周期
13は神の数字かどうかはわからない。
でも、ここに辿り着くまでには様々な経験や観測があるんだと思う。
あの配信者が何を参考にあんなことを言ったかはわからない。でも、太陽活動が11年周期である事は確かである。太陽の活動は地球の環境に影響はするから、それを観測すれば様々なものと関連づけられて記されたと想像できる。
だから、今回も当たらずとも遠からずで色んなものが当たった様に見える。
現在の状況が311の時と似てるという人も、太陽周期との関連を疑う人も、マヤ暦で考えるのも、なんとなく12、13くらいの周期で考えるとそんな感じになるんだと思う。
「それだけか?周期では説明がつかない一致もあるだろう?」
妖精は私に話しかける。もう、細かいことを考えていたら19日が終わってちゃうじゃない。
「いいのよ。もう、そんなに考えていたから、2025年のムーブメントに乗れなかったじゃない。」
私は手を動かしながら妖精に文句を言った。
そう、考えすぎたから、7月の予言も、マラキの予言の予言のムーブメントに乗れなかった。都市伝説は流行りがあるから上手く乗れないと誰にも読まれなくなる。今回はなんとか19日前に描き終わりたい。
「ムーブって不謹慎だな。」
妖精が私を責める。
「いいのよ。いつも、騒ぐ人が騒がない方が不気味ってことだってあるんだから。」
私は都市伝説が流行るたびにデスゲームをする克也の想像の自分を思った。
今年、平和だって克也が言ったそんな時に地震とか、どっちが縁起が悪いのか、私にもよくわからなくなっている。
「そうか?本当にそうなのか?」
「そうよ。1999年の時だって、慌てた人が失敗してたもん。まあ、悪いことばかりでもなかったけれど。この年は割と平和だったし、コンピュターの問題も変なふうにはならなかったもの。
それに昔、山臥に言われたの。自分の深層心理を知る方法を。」
私は手を止めて本を見た。本の妖精は少し困ったふうに私に聞いた。
「なんだ、それは。」
私は言った。どんな占いより、深層心理がよくわかるその方法を。
「山臥に1万円催促なしに貸せるかどうかを考えるって事よ。いい、本当に19日に人類が滅亡するなら、1万円なんてあと数日で価値がなくなるじゃない?本当にそう思うなら、山臥に催促なしで貸したって問題ないわけよ。でも、少しでもその1万円が惜しいと感じるなら、そんなことは信じてないし、心配はないって、心が思っているのよ。」
私は大きく納得しながら頷いた。1万円、山臥に貸すなんて勿体無いって本当に思えるもの。
妖精はしばらく黙って、それから大笑いをした。
「なんだよそれ、そんな了見で生きていると詐欺に遭うぞ。」
「うるさいなぁ。いいのよ。どうせ私は欲張りバーさんなんだから。なんにしても山臥にそう言われて、私ハッとしたんだもん。その時、私、まだ、1万円の価値を諦めていない事に気がついたのよ。」
私は最近のニュースを思い出して少し暗くなる。
仕事がなくなった剛がぼやいていた事を思い出した。災害とか不景気の話なんてしたくない。そして、新しい年が景気が良くなればいいと思う。
2019年の12月は夢があった。小説を書ければ来年はいい年になると思っていた。
マヤの本を読んでいた。2012年を思い出していた。
2019年、行方不明から7年が経つと失踪宣告をいう手続きで死亡として扱うことが出来る。これは本来、家族が失踪、様々な行政、不動産の管理などの手続きの負担から残された人を救済する法律であるが、推理小説ではしばしば、金持ちの家族を殺害して遺産相続すると時に使われる。
2020年に西條八十先生の著作権が切れると私はその時思っていた。
没後50年、少し前まで日本の著作権は50年で切れると言われていた。
ついでに2019年、八十先生のデビューから100周年だった。そして、その中の詩に都市伝説になったものがあったのだった。
不気味な都市伝説と不思議な数字の巡り合わせに、1万字程度の小説を書く予定だった。
7年前に殺害した金持ちの妻の遺産を手にする愛人と夫の話を八十先生の都市伝説で不気味に飾って、名古屋もモーニングをご馳走になりたかったのだった。が、2019年の7年前が2012年だったので、いろいろ調べているうちにおかしな方向に話が進んだのである。
そう、丁度、こんな風に、私は何かに催促されるように話を作っていたのだった。
あの時は、まさか世界が、あんなん事になるなんて思いもよらなかった。
コーヒーを作った。最近、高くなったから少し節約していたとっておきのレギュラーコーヒーを丁寧に入れた。
時は巡る。
太陽の活動が活発になり、
私は、ここでこの物語の始まりを思い出していた。
2019年、奇跡的に克也と図書館であった。そして、物語を作っていると話をした。あれから5年。物語の結末をつけるのにはいい頃合いのような気がした。
同じように時がめぐる。
今度は逃げずに書き切ろう。そんな子持ちが込み上げた。
「おい、聞いてるか?エレーニン彗星を覚えているか?」
妖精の言葉が耳に届いた。




