて通信環境が良くなってネットの時代になると、すぐにスマホから連絡できるし、自分が気にしてなくても何か検索している時に昔の知り合いを見つけることだってあるのだから。


でも、今回、懐石料理の初めの 飯 の話を聞いた時、一期一会の言葉の意味が共感出来た気がする。

米を炊くのには時間がかかる。そして、炊き立てのあの、輝く瞬間は、2度と取り戻せないのである。


なんだか偉い4文字熟語を食べ物で理解を深める自分に情けなくなりながら、それでもナツメと話を続ける。

「この話は、いろんな謎があるんだけれど、企画が変わったから、私が最後にオカルトリポートを書くことになりそうなんだ。」

と、言葉にして苦笑する。あーあ。昔、人気のオカルトまがじん『みぃ・ムー』という雑誌で一般募集していたことがあった。子供の私はチャレンジしてみたかった。でも、ドキュメンタリーなんて書けないとすぐに諦めたのだった。まさか、そんなものにそんな企画がなくなった令和の現在、チャレンジしなきゃいけないなんて、人生、一寸先は闇である。

「まあ、どのような謎を解かれるのですか?」

と、興味津々なナツメの姿に、私の小説を読んでくれる人はどんな顔をしているのだろうかと、なんだか恐縮する。

「まあ、面倒なことは出来ないよ。子供の頃、記者に憧れた時があってさ、そんなドラマが人気だったんだからで私も世界の謎を解き明かす記者になりたかったのよ。まあ、なれなかったのだけれど。」

「それは残念ですわね。」

「そう、かな?まあ、私は自分の人生を否定はしてないわ。それなりに楽しかったし。とはいえ、子供の頃は、それでも真面目に考えたんだ。そして、書けない結論を見つけてしまったの。」

「どのような結論ですの?」

「うん。私には世界の謎を教えてくれる新聞記者の友達がいなかったし、世界を動かす秘密結社からのスカウトもなかったから。田舎の子供が手にできる情報なんて、限られているもの。それで、東京のオカルト雑誌の編集者をギャフンと言わせるような、そんな話なんて私には書けないもの。」

私はそう言って笑い、そして、コーヒーを作るためにキッチンに向かう。


そう、子供の頃、私は面倒臭い性格で、なんでも知ったかぶりで生きていた。

田舎の、図書館と本屋の情報だけでは、ミステリー・まがじんに投稿できる話なんて書けないと思っていた。


「それは、悲しい思い出ですわね。では、今回、オカルトリポートをどうするおつもりなのでしょうか?あ、もしかして、記者のお友達ができたのでしょうか?」

と、嬉しそうに聞いてくるナツメの楽しそうな笑顔が痛い。

「いいえ、記者の友達も、秘密結社のオファーもないわ。でも、そんなものがくてもリポートって書けるって気がついたのよ。」

と、私は話した。


「江戸川乱歩の『悪霊』と言う小説は未完で終わっている。だから、様々な人がその考察をしたり、二次小説で完結したりしているの。

で、私も『幽霊作家』と言う作品で考察を披露してたんだけれど、そこで大正時代のオカルトに触れてね、こういう話を書いているだけでもレポートになるって気がついたんだ。『ミステリー大賞』でも取り上げたし、このあたりを議題にしようと思うんだ。」

と、私は言った。キャラクターに話すにしてもなんだか気恥ずかしい話だけど、何度も話して、そこから現実の作品にあげないといけない。

ドキュメンタリーは嘘は書けないけれど、モキュメンタリーは嘘でも面白いエンディングが必要なのである。だから、何かやらないと決まりが悪い。こうなったら、私が、子供の頃の無理ゲーに、ドキュメンタリーとやらに挑戦して、華麗にオカルト雑誌か、動画?でも作る???しかなさそうだ。

が、そんなことを考えてる私よりもナツメの方が頬を赤く興奮していた。


「まあ、まあ!!江戸川乱歩の作品の考察をされるのですね。ステキ!ステキですわ。ああっ。夜咄のアイディアがこう、胸から溢れ出てきそうです。」

と、ナツメは自分の胸に手を当てる。そこで、ナツメの胸が大きいことに気がついた。大きいと言っても、近年のラノベのキャラのような、西瓜クラスの大きさではなくて、少し大きな甘夏くらいで昭和の時代では十分グラマーと呼ばれただろう良い大きさだ。私が男だったら、ここでドキドキするのだろうけれど、私は女なので 重そうだな と思うくらいなものである。

「そんな胸がはち切れそうな位、考えなくてもいいわよ。まあ、それは最終目的で、今回はそこまで行かなくていいのよ。と、いうか、去年の事を少し考えたいから、話を聞いて欲しいのよ。」

私の言葉を、ナツメは聞いてなかった。もう、気持ちは夜咄のメニューに飛んでいた。


「まあ、そうですの。でも、トキメキは止められませんわ。そうですね。これで、メインの食材は決まりましたわ。」

「え?」

「うふ。私、これでもミステリファンですの。ああっ。乱歩作品はドイルの作品と共に大好きですの。ああ、勿論、野村胡堂先生の『銭形平次』も忘れてはいけませんわね。」

ナツメ、ハイテンションである。

「そうなんだ…」

「そうなんですっ。それで、考えたのですけれど、ここは『汁』の味噌を思い切って赤味噌を使ってみては、と、提案したいのですわ。」

「赤味噌??それいいの?なんだか、懐石料理の味噌汁の味噌って、決まってなかった?ええと、白味噌と八丁味噌の合わせ味噌なんだっけ。」

ああ、面倒臭い。リアルではうちの出汁入り味噌でいいやとか思ってるけど。

「そうですわ。勉強されたのですね。でも、それは堺で暮らした戦国時代の利休の考案した懐石ですもの。この辺りは少し令和のアレンジを加えて良いと思いますのよ。だって、乱歩、乱歩の作品を扱うのですもの。大正ロマンなのですわ。舞台は東京。それなら、味噌は赤味噌を使う位の 攻め は必要だとおもいます。ところで、卯月さんは味噌の種類はどのくらいご存知?」

ナツメ、なんだか上から目線である。

「赤味噌。白味噌、八丁味噌。出汁入り味噌。そんなものかな。」

適当に答えた。そういえば、味噌なんて、出汁入りのいつものヤツで人生暮らしてゆけた。

「ま、そうですわよね。でも、味噌、『手前味噌』なんて自慢の言葉があるほど、味噌は語ると面白いものなのですわ。まあ、そこまでは行かなくても、基本の数種は知っておいて損はないと思いますの。

時は令和。インバウンドな時代なのですもの。日本人として、味噌の基本の知識は読者への 言葉の一品 としてふさわしいと思いませんか?」

ナツメは夢見るようにそう言った。

「はぁ。まあ、そうかもしれないね。」

私はそう言いながら、確かに味噌の作り方とか、外国人にず説明できるかというと、そうでもないな、と、考えた。

味噌汁を飲む機会は減っても、味噌ラーメンは外国人に人気である。そ、思い直して、ナツメの話を聞こうとした時にスマホが鳴った。

懐かしい人物からのメール…克也からだった。


〈いいか、聞け!これから日本がのたうちまわる。が、それは新時代の幕開けの胎動のようなものだ!!日本は地震が頻発する、そして、それは北上し、ロシアに、去年の震源地へと到達する。そして、その時、地球が真っ二つになるんだ!!!

その時、人類はアルティメットに進化する!!

が、卯月さんは進化できない。老いているからだっ!!!

新しい時代の痛みが来る前に、美味いものを食べて好きに生きろ!

もう、お前の人生は終わっているんだからなっ。

ダイエットなんて考えるなっ。

美味いものを食え!

行きたい所に言ってこい!!

じゃあな。〉



じゃあな、って。


この、ツッコミどころがいっぱいのメッセージを私は見つめていた。

一期一会 人の出会いをこれが最後と思って大事にすること。


でも、克也にそれを当てはめると、エタの地獄がら這い上がることは出来ないんだな。と、そう思った。

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