謎
ああ、自分の作品をみるのは辛い。下手なイラストまでついてると苦しくなる。でも、読むしかない。
私は読み始めた。
そして、問題点をノートに書き始めた。
事件については一応、結末はついていた。
でも、なぜ、こんな事件が起こったのかは相変わらずわからなかった。
『パラサイト』のあらすじは
50代の早期退職者、池上が派遣社員としてアルバイト先にゆくところから始まるのだ。
池上は殺虫剤などを製造する会社の研究員で、虫や山に詳しい人間だった。
だから、今回の案件で呼ばれる事になった。
その案件は、オカルト動画の撮影の補助で、いわく付きの屋敷へと向かう。
いわくとは
7年前の不可思議な事件で、屋敷の持ち主の女性が不可思議な失踪をしたというものだ。
失踪した女性は代々の生物学者で、彼女は子供のように可愛がっていたショクダイオオコンニャクの開花の日に消えてしまった。
ああ、頭がいたい。この事を考えると今だに頭が痛くなるし、完結したのにまだ考えないといけないと思うと悲しくなるが、まあ、仕方ない。
続編で残った謎を、なんて、間違っても書くもんじゃないなと、後悔はするが、まあ、仕方ない。
それに、最近はホラー人気があるらしいから、ワンチャン、何とは言えない。
私は、短編のホラーを書こうとしていた。当時、ノストラダムスの話を考えていて、それが過去の有名作品に似てくるのに悩んでいた。でも、大体、同じ資料で考えるから、似てくるのは仕方ないと結論をつけ、割とSFミステリーなんて適当に書いてもいけんじゃね?と、つい、考えていた軽さもあった気がする。
で、西條八十先生のデビュ作品の『トミノの地獄』の発表100周年に2019年が当たっていて、その年の夏ホラーに間に合わなかったので、勢いで12月に書いてしまおうと思ったのだ。
短編は割と完結できていたから、自信があったのだ。まさか、そこから、こんなに面倒になるなんて思ってもいなかったけれど。
ともかく、初めは1万字で考えていたから、単純な話だった。
2012年、邪魔になった金持ちの妻を殺して土に埋め、7年後に失踪宣告をして全財産を手に入れた愛人と夫が、都市伝説を面白半分にやって、それで妻の遺体を甦らせる。というものだった。
で、失踪宣告の7年から、7年周期に咲く花を探したら、ショクダイオオコンニャクだったのだ。
が、この花は絶滅危惧種で普通の人が扱うものでない事や、その前に書いた『オデション』のアンコールも兼ねていたので、その話に出てくる『肉食の繭蛾』というものを入れ込むといった、素人が盛りだくさんで自爆するをやっちまったのだった。
ああああああっ。嫌になる。
まあ、いい、昔話はやめよう。まあ、ともかく、そんな感じで書き始めたのだった。
当時、私は2020年でこの名前の活動を終わらせようと思っていた。
確かに、初めから私しか書いてないから私のIDで誰も文句は言ってないが、名前がメンバーに知られているから、色々と身バレが怖いのだ。
だから、へんは話は書けない。18禁とか、エロい話なんて書けない。
でも、ネットの規制が強くなる中で、そう言ったところにも自由がある方がいい気がしたのだった。
大して読まれてもいなかったし、メンバーの誰かが一緒にやってくれると思っていたから、あまり他作品にコメントをしたりとかもしてなかったし、このIDには未練はなかったのだ。
そして、あと少しでやってくる2020年に夢の慰安旅行が現実化しようとしていた。
あまり稼げなかったけれど、それでも、収益がもらえるサイトを見つけて作品を出した。
あと少し、頑張って500円は稼ぎたかった、だから、完結した短編が欲しかったのだ。
不人気ジャンルと言われるホラーだけれど、不人気ジャンルは少し、ポイントが上乗せされるイベントとかもあって、実力では越えられない壁を私はそれを使って這いあがろうともがいていた。
そして、克也。311からそんなに会う事の無かった克也に偶然出会ったのも悪かった。
そうなんだよな。本当に、自分の話の方が漫画みたいなんだよなぁ。
2019年に西條八十のデビュー100周年に当たって、その上、2018年以前なら2020年が没後50年で、そういう事に明るくない人間が、2020年に著作権が切れると錯覚する状態なんて、そうそう真栗合うもんじゃない。
そう言うのがなかったら、私だって『トミノの地獄』の都市伝説なんて考えなかったと思う。
夏のホラーイベントでネタ探していて、どうにも物語が浮かばなかった。逆に言うと、半年くらい話を考えた状態で12月を迎えていたから、つい、そんな話を投稿したのだから。
それと、『オーディション』と言う話のアンサーなんて誰も求めてないものを付け加えたのも不味かった。
なんであんな事をしたのか。今となってはわからないけれど、でも、あの作品は、小説で私史上トップのブックマーク5がついていた作品だった。
ブックマークが5って、しょぼいと思うかもしれないが、底辺で5を貰うのはとてもすごい事なんだ。
で、もう、なんか面倒くさくなったり、やめたくなると、私はこの『オーディション』のブックマークの5を見に行ってたんだよな。
で、その月も見に行って、それが4になっていたのを見てなんだかとても悲しくなった。
気がつけば、私も活動3年を越えていた。新入生の中学生は卒業している事に気がついて、切なくなったのだ。で、なんか、読者にお礼のアンサーを、とか、小っ恥ずかしい事を考え、作り始めた話に『肉食の繭蛾』の要素を入れようとしたのだった。
そうだった。思い出してきた。
『オーデション』の最後に主人公の池上は言った。
「肉食の繭蛾は存在しない」と。で、その時、調べて私も見つけられなかった。
代わりに見つけたのがアオムシサムライマユコバチだった。
で、この蜂が寄生蜂という種類だったので題名はパラサイト=寄生 になったのだった。
ああ、思えば、これがあったから話が変に複雑になったのだ。
そして、7年前が2012年だったという事が…
そう、2012年という年が、仕舞い込んだ古本を取り出せるきっかけになったのだった。
「おい、おおおぃ。」
はっ∑(゜Д゜)
私はそこで我にかえった。山臥が帰ってきたのだ。横に誰かを連れて。
私は驚いて山臥を見た。ついでに隣の男も。
「え?だれ?」
私は反射的に聞いた。山臥は鼻で笑って男を我々の席に招いた。
男は多分、まだ20代だと思う。細身の、なんだか幼さが目元に残っているような青年って感じの細身の男だった。




