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まさかwebで ミステリー大賞に リベンジする日が来るなんて!  作者: ふりまじん
マラキは誘う

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そうだった…

4月に剛の夢を見た。タロットカードの法王のような。

そして、アストロジーとの関係を追いかけていた。

どうして、こんなに横道に逸れたのだろう?


7月に3Iアトラスが来たからだ。


面倒くさいことになったなぁ。

私は頭を整理するように小林と山臥に話し始めた。

ローマ法王の崩御とその日にちのミステリーを。

復活祭がヒトラーの誕生日に重なったことを。

その翌日に法王が亡くなった事を。

惑星がパレードをする不思議を。


「ああ、面倒くさいことになってるんだよ。あーあー。

なんかね、都市伝説が好きな人は、なんでも関連づけて考える傾向になるんだって。

写真の背景に穴が3つ空いていれば、私みたいな人間は、そこに幽霊と怨念を感じるんだって。

そうは言われてもさ。こんな事があるんかな。」

私は渋い顔になる。


2019年、来年、オリンピックで景気が良くなると思われて、剛に良い仕事が回ってきた。

夏には西條八十の『トミノの地獄』の都市伝説が話題になっていた。八十、デビュー100周年にこの年は当たっていた。

私は、金儲けをしたくて12月にそれを使って短編を書くことにする。

あと数日で著作権が切れるはずの物語だと思った。私は2018年に著作権の法則が変わった事をを知らなかった。

この話でサスペンスを一つ考えた。

7年前に殺された妻が蘇る物語を。失踪宣告が必要だった。

みんな関係のない話だった。

ブックマークが一つ減ることも、『肉食の繭蛾』の話を考えようとすることも。

みんな、みんな偶然だった。


その後、正月休みが終わる頃には、インフルエンザが世界で流行り始めていた。それはいつもとは違う、何か大きな流行りだとテレビで見た。


そこから、まさかパンデミックで、みんなと会えない事になるなんて、

2025年大阪経由で名古屋に行こうと約束をし直す事になるなんて、思わなかった。

だから、約束の年まで、物語を1970年の大阪万博と話を追加するなんて考えなかった。


そこから『トミノの地獄』を必死で調べた。

音読すると不幸になるって都市伝説があった。


1999年恐怖の大王は私からご祝儀と友達を連れて行った。

2012年は何も起こらなかった。

前の年が大変だったから。小さな事は覚えていない。

2019年は夢の年だった。

2020年はベテルギウスが爆発するって言われた。

ベテルギウスは爆発しなかったけれど、剛は仕事を1つキャンセルされた。

私は剛と皆んなで新たな慰安旅行の約束をした。

2025年を新しい約束の年にした。


万博の話を追いかけていた。1970年の。

のびた約束の期間でもう少し稼ぎたかった。せめて500円を。


そこまでは普通にある話だと思う。

でも、西條八十が1970年8月に亡くなったなんて知らなかった。

1970年大阪万博で日本がわいた夏の事だった。


八十がデビューした1919年はスペイン風邪が猛威を振るっていた。

そして、100年を過ぎたその年に新たな感冒が世界に広がっていた。


剛は死んだ。もう、慰安旅行を計画する必要は無くなっていた。


2025年今年、結局、未完ばかりを乱造し続けていた。

行き当たりばったりで色んな物に手を出していた。

だから、2025年が、物語の起点の2012年から13年目に当たるなんて考えもしなかった。


私は、まるで考えたように話を盛って更新していった。

でも、ずっと、不思議な偶然に翻弄されて、完結ボタンを押せずにいた。

私はオカルト好きでただの偶然を奇跡と妄想してるのだろうか?


フランシスコ法王が、病床から立ち直り、復活祭を取り行ったことは、ただの気力の問題だけなんだろうか。

それは、私にはわからない。

でも、やはり、どうしても、4月の剛の夢を2012年に、『パラサイト』の続編に繋げるいい辻褄を思い浮かべることは出来なかった。


だから、多分、3Iアトラスに気が入ったんだと思う。

ここで、もう一声、法王で辻褄を合わせられないから、WEBの底辺でもがくしかないのだろう。

ここが、私の限界なのだ。


私はくれてゆく19日を静かに感じていた。

人類は滅亡する事なく私は来年も色んなことに悩まされる。

でも、剛との約束は、もう、ここでネタ切れ、期限切れの気がした。


2026年は、私が一人で何かを目的に書いてゆかなきゃいけないんだ。

そう考えると、一つの時代が終わるような、激しい焦燥感に襲われた。

ああ、せめて、あと一声、ローマ法王のミステリーをこじつけたかった。

剛のあの夢を、ただの妄想で終わらせたくはなかった。


一人で盛り上がる私に、小林が小さな声で話しかけてきた。

「卯月さん。これ、ローマ法王にも法則は当てはまりますよ。」

「え?」

私は小林が向けたスマホの画面を見た。

「フランシスコ法王が就任したのは2013年3月。今年はそこから12年目に当たります。」


小林の声を遠くに聞いていた。

代々の法王のホロスコープを思い出していた。

法王の亡くなった2022年は剛の亡くなった年でもあった。


私はスマホの画面を見つめながら、最高のこじつけを、話の売り口上を考えていた。

私も剛も、みんなも若くて、フリマをしていたあの日のように。

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